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79. うつけの辛さ……!

 本日の業務は、なんとか終了した。


 トクヤは、自身の仕事を終えるとそそくさとレンの執務室から去って行った。それほど,自身の子ども二人から怒られたのは、効いたようだ。


 マホの「最大の汚点」は、結構響いたようだ。トクヤは、娘のマホを特に可愛がってきた。それに、シオンも。レンに関しては、幼少期の行いにで距離をおかれたいたのだ。



「レンお兄様!お疲れ様です!明日も、お手伝いしますよ!!」


 マホは、元気な表情でレンに、話しかける。


 大分、疲弊していたレンは、マホの表情に笑顔で答える。


「学校に行けない分、僕の下で王政について学ぼうか!!」

「うん!!」




 マホは、マナの近くに行ってレンのことに関してお願いをする。




「マナねぇさん!レンお兄様のこと、よろしくお願いします」

「わかった!」




 マホも執務室から出て行き,レンとマナだけになった。


「レンくん!お疲れ様!」

「取り敢えず、ここから出よう!ここに居ると、仕事のこと考えちゃうから!」


 執務室から出て施錠しレンの部屋に向かう。


 外は,太陽が沈んで行っている最中だ。一日は、早いものだと感じながら部屋に向かう。


「ねぇ?マナ?」

「なに?」

「今日って、急ぎの用事とかある??」

「ないけど??」

「だったら、少し話さない??」

「そのつもりだよ!マホちゃんにも頼まれたからね!」

「あの時かぁ~~マホも成長したねぇ~~兄として嬉しい限りですよ!!」
















 レンの部屋に着くと、二人で部屋に入る。


「どう?通いは、大変じゃない??孤児院から距離あるし??」


 マナは、孤児院から通いで王城に仕事しに来ている。レンの傍で働きたいかつ孤児院の子どもの面倒も見たいと言うマナの要望を受けて、通いという形をとっている。

 本来なら,王族の秘書官になった人物には専用の部屋が用意されている。もちろん、マナとリーナの部屋も用意されているが、二人とも王城の部屋を使った形跡がない。


「それがね、施設長先生がね『あんた!王子の秘書官になったんだから王子の業務を優先させなさい!』って言われたから、王城に引っ越そうと思ってる!」


 マナは、表向き元気そうな表情だが内心は寂しいのだろう。少し、言葉に覇気がない。


「やっぱり、寂しいよね……ずっと、住んでいた所からの引っ越しだもんね」

「……うん」

「でも、僕は王城にいち早く引っ越して欲しかった」

「……私の身の安全だよね??」

「少し、差別的な言葉使うけど許してほしい」

「わかってる、大丈夫だよ!」

「やっぱり、王族に近い人間を貧民街に帰らすのは、マナの身の危険もそうだし孤児院に居る子どもの身の危険の可能性もあったから……ごめん、僕の方からマナの住居を王城に移すようにお願いした」

「うん……施設長から聞いたよ!私も私が、王城に引っ越したほうが子ども達の命の安全考えたら良いと思った」


 マナ自身も自分が、孤児院に居ることで子ども達に身の危険が及ぶ可能性があることは、解っていた。しかし、孤児院の子ども達が、マナと遊びたいと言うので、マナの優しさもあり、中々引っ越しに踏み込めなくなっていた。


 レンが、王政において存在感を強めていくと同時に、レンの第一秘書官であるマナの存在感も強くなっていった。

 これまでは、ハットリ家の人を孤児院の警護に充てていたが、今後ハットリ家の仕事量的に孤児院の警護までは人員を回せないことが予想される。


 マナを王城に引っ越させるタイミングはここしかないのだ。


「マナ、ごめんね?施設長に話す前に、マナに話せば良かったんだけど言い出せなかった」

「わかってる……レンくんは、私の事を大切にしてくれたし子ども達のことも大切にしてくれた……だから、言い出せなかったんだよね??」

「これも、王族のせいなんだけどね……」


 マナもレンの心の痛みはわかる。マナもレンの立ち位置に居たなら同じことをしただろう。















 マナは、レンに向かって両手を広げた。


「何?」

「ギューってしよ??」


 マナは、レンにハグをしようと要求した。


「私が、孤児院に居た頃に、施設長がよくしてくれたんだ!私が、苦しかった時に!」

「何で,僕が苦しいと??」


 何時まで、経っても自身の胸に飛び込んでこなかったレンに対して、マナ自身からハグをした。


「だって、レンくん抱えてることが多すぎるよ!今日だけでも、レンくんのお父様のことや孤児院のこと……レンくん、相当苦しかったでしょ??」

「あはは……マナには、隠し事出来なさそうだね」


 レンは、観念してマナのハグを受け入れて、レンもマナをハグする。


「ハグって、結構落ち着くな」

「でしょ!小さい時に、落ち込んだ時の施設長のハグは効果抜群なんだから!」

「ふ~ん……じゃ,僕のハグはイマイチなんだね……」


 レンは、いじけてみせる。


「レンくんのハグも落ち着くよ??これからは、レンくんにハグして貰おうかな??」

「僕でよければ!」

「逆に、レンくんが苦しいって思ったらハグしてあげる!」

「尻尾を触るのじゃダメ?」

「触ったら引っ掻くよ??」

「すみません……」


 結局、その日マナは王城に用意された自分の部屋に泊まったのだ。


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