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第19話 階段に来る人は……

 影につられ、顔を上げる。

 俺がよくこの場所に行くのを知ってる人物は1人しかいない。


「俊一……」

「あー、まぁなんというか、お疲れ」


 彼の口から出てきた言葉に目を丸くする。失礼な話だけど、信じてくれていないと思っていた。


「信じてくれてる……?」

「そりゃまぁ。だって今の楓にメリットないだろ」

「そうなんだよなぁ。まぁ、今までやってきたことがアレだから当然と言えば当然なんだけどさ」

「うん。そりゃそうだ」


 2人で頷き、ため息をつく。まぁ、錦小路が悪役であるということを考えれば、そこまで損はないわけなんだけどさ。ただ俺には死亡フラグというものがあるからさ。


「どうして俺がここにいるって分かったんだ?」

「いや、なんとなく。濡れ衣着せられたわけだし、まぁお前はなんとも思ってないだろうけど、一応見にこようと」

「あー、まぁ。ありがとう。ちょっとはキてた」

「マジで? あの錦小路 楓が?」

「うん。まぁ……」


 ある意味しょうがないことだと受け止められると同時に、俺はちょっとショックを受けていた。今までの人生で濡れ衣を着せられたことなんてないからさ。あと、クラスメイトたちにあんな敵意を持った目で見られたこともないし。

 錦小路はこういうので全くへこまなかったらしい。サイコパスとかいうやつだったのかも。


「あんなことしてりゃ恨みも買うわな。別に誰か探し当てたりするつもりもないんだろ?」

「まぁ、今のところは」


 もしこの攻撃が何回か重なったらさすがに考えるけど。例えば恨みを晴らすためにこんなことされてるんだとしたら、俺はその人を怒れる自信がない。まぁ、人のもの使って何やってんだって話ではあるんだけどな。

 で、俺が立てたもう1つの仮説。主人公が嵌めてきた場合だ。理由は見当たらないけど、俺がこの世界に転生してきているくらいだ。何かイレギュラーが起こってもおかしくない。

 例えばそのせいで主人公がやってるんだとしたら……俺は無実だと証明することで逆に恨みを買いそうだ。このゲームではたぶん、主人公にとって悪役となった瞬間にゲームオーバーになる。勢いで物事を運びたくない。


 というわけでだ。短い時間だけど考えた結果、俺にとって我慢ならないとこまで来たら疑いの目を晴らす、ということにした。まだまだ考える余地はありそうだけどな。慎重にやらないと。


「どうする? 教室戻る?」

「そうだな。よし。行くか」


 もうすぐ2時間目が始まる。階段を降りたところで、1人の少女がこちらに向かってきた。どうやら待ち伏せしていたらしい。


「佐々木……?」

「錦小路くん。あの……」


 周りを見渡し、神奈は声のボリュームを落とす。


「あの、わたし、錦小路くんが犯人じゃないって分かってるから。その……協力させてほしいの、錦小路くんが犯人じゃないって証明するの」

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