表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/41

第18話 突然の危機

 最近はほんとに調子が良かった。

 登場人物との適度な接触。悪事も働いていない。教室の隅の大人しい奴として平々凡々生きていたと思う。


「最初にこの教室に入ってきてたの錦小路だったよな」

「今回は陰湿だね~。ターゲットの子可哀そう」

「まぁ、クラスでもあんなことするの錦小路くらいしかいないからな。確定だろ」


 ……じゃあ、なんでこんなことになったんだ?

 マジで今回俺は何もしてない。そんな自分から死ぬような真似、するわけない。今日朝早く来てたのだって、中間のテスト勉強するためだし。

 じゃあなんでだ?


 今朝、このゲームの主人公――才田の体操服がボロボロに引き裂かれているのが発見された。

 で、犯人捜しが行われた結果、俺の机の中からはなんとナイフと体操服の切れ端が見つかった。たまたま机の中からそれらが落ちて露見した。となればクラス全員の疑いは俺に向くわけで。てか、俺に向く以外ないわけで。

 

 もし可能性があるとするなら。それは中学時代の錦小路の被害者に嵌められたってことだろう。これは錦小路の自業自得なわけだけど。ただ中身は俺なんだよな~。


 まぁイジメもどきの犯人は俺だということになったわけだが、先生からのお咎めはあまりなかった。どうやら今までの錦小路は家の権力を使って、全ての悪事を握り潰してきたようだ。なんなら先生の立場まで脅していたと。クズだな、錦小路。

 


「でもこれじゃ、俺また悪役戻りじゃん」


 とりあえず教室から逃げて、屋上の階段の方に来た。ちょっと頭を整理したい。


「ヤバすぎるよな。死亡フラグまたガンガン立ってる気がする」


 あと単純にしてもいないことをしたように言われるの嫌だし。


「でもそれにしても何で主人公なんだよ……他の人でも……とはさすがに言えないけど、もし嵌められてたとしても、自作自演したらいいじゃん……ん? 自作自演……?」


 頭の中で1つの可能性に行きつく。自作自演? それは主人公にも当てはまるんじゃないか?


「でも主人公がすることになんのメリットがあるんだ?」


 一応主人公は何も知らないはず。ゲーム内でもし知っていることがあるとすれば、それは夢の内容くらいのはず。だから、たぶん主人公ではない。


「これ、俺どうすりゃいいんだ……」


 頭を抱える。

 まぁ、100歩譲ってもこの1件で話が収まるならいい。100歩譲ってもだ。巻き込まれた主人公くんには申し訳ないけど。


「うーん、謝ってみるとか……?」


 主人公に謝って弁償したら、一応どうにかはなるだろう。でもそれで? 主人公に危害を加えた事実は変わらない。

 

「難しすぎるだろ、これ」


 頭を再び抱えた俺の前に、影が落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ