表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/41

第17話 図書委員の仕事

「この本ってどこしまうか分かる?」

「あぁ。それか。哲学のとこだから……あっちの書架かな。貸して。片付けとくよ」

「えー、いいの?」

「うん。ちょうどそっちの方行こうとしてたから」

「でもなつきこれ以外仕事ないし、一緒についていくよ。早く本のしまう場所も覚えたいし」


 図書委員の仕事もいい感じに始まった。

 凪月は本を受け取ると、隣をひょこひょこと歩いている。


「錦小路って図書委員の仕事に詳しいよね」

「あぁ、中学の頃やってたからかな」


 内心冷や汗を流しながら答える。図書委員だったのは前世だ。別にバレるわけじゃないのに、なんかすごい決まりが悪くなるんだよな。


「なるほどなぁ。これからも分からないことあったら聞いてもいい?」

「うん。何でも聞いて」

「よっしゃ。なつきには心強い仲間ができました」

「ははっ。なんだよそれ」

「んー? 最近やってるゲームのやつ。面白いんだよね。あーあ、ゲームの世界にいけたらいいのになぁ」

「……そうだな」


 本当にそうだ。勇者とかの立場でゲームの世界に行けたらどんなにいいことか。

 俺もできることなら主人公サイドに転生して、ヒロインとキャッキャウフフしたかったぜ……!


「錦小路……? これってここであってる?」

「あ、あぁ。そこだよ」


 凪月が背伸びをして本棚に本を入れようとする。けど、あとちょっとで届かない。


「貸して」


 凪月から本を受け取って、俺は本棚に入れた。


「ありがとう!」

「また届かない時は言ってよ。それに俊一もいるし。あいつ、俺より背が高いからもっと届きやすいと思うし」


 一瞬自分の言った言葉を反芻して、ヤバさに気づいた。慌てて成田のことを話に出す。

 これだったら自分から関わりにいってるようなもんじゃん! そりゃもちろん、届かない時はいつでも呼んでほしいけど。


「うん。マジでありがとう。成田くんとも仲良くなりたいし、その時はお願いします」

「いやいや、こちらこそ」


 変な遠慮のしあいみたいになって、2人でふふっと笑う。


「今日人少ないね〜」

「図書室ってあんまり利用する人いないんだな」


 さっきからほぼ人が来ずガラッガラだ。おかげで仕事がめちゃくちゃ少ないんだけど。


「にしてもラッキーだったね。知り合いの人もいたし、仕事は楽しいし。図書委員選んでよかった!」

「確かに。4人1組もすぐ組めたし」

「実はなつき、体育委員と悩んでたんだよね。ゆかっちに断られてやめたんだけど」

「まぁ体育委員は……わりと人前に出る仕事多いからな」


 俺が真っ先に候補から外したやつだ。


「図書委員ってやったことなかったし、ほら、今まで運動ばっかりしてきたわけじゃん? だからこういう系初めてだったの。マジでやってよかったよね。こんな楽しいと思わなかった」

「だなぁ。俺もなんか前より楽しいっていうか……」


 前世の高校でやってた時は、もっと委員会の人数が少なくてなおかつ仕事量も多かった。あと、雰囲気的にもこう、友達になろうとかいうよりもただただ仕事って感じが強かったし……


「そっかぁ。じゃあ良かったじゃん!」

「そうだな。あっ、また本溜まってる」


 返却コーナーには3冊ほど置いてあった。2人でまた本を整理しに行く。

 ちょうど本棚に入れたところで、キーンコーン、と予鈴が鳴る。


「今日はこれで終わりか」

「早かったね〜」

「昼休みって意外と短いよな」


 成田も仕事が終わったらしく、本棚の向こうから出てきた。そのまま2人で教室まで戻る。

 

 よし。なかなか上手くいってるんじゃないか?

 今のところフラグは立っても叩き折ってる気がする。このまま頑張るか。背筋を伸ばすと、コキッと音が鳴った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ