表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/41

第15話 凪月との出会い

 昼休み、いつもと同じように成田と階段でお弁当を食べているときだった――


「お2人さんちょっとごめんね! しばらく隠れさせて!」


 茶髪のポニーテールをなびかせ、凪月が突然やってきた。

 しばらくしてから教師が彼女の名前を呼ぶ声がしてきたが、すぐに過ぎていく。


「おっ? 行ったかな……うん。行ったね。もう大丈夫」

 

 凪月は階段から廊下を覗き込み、また俺たちの方に戻ってきた。いきなりなんだろ。


「いやぁ。ごめんね。あたし、朝比奈 凪月っていうんだけどさ、先生に今追いかけ回されてて。昼休みの間だけ居させて! ね、お願い!」


 パチン、と目の前で手を合わせる。


「別にいいけど、なんかやらかしたのか?」


 成田が聞くと、凪月は照れくさそうに笑った。


「実力テストで全教科0点取っちゃてさ。補習かかっちゃったんだよね」

「で、サボってると」

「あ、いや、サボってるわけじゃないよ。今日の分はちゃんとやりました」


 手を振る凪月。

 そうだ。原作でもこんな感じだった。あまり頭は良くない……というか完全なる馬鹿だけど、運動神経抜群で、所属している陸上部では1年生のこの時期にして既に次期エース候補としての噂が。先生の魔の手から走りで何度も逃れていたが、最終的には中間テストでも最下位を取ったことで、主人公に勉強を教わるようになる。そして、そうやって2人きりで勉強するうち、2人の間に恋愛感情が生まれていく――


「じゃあなんで?」

「補習はたしかにちゃんとやったんだよね。だけど、その後の再テストでまた0点取っちゃって。そっからもう先生カンカンでさ。こうやって追いかけられてんの」

「追いかけられたってことは、逃げてたってことか」


 成田が呆れたように言う。


「だ、だってぇ。だいぶ怒ってたんだもん」

「それあとでもっと怒られんぞ」

「それは分かってるけどさぁ。ちなみに、隣の人はどう思う?」


 隣の人、と言われてはっと気づいた。そうか、俺のことか。


「戻った方がいいんじゃないかな」


 どっちみち、補習になるわけだし。原作で実力テスト時点でどうしていたのかは分からないけど、たぶん教師に見つかって連れ戻されていたんだろう。


「えー。まぁでもそっか。戻るかぁ」

「まっ。俺も多少勉強したら学年ほぼ最下位から半分くらいになったから」

「補習、頑張れよ」

「ありがと」


 声をかけると、凪月は頷き、走って戻っていった。って、早すぎだろ。


「すっげぇ足早いな」

「それな」


 まるで嵐みたいだった。

 でも良かった。絶対今の感じモブだし。そりゃ、涙が出てくるくらい、凪月とは関わりたかったけどさ!

 これから関わることも、たぶんないだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ