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【完結】窓際編集とバカにされた俺が、双子JKと同居することになった  作者: 茨木野
第7章

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96話 ホテル到着



 菜々子が動けるようになったので、俺たちは大学のある札幌へと移動する。


 道中は電車に乗って移動したのだが……。


「わぁ! せんせーみてください! 田んぼです! すごいです! ひろいです!」


 菜々子がお上品に座りながら、車窓からの景色に目を輝かせている。

 流れていく田畑の緑と、どこまでも続いていく空の青を見て、子供のようにはしゃいでいた。


「珍しいか?」

「はい! わたし生まれてからずぅっと都会育ちだったので、緑たくさんがめずらしいです! わぁ……!」


「そっか。それは良かった」


 じっ、と菜々子が俺を見上げてくる。


「せんせーは、見慣れてる感じしますね?」

「ん。まあ、俺出身が長野だからさ」


「長野……! そうだったんですか!」

「まあな。俺は都会に出てきたが、親父も弟も長野に住んでるよ」

「ふえー……。すごいです」


 どこか感心するとこがあったろうか。

 まあ都会に住んで育った彼女からすれば、田舎育ちは珍しいのだろう。


 特に否定する要素もなかったのでスルーする。


「せんせーの実家かぁ……行ってみたいです。あかりちゃんと、るしあちゃんと、一花さんと、みどり湖ちゃんと、みんなで!」


「そうだな。みんなでいつか……な」

 

 だがその前に現在のいろいろにけりを付ける必要がある。

 俺は現在、若い女の子5人と付き合ってるという状況だ。


 無論おかしな状況だとは先刻承知である。とはいえ、俺はこの関係から抜け出せないでいる。


 常識的な大人として振る舞う自分と……。たくさんの女の子に囲まれ、どこか心を満たしている自分がいる。


 ……いかん。どうにも、いかんな。俺はこの先どうなるのか。


「せんせー?」

「ああ、すまん。それより、もうそろそろ札幌つくぞ」


「え! そんな、今こんな田舎田舎してるのに……」


 だが緑が一瞬で消えて、都会の灰色へと変貌すると、菜々子は仰天していた。


「さっきまで田舎だったのに……」

「全部が全部田んぼだらけじゃないさ。人が住んでるとこは、こんな感じだよ」


 長野もそんな感じだったな。


 札幌駅にて下車する俺たちは、ホテルへと向かう。


「菜々子。もう一度確認しておくが……本当に一部屋で良かったのか?」


 飛行機を予約する際に、ホテルも手配済みだった。

 もちろん2部屋予約したのだが、あとから菜々子が自分で、一部屋がいいと強く主張してきたのである。


 菜々子はほおを赤く染めながら、こくんこくんと力強くうなずく。


「はいです! で、でないと……い、意味が無いので!」


 正直同じホテルの部屋に、JKと二人きりという状況はよろしくない。

 あとでこっそり別のホテルを……。


「せんせー……」


 俺の心のなかをのぞいたみたいに、菜々子が泣きそうな顔になる。


「そんなに……わたしと一緒、いやですか?」


 菜々子に泣かれると、困る。俺はこの不憫な子に泣いてほしくないのだ。


「……そんなことないさ。一緒に泊まろう」

「はい! やったー!」


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― 新着の感想 ―
[良い点] この作品が、久しぶりに進んで良かったです! “だがその前に現在のいろいろにけりを付ける必要がある。俺は現在、若い女の子4人と付き合ってるという状況だ。  無論おかしな状況だとは先刻承知で…
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