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【完結】窓際編集とバカにされた俺が、双子JKと同居することになった  作者: 茨木野
番外編

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【番外編】 開田高原の家

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。



 都内某所。

 日本の中枢とも言える超一等地。

 高層ビル群の狭間に、エアポケットのように存在する広大な緑地があった。


 皇居か? と見紛うほどの石垣と、鬱蒼と茂る木々。

 その奥に鎮座するのは、歴史の重みを感じさせる巨大な武家屋敷だ。


「……いつも思うが、ここ、本当に東京か?」


 黒塗りの高級車の後部座席で、俺、岡谷光彦は思わず呟いた。

 窓の外には、厳重な警備体制を敷くSPたちの姿が見える。


「ふふ。驚いたか、おかや?」


 隣に座るるしあが、扇子で口元を隠して優雅に微笑んだ。


「爺様の家は久しぶりだろう? 驚くのも無理はないな」

「いや、家っていうか城だろこれ。固定資産税いくらなんだ……」


 俺たちは今日、この屋敷に引っ越してくることになった。

 あかり、菜々子、るしあ、一花、そして義妹のみどり湖。

 最愛の五人の妻たちと暮らすには、さすがに以前のマンションでは手狭すぎる。


 そこで、るしあのお祖父様――現職の総理大臣である開田高原かいだ・こうげん氏のご厚意に甘えることになったのだ。


「すっごー! やば! ここが新しいお家!? マジで!?」


 あかりが窓にへばりついて歓声を上げる。


「ひ、広すぎます……。お掃除、どうすれば……」


 菜々子が顔を青くして震えている。

 大丈夫だ菜々子。たぶん使用人さんがやってくれるはずだ。


「お兄ちゃんと一緒なら、どこでも都だし」


 みどり湖は俺の腕にギュッとしがみついている。可愛い。


「まさか、かつての職場に『妻』として戻ってくることになるなんてね……」


 一花は感慨深げに、屋敷の門を見上げていた。


 車が重厚な門の前に停まる。

 SPたちが敬礼し、ゆっくりと門が開かれた。


 そこに、一人の老人が立っていた。

 和服を着流し、好々爺とした笑みを浮かべる小柄な老人。

 しかし、その瞳には一国の長としての知性と、泰然とした覇気が宿っている。


 開田高原。

 この国の総理大臣であり、るしあの祖父。

 そして、俺の新しい家族だ。


「ほっほっほ! よく来たのぅ! 待ちわびたぞ、光彦くん! そして愛しき孫娘たちよ!」


 車を降りるなり、彼は両手を広げて俺たちを出迎えた。

 SPたちが「総理! 危ないですから下がっていてください!」と慌てているが、本人は聞く耳を持たない。


「ご無沙汰しております、開田総理。この度は、このような素晴らしいお屋敷を提供していただき……」


 俺が恐縮して頭を下げると、彼は「カッ!」と目を見開いた。


「ならん!」

「へ?」

「総理などという堅苦しい呼び方は禁止じゃ! 光彦くん、君はもうわしの身内じゃろう? ならば呼ぶ名は一つ!」


 彼はニカッと笑い、自分の胸をドンと叩いた。


「『じぃじ』と呼ぶがいい!」

「じ、じぃじ……ですか?」

「うむ! わしはずっと、孫たちからそう呼ばれるのが夢じゃったんじゃ!」


 現職総理に向かって「じぃじ」。

 字面だけ見れば不敬極まりないが、彼の表情は本気だ。


「おっけー! よろしくね、じぃじ!」


 真っ先に順応したのは、あかりだった。

 屈託のない笑顔でVサインを送る。


「おお! あかりちゃんは素直でいい子じゃのぅ! 後でお小遣いをあげよう!」

「やったー! じぃじ太っ腹ー!」


 すでに孫とお爺ちゃんとして完成されている。コミュ力お化けめ。


 一方で、困惑しているのが一花だ。


「そ、総理……いえ、旦那様に対して、そのような馴れ馴れしい呼び方は……」


 彼女は元々、彼の秘書として仕えていた身だ。

 染み付いた主従関係が邪魔をして、どうしても畏まってしまうらしい。

 すると、じぃじは一花の方を向き、優しく諭すように言った。


「一花よ。お前はもう、わしの部下ではない」

「……っ」

「光彦くんの愛妻の一人であり、わしの可愛い孫じゃ。他人行儀な呼び方は、このじぃじが許さんぞ? ほれ、言ってみ?」


 じぃじが茶目っ気たっぷりに耳をそばだてる。

 一花は顔を真っ赤にして、助けを求めるように俺を見た。

 俺は「言ってあげて」と目で合図を送る。


 一花は覚悟を決めたように、深呼吸をして、


「じ……じぃ……じぃじ……」


 蚊の鳴くような声で、そう呟いた。

 その瞬間。


「ぬはははははは! 最高じゃ! 長生きはするもんじゃのぅ!」


 じぃじが破顔し、高笑いが響き渡った。


「さあ、入るがよい! 荷物はわしの権限ですべて運び込ませてある! 部屋も布団も、そして風呂も食事も完璧じゃ!」


 じぃじが俺の背中をバンと叩く。


「光彦くん。ここは広い。誰に遠慮することもないぞ。わしの可愛い孫たちと、好きなだけイチャついて、好きなだけ賑やかに暮らすがよい! 何十人ひ孫が増えても、このじぃじが面倒を見てやるからの!」


 豪快すぎる宣言。

 でも、その言葉には深い家族愛が溢れていた。


 俺たちは顔を見合わせ、笑い合う。

 窓際編集とバカにされた俺の、新しい生活。

 最強の嫁たちと、最強のじぃじに囲まれた、賑やかすぎるスローライフ(都内)が、ここから始まるのだ。



【おしらせ】

※1/30(金)


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― 新着の感想 ―
何ともむちゃくちゃな話だけども一国の総理ともあろうお人であっても孫の夫と妻たち⁉の前では「じいじ」と呼んでほしいなんてカワ(・∀・)イイ!! こんな人が現実でも総理やってれば日本はもっと平和になるんだ…
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