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【完結】窓際編集とバカにされた俺が、双子JKと同居することになった  作者: 茨木野
番外編

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185/190

【番外編】

185


 ミサエは、鉄の箱という暗闇の中で、何度も悔いた。

 何度も何度も、己の浅はかな馬鹿さ加減を嘆いた。


 だが、幾ら嘆いても、後悔しても、奇跡は起きない。

 自分を閉じ込めた鉄の箱は、重機のようなもので持ち上げられ、そして運ばれていく。

 一体、どこへ?


 わからない。

 箱の中からでは、外の様子は窺えない。

 だが、確実に言えることがある。

 この先に待っているのは、死だ。

 どのような手段かは想像に難くない。とにかく、自分を待っているのは、死の結末。

 それ以外になかった。


「なんで……アタシ、こんなばかなこと……しちゃったんだろ……」


 枯れていたと思っていた涙が、頬を伝う。

 少なくとも、大学時代は幸せだった。

 岡谷という最高のカレシがそばにいて、自分もまた、彼に甘えてわがまま放題できていたからだ。


「ああ……あなた……あなたがそばにいたときに……もどりたいよぉ……」


 だが、いくら願っても、望みが叶うことはない。

 ここは、都合の良い異世界ファンタジーの世界ではないのだ。

 冷酷な現実の話なのだ。

 いかに幸運が訪れようと、時を巻き戻すことはできない。


 やがて、ガタンッ! という激しい衝撃を全身に感じる。


 ガタガタと揺れ動く振動。

 鉄板の隙間から、鼻をつくような臭いが入り込んでくる。錆びた鉄の臭い、廃油の臭い、そして……何かが焼け焦げたような、鼻腔を灼く刺激臭。

 外からは、ウィーンというモーターの駆動音や、何かを押し潰すようなプレス音が、重低音となって響いてきていた。

 ここは、ゴミ処理場だ。


「Cブロックの廃棄物、搬入完了」

「了解。高熱溶解炉へ回せ。ボーンすら残すなよ」

「へいへい」


 ……溶解炉。

 ああ、そうか。

 自分は、溶かされて……死ぬのか。


 もう、彼女は逆にすっきりしていた。

 自分の運命を呪う気力もなかった。

 しょうがないのだ。

 岡谷を苦しめた事実は、消えないし、消せないのだから。

 こうなって、当然だった。


 当然の結末に、たどり着いただけなのだ。

 覆水が盆に返らないように。

 投げた石が地面に落ちるように。


 そうあるべきゴールに、たどり着いた。

 ただ、それだけ。

 だから、ミサエはもう、泣き叫ばなかった。

 ただ静かに、その灼熱の運命を受け入れることにした。



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※1/9(金)


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