【番外編】
現在、箱の中に閉じ込められている、ミサエ。
「ぜえ……はあ……ぜえ……はあ……」
肩で息をするたびに、肺がヒューヒューと悲鳴を上げる。
息苦しい。四方八方、少し手を伸ばしただけで、壁に手が届いてしまう。圧迫感が凄まじい。そんな閉鎖空間に長時間閉じ込められているのだ。
しかも空気穴が、凄く狭い。ゆえに、この中は酸素濃度が外と比べて低いのだろう。
吸っても吸っても、薄い空気しか入ってこない。かといって、酸欠にならない。ギリギリ気を失うか、否か、そんな綱渡りの状態を保っている。
「熱い……あついよぉ~……くるしいよぉ~……」
外の熱が、この箱にあたって、箱内を暖めるのだ。
じっとりとした汗が全身から吹き出し、服が肌にへばりつく。
室内の気温は、温度計がないため、わからない。だがずっとサウナに入ってるような、まとわりつく熱気がある。
「…………」
ミサエは膝を抱え、小さくうずくまった。
助けを求めて叫ぶことは、もうしなくなった。なぜならそれをすると、喉が渇くからだ。
水は支給されていない。舌は干からびたスポンジのように張り付き、唾を飲み込むことさえ痛みを伴う。叫ぶ元気がみるみるうちに落ちていく。
箱をたたいて、外に助けを求める気力もない。指先は痺れ、ピクリとも動かない。
だから、誰も、彼女の存在に気付かない。救出されない。
「うぐ……ぐす……あついよぉ~……のどかわいたよぉ~……くるしいよぉ~……くるしいよぉ~……」
暑さ、乾き。それらも彼女から、元気を削いでいったが。
一番辛いのは、『無視される』ことだ。
誰も、助けてくれないこと。それが、一番堪える。
ミサエの瞳から光が消え、虚ろな色が広がっていく。
「だれか……たすけて……たすけてよぉ……」
掠れた声が、狭い箱の中に空しく響くだけ。
誰も助けてはくれない。誰もミサエに気付いて、手を差し伸べることはしない。
助けを期待し、しかし、その期待は裏切られる。その繰り返しが、彼女からさらに、生きる気力を失わせていく。
ミサエはガクリと項垂れ、暗闇の中で重い瞼を閉じた。
【おしらせ】
※12/24
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