しろいクマのボクとキミ
ゆきのうえを あるく
こおりのうえを あるく
よっつのあしで あるく
あるいても あるいても
あたりは いちめん まっしろ きらきら
でも しってる
においも している
あちらにいけば ニンゲンのマチは あるんだ。
……………………おなかが すいたなぁ
ゆきのうえを あるいて
こおりのうえを あるいて
よっつのあしで あるいて
やってきました ニンゲンのマチ。
へんな においばかり
あ、あっちにいるのニンゲンだ。
けいかいも しなければ。
かれらは とても こわいから。
でも おいしいものを たくさん つくってるらしいんだ。
それに……ニンゲンにも おにくは ついている。
ニンゲンが おもったよりおおくて、
ちょっと かくれてみる。
だけど からだが おおきいからなぁ。
かくれてないかもなぁ。
────ふと、よこを みたら
そこに ニンゲンの こどもが いたんだ。
こどもも こちらをみて おどろいている。
まわりには おとなもいない。
そのとき グ────っと、
ぼくのしろい おなかが なった。
ニンゲンのこどもは、
ボクの おなかの おとを きいたら
なにかを さしだして くれた。
こうばしくて あまーいかおりが する、なにか。
「メロンパン、たべる?」
と いわれたので、くちで うけとる。
もぐもぐすると
シャリッとあまいかたまりが くちのなかで
くだけて とけて
いっぱい ひろがった
ふわふわな ところからも
かむたびに おいしいあじが しみでてくる
うわぁ……!
なんて すばらしい たべもの なんだろう………!!
ボクが めをつむって かみしめて いると、
キミは いちどだけ ボクを なでてくれた。
ちいさなて で。
ボクは くちのまわりを したでなめて
マチのはんたいがわに
また あるきだす。
よっつの あしで。
ふりかえると キミは
しろい きらきらの なかで
てを ふっていた。
ボクは てを ふれないけど
キミをみて おもった。
さようなら
ほんとうは まだ おなかがすいているけれどね
さようなら トモダチ
活動報告に昔書いた童話を、リメイクした形での投稿となりました。今、読まれてくれましたら、幸せですね。
ありがとうございました。




