表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サバイバル  作者: 清 涼
8/150

第二章(一)

第二章(一)


秀也がスタッフに押されるように橋を渡り、先に渡っていたナオに手を引かれて振り返ると、スタッフが二人、揺れる橋に足を捕られながら慌てるように渡っているところだった。

最初に渡った時には意外と頑丈に出来ているものだと感心したが、さすがに今はミシミシと鈍くきしんだ音を響かせている。

あれだけの人数が乱暴に渡ったのだ、無理もない。


 あぁぁーーっっ!!


橋を見ていた誰かが声を上げた。

よく見れば橋から何かがボロボロ落ちている。

そのまま走って振動でも与えようなら崩れてしまいそうだ。


早くっ 早くっ


一人を素早く引き寄せ、最後の一人を急がせる。


「うわっっ!?」


ぐらっと橋が傾き、バランスを崩しかけた。

「早くしろっ!」

秀也とナオが叫ぶ。

その声を合図に最後に走った。

二人に手を引っ張られ、片足が橋から離れた瞬間、バリバリっという音を立てて橋は谷底に崩れ落ちて行った。

それを目にした時、そこに居た全員は声を出す事さえも出来ず、息を呑んで落ちた橋の向こう側を見つめた。


ザザーーっと強い風が吹いた。


全員が一瞬目を閉じたが、再び目を開けた時、更にその目を見開いて息を呑むと立ち尽くしてしまった。

何かの入口のように覆っていた大きなシダのアーチは、最初から何もなかったかのように、背の高い木々が立ち並ぶ密林になっていたのだ。


 うっそだろ・・・


秀也とナオは互いに目を合わせて息を呑んだが、次の瞬間、ハッとしたように密林に向かい、

「司っっ!!」

と叫んだ。


「司っっ、晃一っ、紀伊也っっ!!」


まだ、橋の向方側に居る仲間の名前を、声の限りに叫んだが、それも虚しく密林に響くだけだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ