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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第25話:ゴンさんと風魔さんの秘密

俺達の囲み撮影が終わった後、女子達とエアリスが写真を撮ったり、皆での集合記念写真を撮った後は場所を移動して謁見式を開始する。


とは言っても、俺は今回リーベルンシュタイン(こっち)側なので座っているだけだ。


前回同様ミュリのお父さんであるアルファエルさんが司会だ、今は代表者として理事長が呼ばれ進行していて、クラスメイトは後ろでその光景を眺めている。


「これにて謁見式を終了します。では皆様、会場を移した後は昼食会、午後からは各班に分かれての城下散策です」


それからメイドさんや執事たちに誘導され昼食会の会場へ向かう、昼食会のメニューは以前と同じものである。ただゴンさんと理事長(大人達)にはお酒がふるまわれた。


「ゴンさん、あんなに飲んで大丈夫なのかな? 後で散策なんだけど……」


「大丈夫では無いでしょうか? アルコール弱めの果実酒ですし」


「だと良いけどなぁ……」


隣にいるエアリスが笑う。まぁ、エアリスも普通に飲んでるんだけどね?


「では皆様、お食事はお楽しみいただけましたでしょうか? 簡単にした物のレシピなどは後日エアリス王女殿下より皆様にお渡しします。この後は服装を着替えていただき城下の散策になります」


アルファエルさんの言葉で侍従達が入って来て皆を移動させる、前回は制服で回った結果何だかんだ汚れが目立ってしまった。なので今回はこちらの世界の服を自由に選んでもらいそれに着替えて散策をする事に決定したのだ。


「そういえば、エアリスも散策に加わるんだっけ?」


「はい、優希様や家族の皆とは一緒に回っておりますが、お友達と回るのは初めてですので!」


「そっか、楽しんできてよ」


「はい!」


うーんこの笑顔、思わずカメラを持ってないのが悔やまれる。


「姫様、そろそろよろしいでしょうか?」


メイド長が現れ会話に挟まる、もう時間か。


「じゃあ俺も大人達の案内があるから準備しないと。服もラフな物に着替えたいしね」


「優希様、いってらっしゃいませ、お仕事頑張って下さい」


「あぁ、頑張ってくるよ」



◇◆◇◆

それから平服に着替えて集合へ向かうと、でろでろに酔ったゴンさんと、呆れている理事長、それと申し訳無さそうな寧々さんが待っていた。


「上凪君、すまない……一度注意はしたんだが……」


「すみません、どうやら好きな味のお酒だったみたいで……」


「あーあはは……ゴンさんってお酒駄目なんですか?」


この間はお店で、寧々さんや俺が居たので飲んで無かったのだがお酒が弱いとは思わなかった。


「あぁ、こう見えて普段は隠しているのだが。甘い果実酒やサワー系が好きでね。ただ公の場で飲めないのがわかってしまうと色々と面倒なのでね……」


「道理で日本酒や樽酒は部下の皆さんに回したり寄付をしていたんですね」


「まぁ、先日の食事会は君達が居たのからね。上凪君は一応高校生だし体裁が悪いという事もあるから。それに風魔君は未成年だ、下手に飲ませてしまったら君のお父さんに怒られると言っていたよ」


「そうだったんですね」


「という事で、私は権蔵を部屋に置いた後エアリス君のお父様とお話をして来るよ。なので散策は二人で行ってもらいたい」


「えぇ!?」


驚く寧々さん、何だかそわそわし始めている。


「うーん……ゴンさんは回復出来ますけどどうします?」


「心遣いには感謝をする。だが、日本だと気を張ってて休める時も無いからな。それもあってか今回はお酒を飲み過ぎてしまっただろうから休ませてあげてくれ」


そう言う理事長の顔は、仕方のない友達に向けるような顔をしていた。


「わかりました、折角ですし風魔さんを案内しますよ」


「上凪さん!?」


「折角の異世界ですので、お城で待ってるだけじゃつまらないですよ」


「で、でもぉ……」


何だろう、何でもじもじしてるのだろうか。


(俺の方は……まぁ、エアリスやミュリに見られたら呆れられそうだな)


「わかりました、じゃあ日本語を話せる騎士の1人をだれか。とはいっても、残ってるのは男性騎士だけなんですよね……」


とは言っても日本語話せる女性騎士は皆警護に回しちゃったし……。かといってミュリはエアリスの警護に行ってるし……。


「そそそそそ、それは!!」


なんか狼狽し出したぞ!?


「え? 駄目ですか?」


「えっと……他の男性であるならば、上凪さんのが良いです……」


他の男性であるなら……? 男性……あっ。


「男性が駄目なんですね、失念してました……」


我が家じゃ階層違うし、食事の時と通学の時くらいにしか主立って顔を合せなかったから知らなかった。


「あうぅ……、すみません……」


「そうか……でもそうなるとお嫁さんの1人を呼んでくるしか……」


我が家の人なら大丈夫だろう、両国の言葉は熟知してるし女性向けのスポットも知ってるだろうし。


「でも、折角のお休みですし……」


「大丈夫でしょ……誰か居ますって……」


そう言って我が家へ『転移』で戻るが、家の中には誰も居なかった。


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