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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第20話:異世界旅行の報告と風魔さん

「という訳で、犯人達は死亡。誘拐を計画した国には抗議の書簡を送る事にしました」


クラスメイト達を日本に戻した後、俺は自宅近くの個室がある料理店で理事長とゴンさん、それと俺の担当である綴さんを合わせた四人で土日《昨日と今日》の報告をしていた。


「うーん、学校という立場であればもう1グループの異世界行きはあまり容認出来ないが。報告を聞く限り、安全性は増した様に思えるな」


理事長が眉間を揉み解しながら大きく息を吐く。


「そうだな、それにしても優希君相手によく喧嘩を売れたね。私だったらリスクが大きすぎて無理だな」


「そうよね、今回は偶々途中まで成功しただけで、次回は完全に成功するとはいえないのに……」


ゴンさんと綴さんが苦笑いをする、綴さんの言うようにこれから数カ月の間は国境、城下の警備もかなり厳重にするつもりだ。


「一応使った道具なんかは写真に撮ってるので周知しましたし、今から襲撃を計画しても来週には間に合わないですからね……」


フィルレイシアとノーブルブラッディ間での情報伝達はどんなに頑張っても数日かかるしそれから他領まで行くとなると片道1週間はかかるだろう。


「ともかく、次回の異世界行きも許可しよう。上凪君、頼んだよ」


「はい、ありがとうございます」


それからしばらく雑談をしていると、扉がノックされた。


「失礼します風魔ふうま寧々《ねね》、推参致しました」


カチッとしたスーツを着込んだ風魔さんが入って来る。


「おぉ寧々、待っていたぞ」


「お久しぶりです、風魔さん」


「久しぶりだね風魔君」


「あ、寧々ちゃんいらっしゃい」


俺が席を空けると綴さんの隣に収まる風魔さん。聞いた話だけど、覚醒した後で修練に向かう際やゴンさんの秘書になる際に、綴さんが色々と面倒を見ていたそうだ。


「ご無沙汰しております上凪さん高座根さん。叔父様、綴さん引き継ぎ作業は終えてきました」


そう言って書類を出す、綴さんとゴンさん各々目を通しサインをする。


「うむ、これで大丈夫だな。上凪君、頼んだよ」


「わかりました、あの……本当に良いんですか?」


「はい、よろしくお願い致します!」


実は風魔さん、今日から我が家に居候する事になったのだ、それに合わせて一時的にウチのクラスに編入する事になっている。


「はい、こちらもよろしくお願いいたします」


風魔さんに合わせ俺もお辞儀をする。


「それじゃあ、寧々の門出を祝って! 寧々も夕食はまだだろう? さぁ食べてくれ」


ゴンさんがどんどんと注文するのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆

「あー今日から短期間だが、このクラスに在籍する事になった風魔だ、お前ら頼んだぞ」


朝のホームルームで蔵間先生が気だるげに教室を出て行く、目の下に隈が出来てるし最近忙しいのだろうか。


風魔ふうま寧々《ねね》です! 宜しくお願い致します!」


その言葉の後は女子達に囲まれる風魔さん、まぁ耀も居るし大丈夫でしょ。


1時限目の準備を終えてぼーっとしていると肩を叩かれた。


「上凪、今良いか?」


肩を叩かれた方を見るとクラスメイトの草柳君がそこに居た。


「あぁ、どうしたの?」


「えっと……昨日は大丈夫だったか?」


不安そうな顔をしている、まぁ昨日の事を気にしてるんだろうな。


「あぁ、大丈夫だったよ。理事長は悩んでたけど一度事件が起きた後だし安全性はむしろ良いだろうって事でね」


「そうか、良かった……」


ほっと胸を撫で下ろす草柳君、クラスのグループチャットで大丈夫って言ってたんだけど心配だった様だ。


「あれから、体調とかは大丈夫?」


一応解呪と回復魔法をかけたから大丈夫だと思うけど、一日経って何か影響が出てるかわからないから少し心配だったのである。


「あぁ、むしろ前よりも調子が良いよ。昔痛めた肩も良くなってるし、助かったよ」


そう言って肩を回す、元気そうで良かった。


「他の皆にも聞かないといけないけど……まぁ、後でいいか」


風魔さんの周りに出来た人の球を見る、エアリス達が来た時は姫様オーラにやられて遠巻きに見ている人が多かったけど、こっちの人というだけで風魔さんはとっつきやすいのだろう。


その証拠に質問攻めに遭っている風魔さんが目を白黒させている。


――キーンコーンカーンコーン。


「もう、予冷か……何かあったら連絡するよ」


「わかった、少しでも異常があったら教えてくれ」


草柳君が席に戻る、それから暫くすると先生がやって来て授業が始まった。


◇◆◇◆

「さて、それじゃあ行くよ『——転移』」


転移で移動した先はフィルレイシア、風魔さんの紹介も兼ねてやって来たのだ。


「それじゃあ、私が案内するよ、行きましょうネネさん」


「はい、よろしくお願いします」


「頼んだよアミリア。さてと俺は……」


風魔さん達と別れ足を向けるのは、一昨日捕縛した工作員達が収容されている独房へ足を向けるの元だった。

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