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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第17話:シア、頑張る。

「うっ……ここは……」


影の中で目覚めた私は周囲を見回す、場所はわからないがここは厩兼倉庫で目の前には廃墟になった館がある。恐らくここはあの人攫いたちが隠れ家にしているとこだろう。


「まさか気絶するなんて……」


未だに視界がぐらつく、三半規管もやられているみたいだ。


「先ずはポーションを飲んで……苦い……」


回復力の強いポーションを飲み木にもたれる、10分程でこの位の傷なら治るだろう。


「時間にして2時間か……ご主人様も動いてるだろうけど、僕も仕事をしないと……」


影に沈みながら廃墟内を移動する、すると見知らぬ球体型の魔道具や武器なんかが置かれた部屋があった。


(これは、何でしょうか……触ってみても特に何もないですね……)


使用用途がわからないがこれは確保しておいた方が良いだろう。


(とりあえず部屋にある分は空間収納アイテムボックスへ仕舞ってしまいましょう)


それ以外は特に変わった部分も無く食糧庫や作戦会議に使っていたであろう部屋があるくらいだ。


(後はこの部屋だけ……ここに居なければ不味いんですが……)


室内に潜り込むと私を襲った男が酒を飲んで寛いでいた。


(先に奥の部屋を見てしまいましょう……っつ!?)


奥の部屋に入ろうとした瞬間吹き飛ばされる、見ると左手には奇妙な痣が付いている。


(っつ……それよりも、不味い……)


「お前!! あの時の!!」


吹き飛ばされた事で影の中から弾き出された私は、男達の前に跳び出す。いきなりの登場に驚かれたがすぐに武器を構えてくる。


「あはは……バレちゃった……」


「一人でのこのこ来るとは言い度胸じゃねーか!」


「まぁ、君達ならば僕一人で十分だからね」


「なんだと!」


「遅い!」


「ぐわっ!」


「ぎゃっ!」


「ぎぎゅ!」


「ひゃぎっ!」


影に沈みこみ誘拐犯たちを無力化していく、室内に居た男は計5人、手下の4人は容易に倒せたが最後のリーダー格の男は骨が折れそうだ。


「また、夜魔の影入りか!」


「知ってるって事は味方に居るんだね!」


影を伝い背後に現れ喉元に刃を突き立てるが、鈍い音で弾かれる。


「がはは!! 貴様の脆弱な刃など効かんわ!!」


「うるさいなぁ、筋肉ダルマめ! 一回防いだくらいで!!」


影に潜ろうとする……が潜れない!?


「がはは!! どうやら使えない様だな!」


「がふっ!?」


体勢の崩れた瞬間狙われ蹴り飛ばされる、今ので肩が折れた様だ。


「がはは!! 商品には手を出しちゃいけないからな! 溜まってたんだ!!」


下卑た笑みに不快感が募る、とはいってもアイツの強化した肌には僕の刃は届かない、そのせいでいくら攪乱してもカウンターをだけを狙われるだけだ……。


「仕方ない、とっておきを使うか……使いたくないけど……」


僕は空間収納から幾つもの瓶を取り出す。


「ご主人様に止められてたけど……本気出すよ」


瓶を叩きつけ中身をばら撒く。


「うぐっ!? これは、毒か!?」


「うん、最後だから教えてあげるけど僕は元々毒を使った暗殺者でね、とは言ってもご主人様には通じなかったんだけどね」


通常なら服が溶け、吸い込んだら肺が焼け爛れる程のガスだが、僕は構わず身に纏い相手に近づく。


「ぐがぁぁぁ!? どうじて! どうじでぎざまは!!」


いくら身体強化が優れるとはいっても内部からのダメージは防げないだろう、顔が溶けていき零れ落ちる、剣を握る手も弱々しくなり崩れる。


「僕? 僕にはもう、毒が効かないんだ♪」


「ぐがぁぁぁあ!!」


残る力で振り上げた剣をナイフで弾き首を両断する。


「ふぅ……さて、換気しないと」


窓を開け、風魔法の魔道具で空気の入れ替えをする。即効で無毒化するとはいえ換気をしないとご主人様のクラスメイトに被害が出る。。


「ご主人様になんて言おう……」


ご主人様のご学友を助けるためとはいえ、毒を使った事で多分……いや、凄く怒られるだろう。


「服を着て。さて、鍵を……って溶けてる……」


金属部分が溶けたので仕方なくドアを蹴破り中に入る、そこにはご主人様のご学友達が気絶している、特に目立った外傷も無くいたずらをされた様子もない。


「息もしてますし、毒の影響は無さそうですね」


安全を確認し終え館の外へ出る為、窓際に向かう。


「後はコレを引いてっと」


クラスメイトの1人から外したお守りの魔道具についている紐を引き発動させる、これでご主人様の元に魔力が伝わるはずだ。



◇◆◇◆◇◆◇◆

 ◇優希side◇

――ビビビビビビビ!!


「うわぁ!? びっくりした……」


4方向目の誘拐犯グループを捕らえたタイミングで皆に渡していた防犯ベルの魔道具が鳴り出す。


「ここには居ませんでした。やっぱり、最後の場所でしたね」


「そうだね、それじゃあこいつ等を城まで送り届けて向かおうか」


「はい!」


何度目かの転移からの引き渡しを終え、最後の場所……先程魔道具が反応した場所へ飛び立つ。


(そういえば、シアに渡してた指輪が途中で反応しなかったんだけど……何でだろうな)


後で理映に見てもらおうと思いながら、シアの元へ転移するのだった。

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