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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第8章【転生陰陽・現代聖女編】

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第15話:魔王都襲撃と意外な救援

それからリリアーナの案内でノクタールさんや四天王との謁見を終えると各グループで自由に動き出す。


「それじゃあ、皆頼んだよ」


「はい!」「えぇ!」「任せて下さい」


丁度里帰りしていたセレーネも合流して、アミリア、リリアーナと共に城下街と外への入り口3カ所に待機する。そして俺は相変わらず空中で飛びながら観察をしている。


「さてさて、魔族は基本的に王家への忠誠心が高いから二心ふたごころの心配は無いけど、問題は城下に居る人族だよなぁ……」


俺が二国の王としているのもあってフィルレイシア経由での人族の流入は圧倒的に増えてる。


観光だったり、商売だったり、学びの為に留学だったりと理由は様々だ。


「それに応じてフィルレイシア以外に【ヴェルヴェニア連盟国】の人達もかなり入って来てるんだよな」


城下に居る人達で特に目を引くのは【リームス教国】の信徒だ、見た目が凄く異常なんで滅茶苦茶目立つ。その特徴は男女問わず真っ白な衣装で、男性はカピロテと呼ばれる目だけ出るとんがり帽子を被り、女性は何故かミニスカートにスカプラリオという前垂れ、そして薄いヴェールで顔を隠しているのだ。


「ほんと、異質だよな……」


彼等は【グリームス神教国】の中で別れた派閥の中でも〝三神派〟という派閥の教徒達が集まって独立したそうだ。


三神派というのは、俺とマリアンとアミリアを同列の位置に置いているという派閥らしい。アマトリウス教(派)はマリアンを主神としていて、俺とアミリアをなぞらえた聖騎士と聖女を代々使徒としているらしい。


「ただ、リームスの人達って俺達の事崇めてるから、こっちでは悪い事はしないので安心なんだよな、滅茶苦茶変な格好だけど」


◇◆◇◆


空の上を飛んで、3時間そろそろクラスメイトの城下探索も終わりが近づいてきた。


『ユウキ様、問題無く済みそうですね』


影の中からクロコが言う、なんかそれフラグっぽいんだけど。


「そうだね、何も無くて良かった……訳じゃないな……」


城下で突如異変が生じる、以前見たグレイを素体としたキメラ、それと酷似した存在が街中に現れたのだ。


だが、今回は前回とは違い使役師《テイマ―》や奴隷商人が居ないのに〝突如〟現れたのだ。


『すみません! 私がフラグを建てたから……』


「いいや、大丈夫だよ。セレーネ、アミリア、リリアーナ!」


「もう動いてるよ!」


「うん、街に被害が出ない様にすればいいんだね」


「頼みますわ、皆さん! 私も向かいますわ!」


「任せたよ、皆!」


「「「はい!」」」


城門から飛び出す三つの閃光、最速で飛んで来た三人が一撃で無力化をする。


『ユウキ様あれ!』


指差されたのは街の各所から溢れるグレイウルフ、グレイとは違い個体は小さいが数が尋常じゃない。


「魔法で一掃……は駄目だ、住民に被害が出る……」


大きな個体も次々現れ城下町で混乱が広がっていく。


「クロコ、ノクタールさんに説明を頼めるか? 俺は群れを対処するから」


『はい!』


滑空して城の壁面を飛ぶ、空いている窓の付近でクロコが影から飛び出し室内の影に着地する。


「さて、『——広域探知!』」


魔力を広げ敵を探知する、どこから入って来たのかわからないが指数関数的に増加している。


「ヤバいな……数が多すぎる……」


巡回の兵士達も対応が出来ずに混乱が広がっていく。


「まずは、住民を守らないと……」


クラスメイト達は、何かあってもほんの数分でであれば防御魔法が発動するので大丈夫だろう。


「幸い、まだクラスメイト達(みんな)の居る所までは波が来ていないし……」


広域探知に記された魔獣の数はリアルタイムで観測している、渡してあるお守りの微弱な魔力反応からも遠いし問題は無いだろう。


「ふっ! はぁ!!」


「グギャアアアアア!?」


「ギャウゥ!?」


住民に飛び掛かる魔獣を倒す、それと同時に治療をしていく。


「大丈夫ですか!」


「ま、魔王様……」


「家に籠って戸板を閉じてくださ……いっ!」


「はい!」


溢れかえる魔獣を倒すが、手が足りない。


「やっぱり、多少の被害は覚悟して、群れのリーダーを優先で倒す方が良いんだろうか……」


そう考えながら探知した敵の位置を見る、大型魔獣以外に中型の魔獣が数匹いる。


「ワオォォォォォォォォン!!」


大きな遠吠えが聞こえた瞬間、魔獣の動きが鈍る。


「この遠吠えって……」


そこそこデカい反応が近づいて来る、振り返ると、狼を薙ぎ払いながら突進してくるグレイの姿があった。


「グレイ!」


「わふぅ!!」


景色が一瞬で飛ぶ、ブレーキの間に合わなかったグレイによって飛ばされたのか宙に飛んでいる。


「わふぅ!?」


「グレイ、そのまま受け止めて!」


「わふぅ!! グルルルアァァァァ!!」


空中でグレイの背に乗る、そして空中でね彼の咆哮一つで群れが硬直し、その中をグレイと共に駆け抜ける。


「グレイ、案内するから群れのボスを倒すよ!!」


「わふぅ!! アオォーーーーン!」


グレイの遠吠えに反応してグレイより一回り小さい狼たちが現れ並走をする。


「これって、グレイの眷属?」


「わふぅ!!」


「そっか、じゃあ力を借りるよ、皆!」


「わふぅ!! アオォーーーーン!」


「「「「「アオォーーーーン!」」」」」


遠吠えで散らばった眷属たちが次々と敵のグレイウルフを倒していく、対格差もあるせいかその戦いは一方的だ。


「しかも、住民の救助まで……」


「わふぅ!!」


さらに一回り小さい狼たちが怪我をした住民や襲われて意識のない住民を、魔獣の群れから引っぱり出して運んで行くのを横目に、群れのリーダーへ駆け抜けるのだった。


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