|幕間|乙女準備中
話しは少し戻ります。
◇理映side◇
「いやー、疲れた疲れた……」
「すみません理映先輩……」
私とマリアン、二人の神様が大量の本と書類に囲まれたコンソールへ向かっている、画面は目まぐるしく現れ消えていく。
「仕方ないよー まだまだ新米なんだし」
「でも、優希さんのお陰で私が生まれたのに……」
「あはは~確かに優希君のお陰だけど、元々大神様が人手欲しくて生み出してるんだし、ここに回されたのは偶然だからね」
「はい……」
そんな話をしている空間に来客が現れた、メイド服を着てワゴンを押している。
「理映様、マリアン様。お茶の準備が出来ましタ」
「ありがとーメアリーちゃん!」
「ありがとうございますメアリーさん」
テキパキとメアリーちゃんがお茶の準備をしてくれる、ふわっと広がる紅茶の香りに癒される。
「こちら、イングリッシュブレックファストです、ストレートかミルクティーが良いのですがどちらにいたしますカ?」
「僕はお任せで」
「いんぐりっしゅぶれっくふぁすと……良くわからないので飲みやすいので!」
「かしこまりましタ、それとお茶菓子は食べやすいようにクッキーをお持ちしましタ」
カゴに並べられた色とりどり、色々な種類のクッキーが目の保養に良い。
「あ~クッキーの色が目に良いよぉ~」
「そうですね……あ、おいしぃ~」
「春華さんのクッキーですかラ」
「そうだ、皆の準備は?」
「ほぼ準備を完了したみたいでス」
「そっか、じゃあこれを食べたら行こうか」
「かしこまりましタ」
◇◆◇◆
クッキーとお茶を堪能した後は、メアリーちゃんとマリアンと共に隣の部屋へ移動する。
「あ、理映ちゃん」
「おっ、耀ちゃん新しい服だね、似合ってるよ」
「あはは、少し恥ずかしいけど……」
「ん? 耀の服は露出少ない、どうして?」
ユフィちゃんはゴスロリだが、背中はぱっくりと開いて肌が見えている。
「いやーなんていうか……私がこれを着てるとコスプレ感が強くて……」
そう言う耀ちゃんの服は、むかし優希君と見てたという魔法少女の衣装そっくりだ。結構似合ってるんだけどね、どうやらコスプレ感が強いから恥ずかしいらしい。
「似合ってるんだけどなぁ……」
「そうですね、私もそういった感じの服にしておけば良かったですわ……」
やって来たエアリスちゃんはレオタードドレスにケープというそのスタイルを惜しげもなく晒す格好だ。
「ですね! 凄く綺麗です!」
目をキラキラさせているマリアン、まぁ神様とはいってもまだ若いもんねぇ~。
「ちょ、やめて! 余計に恥ずかしい!!」
恥ずかしそうに身をよじる耀ちゃん、それを片目に他の皆を見る。
「えへへ~どうかな春華?」
「うん、良く似合ってるよ冬華」
くるくると回る冬華ちゃん、とそれを微笑ましそうに見る春華ちゃん。
「少し、裾が短い様な……」
「里菜さん、それ下にレギンスあった様な……」
「え? 本当!?」
「あ、ありました」
「ほんとだあ!?」
最近おっちょこちょいになっちゃってる里菜ちゃんとアイドル業が忙しい中駆け付けてきてくれた鈴香ちゃん、それと沢山の荷物がある方へ目を向ける。
「えっと……食べ物よし、防災用のシートよし、レジャーシートにクッションシートも良し」
巴ちゃんがタブレット端末を片手に、荷物の目録を確認している。
「おーい、巴ちゃんこれはどこに置けばいい?」
「え、えっと……発電機は……」
「菫ちゃーん、それはこっちよー」
「あれ? そうだっけ? ごめんごめん」
「えっと……武器はオッケー、薬品や優希さんのポーションもオッケー」
「ん!」
「あぁ、翠ありがとう。新しい魔法鎧も忘れたら駄目だよね」
「(こくこく)」
勇者組の援護に向かう神楽組の皆と、難民キャンプでの物資の統括を行う巴ちゃんと忙しそうにしている。
「お待たせしました!」
「遅れましたあ!」
そこに飛び込んで来たミュリちゃんとユキちゃん、二人共巴ちゃんの護衛の為
に新しくした装備に着替えていたのだ。
「おー二人共良く似合うねぇ~」
「り 理映様!? ありがとうございます!」
「理映おねーさま! ありがとうございます!」
二人共純白の鎧に金縁の装飾が華やかさを出している、ユキちゃんは軽装鎧でホットパンツを履いている。
「さて、皆も揃った様だし、もう一度確認しよう、耀ちゃんエアリスちゃんはアミリアちゃんの救援」
「えぇ、任せて下さい」
「私達なら余裕です!」
やる気満々な二人が笑う、この二人なら大丈夫だろう。
「ユフィちゃんはリリアーナちゃんの救援」
「ん、任せる。最近考えた魔法、使い放題……」
ニヤニヤとしながら言う、大丈夫かな?
「あーやり過ぎないようにね……春華ちゃんと冬華ちゃんはセレーネちゃん達の救援」
「はい、任せて下さい!」
「はーい、さくっと片付けちゃうよ~」
二人共そわそわしている、早く優希君に会いたいのが溢れ出ている。
「鈴香ちゃん里菜ちゃんは避難民の誘導と護衛」
「はい、地図は頭に入ってます!」
「わかりました!」
やる気十分といった感じで応える。
「巴ちゃんミュリちゃんユキちゃんの三人は避難民の皆を助けてあげて」
「はい」
「はい!」
「了解しました!」
三人がキリッとして答える
「神楽組の皆は勇者組の援護ね、数が多いから気をつけて」
「はい!」
「はーい」
「了解です」
「(こくこく)」
各々新しい服装と武器を、持った神楽組の皆が応える。
「そういえば、メアリーはどうするの?」
耀ちゃんが聞いてくる、そういえば説明してなかったっけ?
「私ハ……何やら理映様よりお話があるそうデ……」
「うん、今回の邪神の事でねーちょっと色々話すことがあるんだ」
「そうなのね、それじゃあメアリー、何かあったら私を呼んでね」
「はい、かしこまりました」
「皆さん! 私の世界をお願いします!」
マリアンの懇願に皆が頷く。
「さて、じゃあ皆行くよ! 耀ちゃん合わせてね」
「はい!」
「『我は求める、異なる世界への道しるべを、我は開く、その世界の扉を』」
「『座標セット、時空間固定、転送体、問題無し』」
「「『——転移・——転送』」」
異世界への希望を乗せ彼女達は飛び立った。
「理映様、お疲れ様でス。お茶を淹れましょうか?」
「そうだね~緑茶が良いかなぁ~」
「かしこまりましタ、マリアン様ハ?」
「私ですか!? 理映先輩と同じでお願いします!」
「かしこまりましタ」
「じゃあ、それを飲みながら、お話をしようか」
僕達は三人で元の調査室に戻った。
作者です。
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