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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第7章【魔王誕生編】

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第52話:過去の話と、妹サービス

「うきゅぅ~」


「あらら……限界みたいですね」


「そうね、ん~疲れたぁ~」


「なんでアミリア様、そんなに体力があるんですか……」


クロコは魔力切れで目を回し、セレーネとシアは座り込む。


ただ俺とアミリアだけはピンピンとしている。


「多分だけど、【潜在強化】のお陰よね?」


「そうだね。正直、成長速度に関しては俺以上のぶっ飛び具合だからなぁ」


「そうなの!?」「そうなんですか!?」「えぇ!?」


三人が驚いた顔をしている。


「おい。これでも俺、5年以上かけてここまで強くなったんだぞ?」


そう言うと唖然とされた、泣くぞ!?。


「元々は俺、異世界に呼ばれてから1年以上かけて身体を鍛えたり、低難易度のダンジョンで経験値積んだりしてたんだぞ?」


「へぇ……そうなんですね」


「あれだけ特異な事するから、最初から強いのかと思った」


「そうですね、最初からてっきり化物クラスかと……」


酷いなぁ……特にシア……。


そんな事を思って居るとシアがじっと見て来る。


「どうした?」


「いえ、私の攻撃をいともたやすく躱してそれでいて毒や即死攻撃全般に強いなんて人としての領分越えてるなぁと思いまして」


なんで、思考を読めるんだよ!


「顔に出てますから、それとそんな化物なご主人様の事、僕はかなり好きですよ?」


「マジか……皆に言われるな……。というかそんな素振り見せないのによく言うよ……」


「あら、終わってしまわれたんですか?」


訓練場に響いた声に振り返ると、リリアーナが俺のあげたジャージを着て立っていた。


「あ、リリアーナ。今ユウキの昔話を聞いてたのよ」


「優希様の昔話ですか……とても興味がありますね」


「そこまで興味惹かれるかな?」


「いやー面白いよ、ユウキさんのお話」


いつの間にか、獣状態に戻ったセレーネが膝上に乗る。


それに合わせて、アミリアとリリアーナが隣に詰めて来る。最近は集まるとこのスタイルでの会話をする事が多い。


「僕、お茶入れて来ますね~」


そう言ってササッとクロコを回収して行った。


「それで、優希様の昔話を聞きたいですね」


「そうそう、5年って言ってたけど、さっきのは一部でしょ?」


「そんなに面白くないよ?」


「いえ、私達は〝優希様〟の事が知りたいのです、どう生きてどう感じ、今ここに居るのかを知りたいのです」


「後は単純に、異世界のお話が聞きたいだけだけどね!」


「そっか。じゃあ、どこから話そうか……」


「優希様は耀様とは、元々どういったご関係なんですか?」


「あーそれはね……」



◇◆◇◆◇◆◇◆

そんなこんなで2時間くらい昔の事を話していたら夜を告げる鐘が鳴った。


「あら、こんな時間ですわね」


「早いな……」


「そういえば、お腹空いたぁ~」


「そうね、途中軽食を持ってきてもらったけど足りないわね」


「お姉様!」


その声に振り返るとレナちゃんとシアが訓練場の扉から覗いていた。


「あれ? レナ?」


「えっと、リリアーナお姉様、セレーネお姉様、ユウキお兄様。こんばんは!」


「はい、こんばんは」


「こんばんは」


「こんばんはレナちゃん」


「それで、どうしたのレナ?」


「えっと……」


アミリアの問いかけに少し恥ずかしそうにするレナちゃん。


「レナ様、僕から言いましょうか?」


「大丈夫ですっ! すー、ふぅー」


レナちゃんは大きく深呼吸して覚悟を決めた様に口を開いた。


「お夕食、御一緒にしませんか!」


一世一代の告白かのように言った。


「そういえば、忙しくて最近食べれてないわね」


「それならアミリア、行って来たらどうですか?」


「そうだよ、たまには妹サービスしないと!」


そう言って皆に促されるアミリア、だがレナちゃんはもじもじとしている。


「えと、えと……お姉様達皆と食べたいのですが……」


その発言に顔を見合わせる俺達、そして笑いだす。


「そっか、じゃあ皆で食べようか」


「そうね、皆行きましょう」


「そういえば、アミリアの妹でしたら、わたくしの妹でもありますわね」


「そうだね、じゃあ皆で妹サービスしないと!」


皆で立ち上がり(セレーネは人化して着替えてから)訓練場の外へ出る、するとそこには俺の世界で言う所のグランピングの様な準備がされていた。


「「「「おぉ~!!」」」」


「ご主人様のお話を聞く途中に、出て来た『グランピング』というものがこちらでも用意できそうだったので。頑張ってみました」


「私も手伝ったんです!」


見事なシアとレナちゃんのドヤ顔だ、そういえば殆ど野営はしてなかったな。


「キャンプなんて久々だし、良いかもね」


空間収納アイテムボックスに入れていた、キャンプグッズを取り出す。


「何か沢山、出てきましたね?」


「ユウキさんこれは何ですか!」


「これは……鍋?」


「あはは、セレーネ、それは巻き割り台だよ、アミリアが持ってるのは焚き火台ってやつで草の上とかで焚き火をするのに使うんだ、レナちゃんおいで」


「は、はい!」


割られてない太目の薪を取り出してセットし、それをレナちゃんがハンマーで叩く、すると綺麗に割れて出てくる。


「凄い……」


「良いですねこれ」


「私やってみても良いですか!?」


「これ、従来の薪割りが凄く楽になりますわね」


皆が次々試して行き、薪が大量に出来あがっていきキャンプを始めるのだった。

作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

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