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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第6章【追放勇者編】

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第37話:リリアーナの気持ちとアミリアの気持ち

ノクタールさんとの話し合いを終え、まずはテラスに居るリリアーナさんと話をしようと思い立ち上がった。


「リリアーナさん、今お時間大丈夫ですか?」


声を掛けると、朗らかな笑みを返してくる。


「カミナギ様、お父様とのお話はもうよろしいのですか?」


「えぇ、終わりました、それで先程ノクタールさんよりリリアーナさんとの事を聞いたのですが」


「まぁ! それで、カミナギ様はどうでしょうか!?」


「えっと……それを含めて一度お話をしたいと思ったんですが」


「それだったら、私達はお暇しましょうかレナちゃん」


「はい! そうですね、シャリアさん!!」


「ありがとう、二人共」


「頑張ってねぇ~ユウキ様」


「頑張って下さいお兄様!」


お礼を言うと二人共ニコニコと笑いながら応援の言葉を言って席を立ち室内へ入って行った、そして入れ違いにメイドさんが出て来てテーブルの上を綺麗にしてお茶をセットしていく。


「では姫様、何か必要なものがありましたらこちらのベルを、私達はあちらへ控えておりますので」


そう言ってメイドさんは少し離れたところに控える。


「それでカミナギ様、お父様よりどこまで聞かされたのでしょうか?」


居住まいを正したリリアーナさんがこちらを見据える。


「えっと……リリアーナさん達吸血鬼のしきたりと、それを踏まえての俺との結婚についてかな?」


「そうですか……あの、カミナギ様。私の事はどうか考えて頂かなくて結構です、私は本当だったら、貴方様に出会わなければ長くはない命でした。貴方様に血を分けていただく前も週に一度目覚めるかどうかでしたので……。このまま貴方様が元にの世界に帰られて、忘れて頂いても問題ありません。私は貴方様を縛り付けたくは無いですし、覚悟は既に出来ております」


「リリアーナさん……」


「後はカミナギ様のご決断次第。今すぐに返答が欲しい訳ではありません……そうですね次の吸血の際に決めていただければ」


「わかりました、そうなると3日後ですね」


「えぇ、お陰で段々と快方へ向かい。カミナギ様から血を頂く期間も伸びておりますので」


「そうですか、それは良かったです」


「では、カミナギ様、私一度お部屋へ戻らせて頂きます、少し外に居過ぎたので……」


そう言ってリリアーナさんは中へ戻って行った。


◇◆◇◆◇◆◇◆

それから少ししてアミリアの部屋に戻るとアミリアは起きていた。


「あっ、ユウキ……」


「アミリア、起きてたのか」


「えぇ、さっき起きたの」


「そっか、体調は……悪くなさそうだな」


鑑定では疲労状態と出てるけど、顔色とかも悪くないし大丈夫だろう。


「ユウキはどこに行ってたの?」


「えっと、マリアンが戻って来たからノクタールさんと話をしていた」


そう言うと、ビクッと肩を震わせ、俯くアミリア。


「ごめんなさい……」


「一体どうしたんだ?」


「えっと……せっかくユウキが色々考えてくれた、結婚の事を台無しにして……」


「あぁ、その事なら大丈夫、ノクタールさんが自分から断ったって言ってたし」


そう言うとアミリアは顔を上げる、その目尻には涙が溜まっていた。


「違うの! 私が! 公務にかまけてノクタール様とちゃんとお話をしなかったから!」


「うーん……まぁ最初からノクタールさんはアミリアと結婚する気は無かったみたいだし仕方ないよ」


「でも……」


「まぁ、その件は置いといて。それでノクタールさんにはリリアーナさんとの結婚を提案されたんだ……」


「うん、知ってる。前にノクタールさんが話してくれたからね」


「そうだったのか」


「まーね」


つまり俺だけ知らなかったのか……


「それでどうするの?」


アミリアが真剣な目で見て来る。


「正直悩んでる、別に結婚しないでもリリアーナさんに血を与える方法はあると思うんだ」


「うん、ユウキならどうにかできると思う。でも、リリアーナ様はそれを望んでないんじゃないの?」


「でもリリアーナさんは、自分の事は捨て置いても良いって言ってたんだ」


「そりゃ嘘でしょうね……」


「だよねぇ……」


「でも私の知ってるユウキは見捨てないよ」


「うっ、見捨てるつもりは無いからね……まぁだから悩んでるんだけど……」


「何を悩む必要があるの? あれだけ綺麗だし、物語に出て来るようなお姫様じゃない?」


「まぁ、物凄いお姫様感はあるね……でもだからこそわからないんだよね……」


「何がわからないのよ……」


「いやさ、好かれてるのかがわからないんだ……」


「好かれてるんじゃない?」


「でも血を与えただけなんだよね……」


「良いじゃない、私だってユウキに助けられたから好きになったんだし……」


「え? 今なんて?」


「と、というかそれを私に聞くの?」


「え?」


「それ聞くなら、相応しい人が居るんじゃない?」


「え?」


そう言った瞬間胸にぶら下げていた宝玉が光り輝いた。

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