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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第5章【インターミッション】

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第60話:死者に会えるダンジョン①

異世界に到着して買った物を確認していると、メイド長がやって来た。


「おはようございます、ユウキ様。本日は確か学校に行っているのでは?」


「あぁ、今日はちょっとシド様に用事があって、それとミュリのお家で赤ちゃんが生まれたらしいからさ、向うの世界の赤ちゃんグッズ買ってきたんだ」


そう言って見せるとこちらの世界では見慣れない物にメイド長の関心が向く。


「かしこまりました、部下に連絡を致しまして、国王様に時間を作る様に連絡をします。それとユウキ様これは?」


「えっとね、こっちが粉ミルクっていう物でお湯と混ぜると赤ちゃん用のミルクが出来るんだ、それでこっちが赤ちゃん用のお菓子、まだ食べられないだろうけど試食の為に買ってきた」


「凄いですね……これならわざわざ動物の乳を搾ったり、母乳の出ない乳母もあげる事が出来ますね」


「そうそう、飲ませるための哺乳瓶とかも必要かなぁと思ったんだけど、消毒が衛生管理の面から止めた」


そう言うとメイド長が「哺乳瓶?」と首を傾げる。


「そっか、こっちは無いんだったね」


アイテムボックスから新品の哺乳瓶を取り出して見せる。


「これなんだけど、粉ミルクをあげるのに適してて。ほら、この口の部分が吸いやすい形になってるんだ」


メイド長に哺乳瓶を手渡すと、ぐにぐにと吸い口をこねる。


「成程……良く出来てますね……でも衛生問題というのは?」


「消毒するのに煮沸をするんですが、どうしてもこの材質が、熱を加えすぎると変質して使いづらくなるんです、だからと言って煮沸が甘いと今度は衛生面で問題が出ますから……」


「そうなんですね……確かに、毎度時間を計るのも大変ですからね」


この世界、時計の魔道具はあるのだがどうしても大まかな時間しかわからない、なので粉ミルクのみにしたのだ。


「ユウキ様、国王様の準備が、出来たそうです」


「わかりました。後、ケーキなどがあるので冷蔵の魔道具を貸して貰えますか?」


「かしこまりました、お話が終わりましたら、お持ち致します」


そう言って一礼をした後、シド様の執務室に案内された。


◇◆◇◆◇◆◇◆

「ユウキよ久しいな」


「1週間ちょっと前ですからそんなにですけど、お久しぶりです」


アイテムボックスから炭酸飲料を出しながら席に着く。


「おおぉ……これは?」


「シャン〇リーというやつですね、毎年冬に俺達の世界じゃイベントがあるんです、それの時に飲むのが一般的な飲み物です」


「ポンッ」と小気味いい音を鳴らして栓を開く、シャンパングラスを出して入れるとシド様に手渡す。


「————んぐっ! これは美味しいのぅ!」


一口飲んだシド様が、すかさず一気飲みをする。


「そうですか、良かったです。今度沢山購入したら持ってきますね」


「よろしく頼む、執務中に酒を飲む感覚が付きそうで少し怖いがな」


そう言ってわははと笑うシド様、後はお土産出して本題に入らないとな。


「後はケーキや焼き菓子持ってきたので、メイド長に渡しておきますね」


「おお! そうかそうか、有難いのぅ」


「それで、こっちに来た要件なんですけど、探してもらいたい人が居まして」


神様から鳳夫妻が生きている事、それがこちらの世界に居る事等を伝え、探してもらえる様に頼む。


「任せてくれ、そのご夫妻の姿絵はあるかのう?」


「あー写真は持ってないですね……」


「わかった、そうしたらお主はその姿絵を持ってきてくれ、そうしたら竜人便で各国に伝えよう」


「竜人便?」


「ああ、お主の世界は手紙も飛行機で運ぶと聞いてのう、それならばと思い竜人で暇な方に各国の手紙や書簡等を運んでもらってるのじゃよ」


「へぇ……この世界ならではですね」


「という訳で、早い内に持ってきてくれ、一応名前と異世界人という事で各国に探してもらえるよう連絡はしておく」


「ありがとうございます! だったら本人に借りた方が早いかな? それじゃあ一旦戻りますね!」


「待て待て」


意気揚々と席を立つとシド様に止められる。


「どうしました?」


「ケーキは置いて行ってくれ……」


「あっ……すみません」


◇◆◇◆◇◆◇◆

ケーキをメイド長に渡した後、こちらの世界に戻って来る。その足で学校に向かい、職員室に入る。


「すみません、二年生の鳳さんのクラス担任の先生は居ますか?」


そう聞くと年配の女性がこちらへ来た。


「私が鳳さんのクラス担任ですが、貴方は?」


「あぁ、すみません、一年生の上凪 優希です、鳳さんに用事があったのですが……」


そう言うと、担任の先生が不安そうな顔をする。


「実は今日は登校してないのよ、連絡も取れないみたいで少し心配なの」


「わかりました、それじゃあ思い当たる節がありますので、探してきます!」


「貴方、授業は!?」


「すみません! 今日は休みます!」


それから靴を履き替え自宅へ戻り、巴ちゃんに連絡をする。


「はい。優希さん、どうかなされましたか?」


「ごめんね仕事中に、朝言ってた死者に会えるダンジョンってどこかな?」


「ええっと…… 島根県の松江市にある東出雲町という場所にある」


島根県? 死者に会えるダンジョン? まさか……。


「『黄泉比良坂 』です」



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