特別編:いい夫婦の日④
俺と春華で作った昼食を皆が食べ終えた後、次の順番である巴を残して皆が元の世界に戻るとの事で送り届けて来た。
「お待たせーって……あれ? 巴?」
戻ってみると巴は居なくなっていて、書置きが残されていた。
「えっと……こちらのベルを鳴らしてください?」
綺麗なベルを鳴らすとメイドさんが入って来た。
「カミナギ様、こちらへどうぞ」
そう促され個室へ案内される、なんかお香を焚いてる匂いがする。
警戒しつつ鑑定を使うと、巴の私物のアロマディフューザーの匂いだった。
「ささっ、巴様どうぞ」
ほっとしていると巴がメイドさんに促され入って来た…………アラビアンドレスとでもいうのだろうか……顔の下半分をヴェールで隠している。
「とっ……巴さん!?」
「あっあの! あまり直視されると恥ずかしいですぅ……」
「ごっ、ごめん」
慌てて目を逸らしつつ横目で見る。
うん、可愛い。とゆうよりかなり煽情的だな……
ロリ巨乳な巴が着てると、途轍もない背徳感がするので何だかんだ目が離せない。
「ではユウキ様こちらへ」
「優希さん、こちらです」
巴に手を引かれ、メイドさんに促されたのはマッサージベッドだった。
「えっと……一つしかないけど……」
「それは…………っつ」
顔を赤くしてしまった巴の代わりにメイドさんが答えてくれる。
「普段頑張っているユウキ様の為に、巴様がマッサージをしてくれるそうです、ささっこちらへどうぞ」
そうしてベッドにうつ伏せで寝かされる。
「では、巴様。頑張って下さい!」
「はいっ!」
そう言ってメイドさんが外に出て行った。
「ではっ! 失礼します!!」
そのまま巴はオイル? を垂らして体を揉んでいく。
「んしょっ……よいしょっ……」
巴が頑張って揉んでくれるが先程の衣装でやってると思うと途端に顔が熱くなってくる。
(いやいやいや、巴が頑張ってるんだから、雑念は忘れないと!!)
段々と息を荒くしながら、オイルマッサージをしてくれるロリ巨乳の巴。
(あぁ……でもこの気持ち良さ……段々と……)
体が温まって来ると同時に眠気が襲って来る。
「優希さん? 眠かったら寝てても良いですよ」
「ごめん……少し寝る……よ…………Zzz」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「————さん、————希さん」
誰かが体を揺らしてる……巴の声が……
「てふぇ! ごふぇん!」
慌てて起きると隣に座っていた巴と目が合う
「ぷっ、ふふふ……ごめんなさい、タオルです……」
どうやら寝てる隙に、涎が垂れていたようで口元が濡れている。
手渡されたホットタオルで顔を拭くと、さっぱりした。
「ありがとう……どのくらい寝てた?」
「そうですね……1時間くらい寝てました」
「そうかぁ……ごめん」
「いえいえ! たっぷり寝顔を堪能させてもらいましたから!」
凄く満足気なんだが……それでいいのか我が嫁よ……
「うーん、貰ってばっかりなのもなぁ……そうだ!」
巴の背後に回り肩に手を置く。
「お返しに肩を揉むよ」
「へ? 優希さ……はぅん……」
「なんで、肩でそんな色っぽい声出るんだ」
「いっいえ……急だったので……よしっ! 大丈夫ですっ!」
「んっ……んんっ……」
(ちょくちょく、肩もみはやってたけど……今日は格好も相まってやばいな……)
そうして時間が来るまで巴の肩を揉み続けたのだが、理性VS欲望の綱引きが凄まじい事になっていたのは言うまでもない。
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悶々とムラムラのせめぎ合いから一転、こちらの世界に巴と帰って来た俺は今、鈴香と女性向け雑誌の取材に来ていた。
「すみません、上凪さん。本日はお時間を取らせてしまって……」
「いえ、大丈夫です。それに今日しか優希さんの時間が無かったですものね」
「そうだね、11月に入ってからはかなり忙しかったからね……」
「ありがとうございます! がっ……は」
記者さんが全力で頭を下げると同時に、思い切り机に頭を打ち付けてしまった。
「だっ、大丈夫ですか!?」
「えっ……えぇ……」
「一応頭ですし凄い音がしましたから……『ヒール』」
「あぁ……すみません……」
当たった部分をさすってる記者さんにヒールをかける。
「そっ! それでしゃ……すみません……」
今度は思い切り噛んだ……大丈夫かな?
顔に出てたのか鈴香も苦笑いを隠せていない。
「とりあえず、落ちていて下さい」
「はいぃ……ではもう一度、本日はありがとうございます! 今日は『いい夫婦の日にちなんでおしどり夫婦の本音』という内容で取材をさせていただきます!」
「わかりました」
「はい」
「では一つ目の質問です、『互いの出会いについての第一印象は?』」
「「第一印象……」」
第一印象と言うと……曲がり角でぶつかってスカートの中身を見てしまったことを思い出した。
「あはは……凄く綺麗な人だと思いました……」
「あはは……あの時は可愛らしい人だなぁ……と、思いました」
多分鈴香も思い出したのだろう、互いに苦笑いを浮かべながら答える。
「?? わかりました。次の質問です、『結婚の決め手は?』」
「決めてかぁ……俺は鈴香に命がけで守って貰った時に、告白されたのが決めてかなぁ……その後に、絶対この人を守らないと駄目だと思ったから……ですかね」
異世界で生き返ってからの時の事を思い出して答えると鈴香の顔が真っ赤になっていた。
「うぅ……」
「いやぁ……破壊力高いですね、それで鈴香さんは?」
「私は……優希さんの本当に何気ない優しさと、自分を犠牲にしてまでも私を助けてくれる事に心打たれまして……気付いたら大好きになってました」
「成程……いやー聞いてるこちらも顔が赤くなりますね」
「ははは……すみません」
「いえいえ! 貴重なお二人の馴れ初めを聞けるのは楽しいですから! それでは気を取り直して、次の質問は鈴香さんにですね「ハーレムですが、何か不満点等はありますか?」」
結構びっくりする質問に一瞬背筋に嫌な汗が流れる、これで不満点があったらどうしよう……
鈴香は少し考えた後、口を開いた。
「えっと……元々私は後から入ったし、入れるとも思って無かったんだけど……不満点かぁ……あえて言うなら夜の生活くらいかな?」
「「えっ……」」
なんかいきなりの爆弾発言に俺と記者さんがピタッと止まる。
そんな二人を置いといて鈴香は話を続けた。
「不満と言うより、半端ないから一人じゃ対抗できないって事ですかね……」
「鈴香ちゃん……流石にそれは載せられないよ……」
「あっ、ごめん日向ちゃん……」
「二人は知り合いだったのか……」
「そうです! 中学校の時に同じクラスでした!」
「えークラスメイト? 私は結構仲がいい方だと思ってたんだけどな~」
「でも、鈴香ちゃんとは住む世界が違ってたし……子役とかも頑張ってたし……」
「まぁ、あの時は特になりたいものも無かったからね……しいて言うなら『お嫁さん』には憧れてたなぁ……」
「確か、『今の私じゃなれないもの』だったからだっけ?」
「そうそう、流石に中学生じゃなれないからね。それに日向ちゃんは元から、記者になりたいって言ってたもんね」
そう言って笑い合う二人、だから鈴香もこの取材を受けたのか……
納得がいったと共に、二人は昔の雰囲気を取り戻していく。
それから、取材を再開して質問に答えた後は、鈴香の昔の話を聞きながら時間まで過ごすのであった。
今日の更新は7時・17時・22時です!




