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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第5章【インターミッション】

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特別編:いい夫婦の日②

里菜を残して、一時帰宅した俺は、起きている中から湖水浴をしたいメンバーを送り届け戻って来た。


日本だとまだ3時かぁ…次は誰だろう。


「残った中だと……ユフィかな?」


「ん、正解」


暗闇の中から、ユフィの瞳が月の光を反射して光っている。


「それでユフィは、どんなことをする?」


「ん、特に決めてない」


「そっか~じゃあどうしようかな」


「たまには、このままでもいい」


そう言ってユフィはソファに座る、それに合わせて左隣に座る。


するとコテンと頭を倒してくる。


「どうした? 何かあった?」


「別に、元々エルフはゆったりとした生活を好む」


「そうだったね、ユフィは研究熱心だから忘れてたよ」


「私も、本当はゆっくりするのが好き」


「そっか、じゃあ久々にゆっくりしようか」


「ん」


そう言ってユフィは俺の手をぐにぐにしたり、もみもみと揉んでいる。


「ユフィさんや、それ楽しいのかい?」


「結構楽しい、アレに似てる」


「あれ?」


「お菓子とか、やわらかく模したやつ」


「スクイーズ? ユキが最近気に入ってるアレ?」


「ん、それ」


「そっか……そこまで柔らかくないと思うんだけどなぁ……」


「わたしにはこの硬さが良い、それに……」


言葉を一旦区切ったユフィを見る、耳が真っ赤なんだけど。


「ユウキの……手だから好き……」


じっくり見つめられながら言葉を発する。


「っつ……そっ、そうか!」


なんだろう……ユフィとこういう話をすることが無いので、凄く気恥ずかしいんだが……


「あっ……流れ星」


「え?どこ?」


声を上げたユフィに反応して俺も顔を上げる。


「もう消えた……」


「そりゃそうだ、一瞬だもんね」


「でも綺麗だった、月にも負けてない」


「そっかー見たかったなぁ……」


「ふふっ、残念」


久々にユフィが微笑みながら言う、その瞬間ドキッとする。


今日のユフィはなんか目を奪われる。


「あっ…そうか、今日のユフィ、お化粧してるんだ……」


「ん、正解。でも、気付くの遅い」


「うっ……ゴメン……」


「いい、リンカに教えてもらったナチュラル? メイクだから」


「それでも、旦那として気付かないのはなぁ……」


「まぁ、ユウキだし……」


「うっ……ゴメン」


「いい、私はそんなユウキも大好きだから」


ユフィは普段、『好き』とか『愛してる』とか滅多に自分から言わない為、今や首まで真っ赤になっている。


「ありがとう、俺もユフィの事愛してるよ」


真っ赤になった耳にキスをすると、ユフィがあわあわし始める。


そんなユフィをすっぽりと腕の中に抱きかかえると、早くなった鼓動が伝わってくる。


たまにはこんな風に過ごすのも悪くないな……


「あうあうあうあう……」



---------------------------------

それから交代時間が来たので、ユフィを里菜達の元へ任せこちらの世界に戻って来た。


「次は……」


「私でス!」


「うわあぁぁぁ!?」


突如気配を殺して近づいてきたメアリーに脅かされる。


「ぷっ……ふふふ……」


「笑わなくてもいいじゃんか……」


「いエ、普段あれだけ強いのニ……こんなのニ……ビクッテ……ビクゥ! ってなるなんテ……」


堪えきれないのかぷるぷる震えている。


「それで、俺はメアリーと何をすればいいかな?」


「それでしたラ、行きたい場所があるんでス」


そう言ってメアリーはある時から着け始めてた、紫色のブローチを撫でる。


それだけでメアリーの行きたい場所に察しがついた。


「わかった、じゃあ行こうか」


メアリーと手を繋ぎ転移を発動した。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「っと……到着」


「はイ、ありがとうございまス」


到着したのは前世のメアリーが生まれた世界だ。


「それじゃあ、行こうか」


「はイ!」


手を繋いで以前来た時に作った、メアリーのご両親のお墓を目指す。


それからメアリーの住んでいた村に着くと、お隣の家のおばあちゃんが出てきた。


「あら! メアリーちゃんお帰りなさい!」


「おばあ様、おはようございます」


「おはようございます、御無沙汰しております」


「あらあら~騎士様とは良好なようで~良かったわぁ~」


「そうだ、王都でお菓子を買ってきたんです!」


メアリーは背負った荷物から、元の世界で買ってきて詰め替えたお菓子を手渡す。


「あらあら~今度は何かしらぁ~」


「マドレーヌです」


「まどれぇぬ?」


「はい、お砂糖と小麦粉、後はバターと蜂蜜を入れたお菓子ですね」


「なんと……そんな豪勢なもの良いのかい?」


「えぇ、旦那様もおばあ様達に渡す為に沢山買われましたので、どうぞ遠慮しないで下さい」


そう言ってメアリーはマドレーヌを手渡した。


「それじゃあ、私達お父さん達のお墓に行ってきます」


「ふふっ、いってらっしゃい」


意味深に笑ってお隣のおばあちゃんは送り出してくれた。


それから、村はずれの高台に向かうと目を奪われた。


「凄い……」


「綺麗ですネ……」


そこにはメアリーの両親のお墓と一面の花畑が広がっていた、その綺麗な光景に俺達は驚いてた。


「あっ、優希さン。時間も無いのデ、掃除してしまいましょウ」


「そうだった……急いでやろうか!」


お墓の掃除セットでご両親のお墓を綺麗にした後、お供え物をしっつ二人で朝食を食べる。


「今日ハ、優希さんの好きな物を詰め込みましタ」


「まじか! いつもありがとうな」


「いエ、私が好きでやっているのデ……」


メアリーのご両親に近況報告を交えながら、二人で食事をする。



◇◆◇◆◇◆◇◆

そうしてお弁当を食べ終わるとそろそろ時間が迫っていた。


「さて、そろそろ行こうか」


「はイ……」


最後に二人で、この世界に伝わるお祈りを済ませると、いよいよ出発の時間となる。


「また、その内来ますね……」


「行ってきます。お父さん、お母さん……」


その瞬間、風が吹き抜けて行った。


作者です。

ここから先のネタバレが含みつつですが楽しんでいただけたら嬉しいです。

途中メアリーの語尾が変化してますがこれはメアリーの前世の世界の言語をしゃべってるので誤字とかではないです!

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