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【第12回ネット小説大賞 受賞】【コミカライズ化決定】異世界から帰ったらこっちの世界にダンジョンがあるんだけど!?〜モテたいのでダンジョンで頑張ります〜【祝200万PV突破】  作者: ふぇありす
第3章【英雄と愚者編】

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第25話:メアリーと朝食を

メアリーに恥ずかしい所を見られてしまったが大急ぎで準備を終え、まだ寝ていた耀には書置きを残し、出発した。


「それでメアリー、今日会う予定の人はどんな人?」


「そうですネ…あっ、ありましタ」


メアリーはポケットに中からくしゃくしゃなメモ書きを出す。


釘寺幸一くぎでらこういち32歳、職業は探偵、東京の一角に探偵事務所を構える冴えない男でス」


「冴えないって…」


「普段は浮気調査や人探しの協力が基本ですね」


「何か探偵って感じの仕事だね…」


「後は…っとここで止めてくださイ」


話の途中でメアリーはタクシーを止める、料金を払って降りてしまった。


「あれ?空港はまだだけど?」


「優希さン、朝食ハまだですよネ?」


「そりゃ起きてすぐ準備したし、まだ食べて無いね」


「それでしたラこちらヘ」


そうしてスタスタと歩き始める。


そうして着いたのはバーである。


「ここって?」


「バーですネ」


「バーってあのお酒飲んだりするとこの?」


「そうでス、でもイタリアでは朝から営業しててお酒以外にも軽食やエスプレッソを出してるんです」


「へぇ…」


「到着しましタ、ここで待っててくださイ」


「じゃあ席とってるよ」


「わかりましタ」


そう言って店内へ入っていくメアリー


「今日は風も気持ちいいし、外のテラスにするかな」


空いてる座席に座りメアリーを待ってると手持ち沙汰になる。


「………」


さっきからなんか視線が…


日本人が珍しいから見られてるのかと思うんだけど…穴が開く程見てきてる…


振り返ると、10歳くらいだろうか?赤毛の癖のある髪に、サファイアの様なブルーの瞳が印象的な子供がいた。


「……………」


子供なら日本人位見たこと無いか…と思い無視をしていると何故かその子は目を離さないでずっと見てる。


視線が痛い程気になってくるので振り返ると今度はばっちり目が合う。


「優希さン?」


そう声を掛けられ振り返ると両手に料理を持ったメアリーがたっていた。


「あぁ…メアリーか…」


「どうしたんですカ?」


「いいや、なんかあそこに居る小っちゃい子にずっと見られててね、日本人が珍しいのかな?」


そう言うとメアリーは怪訝な顔をする。


「何いってるんですカ?あそこに子供なんテ、居ないですよ?」


「えっ、でもそこに……」


再度振り返るとその子供は居なくなっていた。


「あれ?いない……」


「遂ニ暑さデやられましたカ…」


「ひどい!」


「とにかク、食べましょウ」


「そうだな」


疑問は残らんでもないがせっかくのご飯なので切り替える。


そうしてメアリーが持ってきた食事はTボーンステーキとステーキと生ハムと海鮮グリルと、グリルチキンと何かの肉のグリルだった。


「いや、ちょっと待てよ!」


思わず突っ込んでしまう。


「どうしましタ?」


「肉多くね?」


そう言われたメアリーはテーブルの上をじっくり見て。


「少ないですネ」


としれっと言い放った。


「いや多いでしょ、これは?」


Tボーンステーキを指さす。


「牛肉ですネ」


「じゃあこれは?」


ステーキを指さす。


「牛肉ですネ」


「これとこれは?」


「それハ子羊のグリルデス、もう一つはグリルチキンデス!」


「いや肉多いでしょ!?」


「まぁぜんぶの量は少ないですカラ!」


「朝からこんなに肉は食えないよ!?」


「貧弱ですネエ……昨晩あれだけヤったのに精ぐらい付けたらどうなんですカ?」


そう言うとメアリーは赤くなった顔で肉を食ってる。


「いや、自爆するなら言うなよ」


「うるさいですネ、いらないなら食べますヨ?」


「少し残しててくれればいいや…朝からは重いよ…」


流石にこの肉の量は朝から食べた事は無い、父さん達とは違って胃もたれを起こすことは無いだろうけど……食べれたとしても胃が物理的に重たくなりそうだ。


「そうですカ、じゃあ3分の1くらい残して全部いただきまス」


非常に慣れた手つきで肉を切り分けていく、腐ってもメイド服を着てるだけある、今はフードファイターだけど。


「どうぞどうぞ」


それでもやさしさなのか、食べやすそうな部分を積極的にこちら側のお皿に乗せてくれる。


「はイ、どうゾ」


一通りの料理が乗った取り皿を渡してくれる。


それを受け取り食べ始めるとメアリーは物凄い勢いで肉を食べる。


(食べるというより、貪るだよな……)


まぁ美味しそうに食べてくれてるし、勢いはすごいが見ていて気持ちがいい。


「どうしたんですカ?女性の食事姿ヲジロジロ見るのハ変態的ですヨ」


「いやぁ…メアリーがとっても美味しそうに食べるからね、ついつい見ちゃうんだよ」


そう言うとメアリーの顔はワインよりも真っ赤になった。


「マタこの人ハこんな歯の浮ク台詞ヲ……」


そんな事は、言った憶えないんだけど…


「えぇ…心外だな。思ったこと言ってるだけなのに……」


「はぁ……もう良いでス」


そう言って再度食事へ向き直りメアリーは肉をひたすら食べている。


「俺も食べないとな…」


現実に向き合い俺も残りの肉を食べ始める。


残すは後1キロ…………


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