12-5
「百合バーストのさらに先にあるもの。それは……」
一体何が起きるんだろう。
気になる、どきどき……。
「破滅です」
えっ。
は、はめつ……?
「百合バーストとは、元々魔法力を一時的に強化するマジックバースト能力だという事は、前にも説明しましたよね?」
「はい」
「しかも百合バーストは、従来のマジックバーストと比較したら比べものにならないくらい、付与対象の魔法力を増大させる」
「ふむふむ……」
「それをさらに拡大したら、膨張した魔法力が人の体の許容限界を超えてしまいます」
「ほおほお……」
うーん、なるほど。
よくわからん。
「えっと、おいしい物をお腹いっぱいになっても食べ続けたら、お腹を壊すでしょう?」
「おお!」
分かりやすい例え!
そう言われれば、破滅するってのも納得かもねえ。
「分かりました学園長。ですが、私の行為によく気づきましたね」
「たまたまですよ。ふふふ」
いやいや!
たまたまでこうもタイミングよく、しかもエレナまで一緒に居るなんてありえないでしょ!
「そうだそうだ、たまたまって奴だ」
うーん、このエレナも学園長に同調している様子。
二人で何かあったね……。
「ゆきさん、知らなかったとはいえごめんなさい」
「ううん、大丈夫だよ。気にしてないよ」
百合バーストの事は、本当ならあたしが気にしなきゃいけない事だったんだよ。
それを何もしなかったから、セフィリアがここまで気を利かせたんだよね。
別に気にしてないし、だいじょうぶだいじょうぶ。
「次の試験、みんなで頑張ろう」
「ええ」
「おうよ!」
こうしてあたしは、次の試験での意気込みを告げた後、3人に見送られてセフィリアの部屋を出て行った。
この時、貞操は守られた安堵感と、何とも言い難い物足りなさがあった。




