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8-3

 さらにそれから数日後。

 学園長の執務室にて。


「ふむふむ……」

「ど、どうでしょう?」

 あたしが頑張って描いた絵たちが見られている。

 前のような結果にならなければいいけども……。

 どきどき。


「とても素晴らしいです。恥じらいながらも禁断の恋に焦がれ、故に離れようとするいじらしさ、だけど最後は結ばれて……」

 学園長の顔が明るい。

 これはやったね!

 手応えあったね!

 よ、よかった……。


「よくこの短期間で仕上げましたね」

 いやほんとだよ。

 最初はイラスト集でもいいって話だったけど、意外と描けそうだったから漫画にしてみて、そうするとスケジュールぎりぎりで。

 例の事件以外、最低限の授業だけで何も起きなかったのが大きかった。

 時間結構作れたからなぁ。


「お疲れ様でした。実際に売る準備が出来るまでもうしばらくかかるとの事なので、いつも通り魔法少女の勉強に励んでください」

 ここから製本するんだっけかな。

 あれ、この世界の製本ってどうするんだろ。

 というか、コピー機なんてないよね…?

 魔法でどうにかするんかな?


「ところで」

「うん?」

「3人目は見つかりましたか?」

「さんにんめ……?」

「おや、授業でもお伝えしたはずですよ。次の試験は支援役を入れて3人で実施すると」

 え、そんなこと言ってたっけ……?

 やば、なんも決めてないよ。


「そもそも3人に満たない場合は即失格、退学なので気をつけてくださいね」

 ひええ、今すぐ探さなきゃ!


「失礼します!」

 いてもたってもいられなくなったあたしは、執務室を慌てて出た。



 MA学園内、通路にて。


「あ、エレナー!」

 人選の参考にするべく、フロリアンナ先生を探していた時。

 歩いていたエレナに出会った。


「なんだ、ゆきか」

「久しぶりだねー! ずっと会わないし話してくれないから心配しちゃったよ!」

「あ? あ、あぁ……」

 あの事件以来、あたしとエレナは大して会話もしなかった。

 エレナから率先して話しかけてくれることもなくなったし、あたしが話しかけても歯切れが悪い返事をするだけだった。

 今みたいにね……。


「もしかして、あたしの事きらいに……?」

 やっぱり、あの戦いであたしがあんな事しちゃったからかな。

 うう、なんだろうこの気持ち。

 すごく苦しい、嫌な感じ……。


「はぁ!? べ、別にそんなんじゃねえよ」

 エレナはいつもよりも甲高い声を出すと、もじもじしして否定してくれた。


 もしかして、ただ恥ずかしかっただけなのかな?

 今だってめっちゃ赤くなってる。

 ふふふ、かわいいなぁ。


「んなことよりも、次の試験どうする」

 もうちょっと照れているエレナを見たかったけども……。

 今はそれどころじゃないよね。


「3人目だよね」

「そうだな。誰をドラフトするか……」

 んん?

 なんか新しい単語が出てきたぞ……?

 ドラフト……、ドラフトって……。


「野球かな……?」

「やきゅう?? なんじゃそりゃ」

 やっぱ違うよね。

 じゃあなんだろドラフトって。


「3人目は俺らが選ぶ、支援役の奴も入りたい所を選ぶ、そういう選び方って説明あっただろ?」

「え? う、うん」

「さては聞いてないな? しょーがないなー」

 授業で言ってたっけかな?

 絵を仕上げる事ばかり考えていて聞き漏らした……?

 やっちゃったなー……。


「俺と組むだろ?」

「えっ」

「……嫌か?」

「ええっ! そんなことななないよよよ!!」

「相変わらず変な奴だな。なら一緒に3人目決めようぜ」

「うん!」

 こうしてあたしとエレナは、3人目の仲間を探すべく資料がある部屋へと向かった。

 その道中であたしは、横に並んで歩くエレナの手を握ろうと試みた。

 けど、やっぱり照れくさくなったのでしなかった。

 傍から見たら……、怪しかったと思う。

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