50-3
「で、どういう事だ?」
エレナはとても困惑していた。
仕方ないよね。
ここは説明しなきゃ、幸い女神ひなは立ってるのもやっとみたいだし。
「つまり、あたしの中にもひなの魂があった」
「お、おう」
「ひなは魔王の意志を継いで、この世界を元に戻そうとしていた」
「そうだな」
「女神ひなは、ひなとあたしをベースに作られた」
「そう言ってたな、でもそれって見た目の話じゃないか?」
「魂を無から作るなんて、神様でもない限り無理だよ。見た目もそうだけど、絶対にベースとなる何かがあるはず」
「ほお……」
「それで、あたしは百合バーストをして、元となったひなの魂を共有させて目覚めさせようとしたの」
「なるほど。……わからん」
「だよね」
うん、やっぱそうだよね。
かなりトンでも理論言ってる自覚あるもの。
「まあつまり、今のひなは英雄時代のひなに戻ったから、百合を広めなくなったって事だな」
「うんうん」
「しかも、元の世界に戻そうとしている」
「うんうん」
「ん? じゃあなんでゆきは無事なんだ? しかも百合バースト使えないはずだぞ?」
「そこなんだけども。かなり危険だった」
「どういう事だよ……」
「百合バーストをどうにか使うには、ひなの力を借りるしかなかった」
「まさかお前、それでわざと諦めたふりをして……?」
「うん。もしもあたしの中にひなの魂と共有した事が残っているなら、そのまま飲みこまれないかもって思ったの」
「馬鹿野郎! そんな危険な事しやがって!」
うん、本当にそうだよ。
失敗してたら、あたしは女神ひなの手先になってたし、みんなにも何をするか分からなかった。
実際、女神ひなとキスした時、意識が一瞬ふっと無くなったからね……。
でも、その後どうにか自分を取り戻したんだよ。
魔法少女の衣装の色が変わってるのは、驚いたけども。
それもなるべく顔に出さないようにした。
その後、ひなの加護を受けて力を取り戻したって分かったから、あたしは百合バーストで女神ひなと百合バーストしたってわけだ。
本当、エレナの言う通りだよ……。
かなり危なかった。
「な、なんて事を……! うぐぐうう!!!」
「ごめんね、でもこうするしか無かった」
女神ひなは、顔をゆがめながらこっちを見ている。
恨めしい気持ちは分からなくはない。
だけど、別にあなたの愛を邪魔するのが目的じゃない。
セフィリアを取り返したいんだ。
「何をしたか分かってるの……? 百合世界が、ひなとママの世界が壊れちゃうんだよ!!」
「百合百合するのに、世界を変える必要なんてないんだよ」
「あああああ!!!!!」
そして、この世界を元に……。




