49-11
「リゼット」
「何?」
「さっきの奴、出来るか?」
「……次で最後よ」
やっぱ、あのみんなの力を合わせてどーんだよね。
唯一効いてた感じだったし。
「なんだよ、もっと連続で出来ないのか?」
「無茶言わないで。この人数の、性質も量も波長も違う魔法力の調律はかなり疲れるのよ」
「まあ、そうだろうな。俺は無理だ、リゼットやっぱすげえよ」
「分かってくれて助かったわ」
でも、みんなの力をまとめたリゼットがああいってる。
次もさっきみたいに魔法を逸らされちゃったら、もうセフィリアを救えない。
……そうだ!
「百合バースト!」
だったら、みんなの魔法力をパワーアップさせればきっと!
「馬鹿じゃないの? 魔法力を増幅させたら調律出来なくなるじゃない」
うう、怒られちゃった……。
言われてみれば、そうかも……。
「いや、意外とゆきの作戦はいけるぞ」
「えっ?」
「どういう事よ」
「ゆきの百合バースト、リゼットにするんだよ」
「ほおほお……」
「リゼットの魔法力を底上げして、全員の魔法力を調律するんだよ。そうすれば今以上の威力が出るだろ?」
「無茶苦茶言うわね」
そうだよ!
何が何だか意味わかんないよ!
「……でも、それしかあの化け物に対抗出来なさそうね」
「だろ?」
「仕方ないわね。いいわよ」
「っしゃー!」
えええ……。
なんか承諾しちゃってるし。
リゼット、それでいいの……?
「じゃあゆき頼む」
「さあ、しなさいよ」
う、うーん。
そんな真顔で言われても。
うぅ、でもあんまりもたもたしてると女神ひなの攻撃も来るし……。
あたしはそう思いつつ、女神ひなの方を向いた。
「…………」
ひなはこちらを向いたまま、じっと浮いている。
目があっただけで、背筋がぞぞぞってなるのは変わらないけれども、まるで攻撃してくるようには見えないのはどうして?
ええい!
ここで悩んでも仕方がない!
「じゃあいくよ」
「来なさいよ」
リゼットの方をしっかりと見て、顔がだんだん近づいて……。
…………。
わずかに呼吸音が聞こえる。
「ん……」
「…………」
リゼットのくちびる、やわらかい。
あとなんかいいにおいがする。
やばっ、どきどきしてきたかも……。
「……ふう、どうかな」
あたしは、少し名残惜しさを感じつつもリゼットから離れた後にそう聞いた。
「…………」
あ、あれ?
リゼット、目を閉じたまま何も反応ない……?
「あ、あのっ」
「…………」
声をかけても、指先すら動かない。
そのままずっと棒立ち。
「お、おい。刺激が強すぎたか?」
「そんな事あるの……?」
「わからん、でも動かなくなったぞ」
今まで照れたり、納得したり、バリエーションはいろいろあったけども。
このパターンは初めてだよ。
どうしちゃったんだろ、やっぱエレナの言う通り、刺激が強すぎた……?
うーん、そうだよね。
女の子同士でキスしてるものね。
あたしの感覚が麻痺しているだけで、本来ならありえない行為だもんね。
「……ねえ」
おお、リゼットの反応があった!
よかった、無事そうだね。
「なんだろう?」
「魔法力が上がるのよね?」
「うん」
「何も起こらないんだけど?」
えっ。
うそ。
ちゃんとキスしたよ?
百合バーストの条件は満たしてるはずなのに……?




