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ミカエル視点。
MA学園、資料室にて。
「…………」
わたくしは、様々な資料に目を通しました。
「…………」
歴史、政治、科学、魔法……。
「…………」
文化、思想、宗教、文学、そして芸術。
「……ふぅ」
ですが、それでもわたくしの違和感が消える事は無く。
解決する術も見いだせず。
「…………」
わたくしは、……何をしているのでしょうか。
ただの気のせいかもしれないのに。
ウィーンさんの言う通り、疲れているだけかもしれないのに。
「ミカエルさん、ごきげんよう」
「セフィリアさんでしたか」
「何か調べものを?」
「いえ、少々気になった事がありまして」
「私でよければ相談に乗りますよ」
「新たな学園長のご助力、感謝します」
かつての学園長は、多くの魔法少女を傷つけただけではなく、戦の邪魔をした。
そんな不名誉な人物が就いていた役職を、誰も引き継ごうとはしなかった。
だけど、セフィリアさんは国からの恩賞として、その役職を引き継きたいと希望した。
結果、現在では新たな学園長として、このMA学園を仕切っている。
「ですが、今は特に問題ありません。またしかるべき時にお願いします」
「はい。いつでもお待ちしていますね。ウフフ」
どうしてでしょう。
違和感について、何故か気を許した人にしか話してはいけないような気がする……。
特にセフィリアさんだけには、言えない。
「ミカエルさん」
「はい」
偉業を成した、家柄だっていい。
人格者ですし、非の打ちどころなんてない。
なのに……。
「ゆきさんとの式、是非ご参加くださいね」
そして今、聖百合教の教祖であるゆきさんと、永遠の契りを結ぼうとしている。
それなのに、何故……。
…………。
…………。
駄目ですね、やはり違和感がします。
何ででしょうか。
「では、執務がまだ残っておりますので、失礼しますね」
「はい」
わたくしは、セフィリアさんの背中を見送った。
その後も、資料を読み続けた。
だけど、違和感の正体には至らなかった……。




