38-7
エレナ視点
セフィリアの言う事はあっている。
あいつの言葉はいつも的を射ているからな。
だから俺は……。
「全く、ここはお前の家じゃないんだぞ」
「まあまあ、そう言うなって」
「で、今日は何の用だ? 急なのだろ、さっさと言え」
「頼む! 俺の魔法力をあげてくれ!!」
ゆきに相応しい魔法少女になるため、せめて魔法力だけでもあげておきたい。
そりゃあ、200万でも決して低い数字ではない。
だがな、ゆきは俺の倍以上あるし、トップランカー達はもっと多いからな。
このままじゃ、示しがつかない。
「本来魔法力というのは、そんなすぐに上げられるものじゃない。長い修行、天性の才、あとは一子相伝の秘術とか、まぁ簡単にはいかないんだぞ」
「そ、そうだけどな! 実際に俺と大して年変わらないのに、俺よりも魔法力が高い奴がいるわけで……」
「もしかしてミレーユの事を言ってるのか?」
「なんだよ、意外と詳しいじゃねえか」
俗世を捨てて引きこもっている割には、このタイミングでミレーユの名前がすんなり出てくるとは。
そこまであいつは有名なのか?
「やめとけ、あいつは模倣や目標の対象にならんぞ」
「どういう意味だよ」
「私は魔法使い最強だ。尻の青い魔法少女どもなんか眼中にもないし、事実束になっても勝てる自信はある」
「すげえ自信……。で、それが何か関係あるのか? ミレーユとその他の魔法少女だと、ミレーユひとりの方が脅威だっていうのか?」
「その通りだ、察しがいいな。あいつなら私といい勝負が出来るかもしれん」
おいおい、本気かよ。
確か、魔法力500万とかいってたな……。
ゆきとほとんど変わらないのに、そこまで言わせるなんて何なんだ……?
「いっとくが魔法力が凄いんじゃないぞ? あいつの固有魔法が凄いんだ」
「どういう意味だよ」
「ネタを言ったらつまらんだろう? 自分で気付け」
「ケチだな」
「ともかく、今居る魔法少女でミレーユに勝てる奴はいないだろうな。たとえお前のパートナーであったとしてもだ」
…………。
それを聞くと、あの時ゆきに戦いを勧めたのはまずかったか。
セフィリアの言う通りだったなんてな。
「……まぁ、時期も頃合いか。いいだろう、魔法力をあげてやる。これで誰にも負けなくなるはずだ」
「おお! で、何するんだ」
「そこのベッドに寝ろ」
ん?
寝るだけでいいのか?
「こうか?」
「ああ、ちなみに10日程目が覚めないがいいな?」
「なにっ! 聞いてないぞ! ちょっとまっ――」
…………。
…………。
「いい感じに馴染んでいるな。これならば……」
…………。
…………。
「ひな、待っていてくれ」
…………。
…………。




