23-2
学園内、勇者の遺品があった場所にて。
とりあえず壁に触って隠された部屋にはたどり着いたけども。
うーん。
以前、手袋と手記が入っていた空の箱しか置いていない。
「ゆき、変身してちょっと壁を触りまくれ」
「うん」
やっぱエレナが何を考えているのか分からないけども。
変身してとお願いされたらするしかないよね。
ふふふ……。
実はこの時のためにこっそり考えていた事があったんだ……。
今がチャンスだね!
試すしかない!
「目覚める白雪の純粋な思い!」
あたしは魔法少女に生まれ変わるという意識を強く持って……。
おお!
上手くいった!
ちゃんと魔法少女の衣装になってる!
アホ毛だってある!!
「な、なんだそれ……」
「えへっ、エステレラだよ☆」
ピースサインを目元にピシッとあててっと!
うん、決まった。
上出来だね……。
我ながら感無量だ。
今すごくどきどきしてるけど、学園長の魔法じゃないはず……!
「いや、えへっじゃなくて」
あ、あれ、エレナは明らかに戸惑っている。
そ、そんなに変だったかな……?
結構頑張って考えたんだけども……。
「おかしいかな? あたしが昔居た世界にも魔法少女は居て、その子らはみんな変身する時はこうやって台詞を言ってたから、あたしもやってみようって思って……」
やっぱ魔法少女で変身といえば、変身シーン突入前の台詞だよ。
いつもみたいにうーんうーん唸りながら変身するんじゃ、格好悪いんだもの。
折角可愛い衣装着れるわけだし、やっぱぴしっと決めたいじゃん……?
「ほおほお。俺も考えてみるかー」
「うんうん!」
意外と乗り気だった!
よかった……。
これでうわぁみたいになったら、折角考えたのにー!ってなっちゃうからね。
「じゃあ壁を触ってみるね」
「ああ、なるべく満遍なくだな」
無事変身出来たのは良しとして。
壁を触るってどういう意味だろ。
よく分からないけども、何かあるのかな……。
そう思っていた時。




