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20-6

セフィリア視点。

 ゆきが異世界転生をする少し前。

 MA学園が魔法少女志望者を募集していた頃の話。


 セフィリアの父、司祭の私室にて。


「MA学園長の動向が気になるので調査して欲しい」

 この世界は闇に覆われようとしている。

 その闇を打ち払えるのは、特定の年齢の少女の魔法のみ。

 だから闇と戦える少女、つまり魔法少女を育成するために国は専門の教育機関を興した。

 それはこの世界で生きている人なら誰でも知っているあたりまえの現実。


 そこの学園長は聡明な方で、魔法少女の育成にも一定数の成果をあげている。

 決して、司祭であるお父様が気にするような人ではない。


 だから、そうお父様から聞いた時、正直私は驚きました。


「気になるというのはどういう事でしょう?」

「年頃の少女は魔法少女として認められた時、本当の名前を捨てて魔法少女の名前として以降の生涯を過ごす」

「はい。おっしゃる通りです」

「起源はいろいろあるようだが……、本来の目的は普通の少女としての安寧な日々との決別、魔法少女としての自覚を強く持たせる事が目的という話。だが……」

 見た目は可憐で華やかですが、魔法少女の大半は闇との戦いで命を落とす。

 だから魔法少女は名前や過去を捨て、未練を残さないようにする……。

 これもみんなが知っている事実。


「そうである必要は本当にあるのかと思ってな。別に名乗っても良いではないか」

 そんな当たり前をお父様は否定した。

 私は驚きよりも、どうしてそういう事を言われるのかが気になった。


「それを国の会議にて提言したのだが」

「断られたのです?」

「議論にすらあがらなかった。完全に無視だ」

「はいかいいえか、それすらも貰えなかったと?」

「そうだ」

 そして国の対応も不審だった。

 答えもしない、議論にもならない。

 当たり前すぎて、今更論ずる必要がない……とも捉えられるけれど。


「そういう経緯で、調査を命じたのですか?」

「そうだ」

「わかりました。MA学園へ魔法少女候補として入り、学園長の動向を調べます」

「頼んだぞ」

 この国の誰もが当たり前と思っている現実を確認する。

 私に出来るのかしら……。

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