15-5
ふたりは観客席から中央の広間へ向かっていく。
「…………」
「…………」
うーん、エレナもミカエルも無言だ。
エレナはウィーンとは因縁があるけど、ミカエルとは直接ないからねえ。
ずっと”あいつはやべえ”って言ってたし。
確かにやべえんだけども。
「それでは始めてください」
ミカエルの魔法力は見る必要ないけども、今のエレナの魔法力は……。
ミカエル:570000。
エレナ:63000。
ミカエルが魔法力お化けなのは分かってたけど。
酷い差だなぁ、圧倒的すぎるよ。
「ちっ……、やっぱあいつにはめられたか」
エレナが何かぶつぶついってる。
そりゃ、魔法力が10倍以上差もあればそうなるよね……。
「たとえ魔法力がいくつであっても、わたくしは手加減いたしません」
「そうだな。かかってこいよ」
いつものエレナだ、良かった緊張していたわけじゃなかったんだね。
あんな戦力差あるのに、かかってこいとか強気でかっこいいなぁ。
さすがのミカエルも、これは攻めるしかないよね。
「…………」
「…………」
あ、あれ?
ふたりともじっと相手を見たままだ。
「…………」
「…………」
学園長、開始の合図したよね?
どうしちゃったんだろ?
「どうした? 来ないのか?」
「ひとつ、うかがってもよろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「実地試験から現在までに、何かありましたか?」
「何かってなんだよ」
「例えば……、魔法力の強化とか」
ミカエルは明らかに警戒している。
いったい、何を気にしているんだろ。
「さあな、魔法力6万ぽっちだから違うんじゃないか?」
「……それもそうですね。失礼しました」
「気にすんな」
「では参ります」
「おう!」
前にセフィリアは魔法力が全てじゃないって言ってた。
でも、10倍以上も違う相手とどう戦えばいいのやら……。
エレナ、怪我だけはしないようにね……。




