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栄誉への執着

※一丈=十尺:約3メートル  固有名詞:翠虎すいこ 

――グラン=アーグランドは父を尊敬していた。

王国最強のクリシュタンド、その軍団長。

英雄の腹心の一人として数多の戦場をくぐり抜けた父は誰より勇壮で、まさに戦士と言うべき存在であった。


『遅い! 敵がお前の無様を笑って待ってくれると思うのか!!』

『っ、すみません、父上』

『謝るな、謝るくらいならば槍を向けてこい!!』


訓練は過酷であった。

けれどその厳しさはいつか戦場に出た際の自分を思ってのこと。

そう思えばこそ努力した。


来る日も来る日も剣と槍を。

書物を開いて戦術を学ぶ。

コルキス=アーグランドの長男として、恥じる事なき自分になるために。


体格には恵まれなかったものの、それでも優秀さを求めた。

技を磨き、知識を溜め込む。

父にいつか勝つため、認められるために。


『……次の戦場にお前を連れて行こうと思う。お前の母はまだ早いと言うが、俺はお前より若い頃には戦場に出ていた。その頃の俺と比べてもお前は頭も回るし、能力を考えても十分と俺は思う。どうだ? 決めるのはお前に任せる』


だからこそそうして、尊敬する父に認められたことは何より嬉しかった。

反対する母を説き伏せ、グランはそうして戦場に出る。


恐れはなかった。

自分はアーグランドの後継者。

それに見合うだけの努力を行ない、そうなるだけの力を付けていた。


手に入れるべきは機会。

そしてそこに生じる栄誉だけ――けれど、グランは戦場の空気に呑まれた。


それは西にあるエルデラント王国との戦。

アウルゴルン=ヒルキントスへの増援としてクリシュタンドが西に向かった時のこと。

地形は深い森で――言い訳をするならば、悪いことが続きすぎた。


父の第二軍団、第四大隊長副官。

そういう立場で戦場に出たグランはそこでまずまずの成果を挙げた。

その能力を認められたグランはその後、兵500による別働隊を任され森を進む。

敵右翼を迂回、側背面への奇襲を掛け、本体による右翼突破を援護するという目的を持った特別攻撃部隊であった。

責任は大きく、けれど、そこで得られる栄誉は他の役目の比ではない。

グランは念入りに準備を重ねた。

ただ、父に認められるために。


――出発したその日は豪雨。

グランはそれまで培った知識を総動員しながら、敵の歩哨を排除し、視界の悪い状況で前へと進む。

道を誤る危険性はあったが、雨で音は掻き消され、視界の悪さは敵も同じ。

多少大回りではあったが側面へと辿り着き、途中までは順調であった。

このまま更に進み背後を狙うか、それともこのまま側面からの奇襲を掛けるか――それは、そう考えていた小休止のこと。


隊を襲ったのは翠虎――魔獣であった。


人の胴を鎧ごと食い千切る顎。革鎧を引き裂き、骨を容易にへし折る爪。

その肩高は人の背丈を優に超え、体長は二丈あまり。

強靱な体は魔力を纏って強化され、単なる虎の如きとは次元の違う存在であった。

木々をへし折り縦横無尽に跳び回り、頭上から鎧ごと兵の命を容易く奪う。

その黒と翠の体毛は、針金のように斬撃を防ぐ。


人間に多量の魔力を有する魔力保有者がいるように、彼等は魔力を帯びて変質した虎。

元々持つその肉体の能力に加え、人と比べて尚強大な魔力。

それを吐き出すようにしながら生じさせる力とバネは人間の比ではない。


――当然のように隊は混乱に陥った。

相手が翠虎であると知らされたのは、数十の兵が殺された後。

あっという間の出来事であった。


その森に翠虎が出るという噂がないではなかったが、しかし、個体数の少ない魔獣と遭遇するのは極めて稀なことだ。

まさかその最悪のタイミングで現れるなど不運でしかない。


豪雨という最悪の視界の中、グランは決断を迫られた。

襲われている百人隊を見捨て、当初の目的を果たすか。

それともまずはその百人隊を助けることを優先するか。


そうして選んだのは後者。

グランは兵を見捨てることをよしとせず、翠虎を狩るために動くことを決めた。

一筋縄ではいかぬ相手、視界最低の状態でグランは統制を立て直す。


だがそこに現れたのは同じく翼面迂回を考えていたらしい、敵の別働隊。

グランはその瞬間完全な失敗を悟り、生き残りの回収を行なっての撤退を決める。


本隊へ翠虎を連れて行くことは出来ず、その場から離れることを優先し。

丸一日を森で彷徨い、翠虎の襲撃はその後二度。

三度目の襲撃で追い払うことに成功したが、最終的に死傷者は二百名近く。

五十名ほどは途中ではぐれる結果となり、そのまま敵の捕虜となっていた。


本隊にグランの援護はなく、右翼突破は当然力押しにならざるを得ず。

コルキスは強引にそれを成功させながらも、帰ってきたグランには怒りを露わにした。

敵の別働隊――グランが部下の報告より判断した敵は別働隊などではなく、単なる偵察小隊。

混乱の最中、兵が誤認したのだ。

グランの率いていた隊ならば当然撃滅し、突破が出来る相手であった。


『混乱による敵兵力の誤認だと? 豪雨で視界が悪くて、が言い訳か』

『……申し訳ありません、父上』


理由はどうあれ、結果としては戦果もなく。

グランは翠虎を討つ事も出来ず、無用な被害を出して逃げ回ることとなっただけ。


『は、申し訳ありませんか。十分な言い訳を口にしていると俺は思うが』

『父――』

『黙れ。……お前がやったことは熟練の兵を無駄に死なせ、その上翠虎から尻尾を巻いて逃げだした。以上だな? その上で全てが終わってから戻ってきたと?』

『い、いえ、しかし――』

『黙れ!!』


――父は吠えるように叫んだ。


『お前の口からは言い訳しか出ないのか!! お前はその惰弱さによって、目的のために兵を切り捨てることも出来ず、いたずらに被害を増やして逃げ回ることしかできなかったのだ!』


翠虎を討ち、奇襲を果たすという最上の結果。

兵を切り捨て目的を果たすという次点。

逃げながらも本隊への襲撃がないよう翠虎を討つのは最低限。

コルキスはグランが何一つ成し遂げることができなかったことに激怒した。


援護のない正面からの突破によって、多くの兵を失ったコルキスが苛立っていたのもあるだろう。


『……見損なったぞグラン。お前なら出来ると信じ、任せたが……お前を連れてきたのは間違いだった』


吐き捨てるように告げられた言葉。

その時、グランは父から見放されたのだ――そう感じた。


グランが討伐し損ねた翠虎は、その後コルキスが自ら狩った。

負傷者は十数名、しかしいずれも軽傷で、死亡者もなく。

グランには結果だけを示し、父は何も言わず。


――前線指揮はグランに荷が重い。

コルキスはそのようにボーガンへ告げ、グランはそれからボーガンの伝令として働くこととなったが、意味はわかった。

自分の跡を継ぐには不適格だと、暗にそう示したのだ。


『――どうにも臆病なのがいけない。クリシェ様はなんでも、賊を十数人、容易く斬り殺したという話ではないですか』


そして比べられるのは天才というべきクリシェと、


『セレネ様とクリシェ様は見事な山中浸透を成功させた上、副将とその補佐を討ち、将軍補佐を生け捕りだ。……お前はいつまでそうしている気だ』


若くして頭角を現し始めた令嬢セレネ。

二人とグランを比べるように、コルキスは言う。


『将軍が考えておられる参謀部――近々お前にはそこへ行ってもらおうと思う。どうあれ、お前は頭が回る。将軍の求める人材としては』

『っ、父上、今一度私に機会を。……次の戦場があれば必ず――』

『……やめろ。考えた末の決断だ。お前は兵と共に槍を振るうよりそちらの方が向いている。不服があるならそこで成果を挙げ、結果で示せ』


あの失態から今まで以上に血の滲むような努力をした。

寝る間を惜しんで槍を振るい、剣を振るい。

けれど、その言葉はそんなグランへの諦めであった。


――グラン=アーグランドは父を尊敬していた。

そしてコルキス=アーグランドの後継者として、恥じる事なき息子であるために自分は。


『グラン、夜分にすまないが話がある』

『……カルデラ副官?』


サルヴァに話を持ちかけられたのは、そんな折りだった。








「――追撃の許可を。今ならば」

「無意味だ。当然敵はそれに対し構えてある」


グランの言葉を一蹴しながら、偽装した伝令の鎧を脱ぎ、ギルダンスタインは天幕の上座へ腰を降ろす。

夜――クリシュタンド軍はこの場から後退する構えを見せた。


「こちらの兵は質で劣る。寄せ集めだからな。太陽が出ていれば兵の数で誤魔化せても、夜の戦いとなればその差が顕著に出るだろう」

「しかしみすみす――」

「グラン、やめたまえ。並の敵ならまだしも、クリシュタンド軍相手に追撃は難しい。どれほどの数の敵を偽装退却で罠にはめてきたか、お前が知らぬわけではあるまい」


サルヴァが口を挟む。

今日の戦いは敵に押された。兵達の士気は高くない。

疲労し、士気の落ちた兵での追撃――相手が並の相手ならともかく、クリシュタンド軍を相手にはあまりにリスクが大きい。


増援としてきた5000単体であれば動かせないこともない。

それならば敵の尻に食らいつくことはできるかもしれないが、この軍団は切り札であった。

勝利を決するための札をここで切る意味は無い。


「少し落ち着け。冷静さを失うな」


サルヴァはグランを見た。

グランは優秀ではある。軍団一つを任せたのはコルキスに対する餌としてだけではなく、十分な力量を持っていると考えたためだ。

しかし彼はまだ若く、精神的に未熟な面が多く残されていた。


「敵が想定よりも強かった、それだけのこと。切り替えるんだ」

「……は」


援軍を知ったクリシュタンドが攻めに出ることを読み、今日はコルキスを誘い首を獲るため、グランが前々から練り上げていた策を使用した。

わざと守備に穴を開け、誘い込み始末する機動防御。

だがそれは敵に気付かれ失敗に終わり、グランはその失敗を取り返すことに必死なのだろう。


グランが悪いわけではない。敵が一枚上手だっただけだ。

他の軍が相手であったならば十分な成果を挙げていたに違いなく、偽装はサルヴァから見ても悪くなく、成功の見込みは十分にあった。

タイミング一つで成功していた可能性もある。

こうして失敗を重く受け止め過ぎることは、若者によくあることだった。


黒豆茶に口付け、サルヴァは考え込むように目を閉じた。


「殿下、誘いと考えますか?」

「……いや。このタイミングでの後退――場はあちらの優勢にも関わらず。時間稼ぎだ。もしや本命がこちらと悟られたか」

「ありえぬ話ではありませんな」

「それにしても思い切りが良い……ボーガンの娘も中々悪くないな」


ギルダンスタインは美貌を歪めて笑った。

その黄金の髪を後ろに掻き上げる。


「お前にグラン、元副官と息子が相手だ。アーグランドとメルキコスは鼻息を荒くして戦うことを望んだと思うが」


はじめから全て、考えられていたことだった。

サルヴァとグランをここに配した理由はそこにある。

第二軍団長コルキスと第三軍団長テリウスという、クリシュタンド軍の誇る二人の軍団長。

彼等から冷静さを奪い、決戦へと思考を促させる。


セレネは優秀と言われてはいるが、将軍となり日が浅く、そして15とあまりに若い。

熟練の軍団長を前に主体性を持つことなど出来はしない。

自然逃げることをよしとしない二人に流される形となり、明日は朝から真正面からのぶつかり合いを選択する。

こちらの増援は選び抜かれた精鋭を集めた5000の軍団。

持ちうる限り全ての札を切った軍団を率い、明日には戦も終わり。


そういう流れであったのだが、しかしここに来て予定が狂う。

セレネの後退は予想外であった。


「俺がこちらにいるとは思っていないはずだが……」


ギルダンスタインがこちらにいるという情報を手に入れているはずもない。

伝令の遮断には今回いつも以上に力を入れている。

向こうの伝令は大幅な迂回を余儀なくされ――顔見せを行なったことすら情報として届いているかというところ。


「……やはり完全な後退ではないな。距離を開き、正面衝突の時間を稼ぎたいだけだ」


敵はギルダンスタインが南にいると考えている。

こちらが本命である可能性を考慮して、距離を開くだけだ。


完全な後退をしてしまえば南で徹底的な遅滞戦術が行なわれ、この軍に後方を荒らされるとクリシュタンド軍は認識する。

ここにあるクリシュタンド軍の本来の目的――こちらの迂回を阻止し、後方攪乱を防ぐという役割は捨てきれない。


「時間を稼がれるのは厄介だ。明日は夜が明ける前に動くぞ」

「は。明日はどう攻めるおつもりで?」

「どの軍団を落とすかで考えれば、一番厄介なのは中央に布陣していたファレンの爺だ。もう棺桶に片足を突っ込んでいるような爺だが、戦場で首は易々と渡してはくれんだろう。同じ布陣で来るなら両翼の支援もある、これは除外だ。……その点アーグランドは前に出てくれる分仕留めやすいが――」


グランが反応するが、ギルダンスタインは苦笑するだけだった。


「とはいえ、あれの兵はアーグランドを仕留めても中々砕けはしまい。むしろ、士気を高めて面倒になる可能性も高い。消去法だな」

「では――」

「第三軍団、メルキコスを殺る。グラン、父親はお前に任せてやろう」


グランはその言葉に息を呑み、そして敬礼する。


「俺としては、忌み子が来る前に始末を終えたい。怪物だ化け物だと、そう称される実力者はそれなりに心当たりがあるがあれは文字通りの化け物だからな」


呆れたように両手を広げ、グランを見た。


「今回は防御を考えず、予備も残さず、俺はただ第三軍団の突破に全力を尽くす。第二軍団には独力で当たれ。トーバル、ギスカ、お前達もだ」


左翼のもう一人と、中央の軍団長もその声に敬礼する。


「この戦いはシンプルだ。俺の首が落ちるか、俺が敵の姫を攫うかのどちらか一つ。お前達は敵戦力を貼り付けにするだけでいい。ナキルス、楽しいだろう?」

「はは、確かに」


長身のギルダンスタイン、大柄なコルキスすら上回る七尺の体躯。

丸太のような腕と巌のような顔。

髭を雑に伸ばした姿は野盗か何か――ナキルス=フェリザーはそのような男であった。


「しかし、確かにあれの相手はしたくないものですな。あのウォルター=ザーガンですら時間稼ぎにもならなんだ」

「手痛い損失だ」


竜の顎――崖を駆け上がってきたクリシェの奇襲。

あの場にあったのは名のある百人隊長含め、大隊長、軍団長までの高級士官が揃っていた。

ボーガンを仕留める際に失った十人ほど――これに関しては成果に対する仕方ない損耗と考えたが、クリシェに殺されたものに関してはやはり惜しいものがある。


あの場で最も信頼を置いていたのはウォルターであった。

ザイン式剣術の継承者で、王家の剣術指南役。

一剣士として出世を求めぬ気質であるために軍団長という地位に留まってはいたが、将軍として不足ない実力者であった。

この場にいたならばより安心を持てただろう。


とはいえ、ものは考えよう。

そのウォルターがあれほどまで容易く殺されたからこそ、ギルダンスタインは咄嗟にクリシェの実力を理解し、後ろへ跳ぶことが出来た。

それを考えればやはり仕方の無い犠牲とも言える。


「まぁ、終わったことを悔いても仕方ない。時間は前にしか流れぬものだ」


ギルダンスタインは言って、見渡す。


「日が天頂から傾く前に、全てを終わらせる。そのつもりで掛かれ」







――クリシュタンドはキールザランを越えるように、西へと進路を取った。

ギルダンスタインの読み通り、彼等は距離を開いただけ。

進んだのは西へ四十里ほどで、追いつくことは難しくなかった。


クリシュタンドはその場に陣を構えて動かず、それ以上の距離を取ることもなかったからだ。

様々な可能性を考慮した限界が四十里という距離であったのだろう。

半日の距離を離しながらもそれ以上は動かず。


グランは敵陣を目にしながら、その指揮者の顔を思い浮かべる。

金の髪――美しき令嬢。

セレネ=クリシュタンドは生まれながらに全てを持ち合わせていた。


美貌、家柄、才能――カリスマと言うべき口に出来ぬ何か。

年上を相手に一歩も退かず、戦術の勉強会では幼い頃から前に出た。

大人に混じって剣を取り、何度打ち倒されても涙を堪えて立ち上がる。

生まれに偉ぶることなく、驕ることなく。

女として甘えることなく、諦めることなく。

女でなければ――そんな声をはね除けて頭角を現わし、実力を見せつけ。

ただひたむきに将軍の後継者として努力し、それを周囲に認めさせた。


そんな彼女を誰もが称賛する。

グランもかつてはその一人。

けれどいつからか、前へと進み続ける彼女に暗い感情を覚えた。

自分も、あの失敗さえなければこうして――


立ち止まる自分と、進む彼女。

いつしかその差は、縮めることのできないほどのものになるのだろう。

単なる嫉妬だと理解しながらも、消えることはなくこの身を苛む。


そうして今、彼女は一軍を率い、将軍として目の前にあった。

クリシュタンド軍の士気は高い。

将軍セレネ=クリシュタンドは英雄の娘として――若き英雄として誰より兵から慕われているからだ。


父を失ってなおこうして剣を取り、戦場に堂々と姿を現わす心の強さは15の少女のそれではなく、だからこそ兵は彼女を尊敬するのだろう。

父を失った悲劇のヒロイン。

それでいながら立ち上がる姿。

兵達が好む英雄譚がそこにあり、その物語を兵達は尊ぶ。

運命が彼女を導くように、そしてその流れに人心を飲み込む。


――そしてそんな物語は未来永劫、裏切り者の自分を導くことはないのだろう。

グランはそれを理解し、目を閉じる。


「軍団長、配置が整いました」

「わかった。……敵は突破を考える。そこが狙い目だ」


今の自分は、裏切り者の軍団長。

かつて自分の足元にあった少女は見上げるまでになり、差は明確であった。

とはいえ、このままでは終われない。

裏切り者――その言葉をねじ伏せる成果と力が必要であった。


自分ならばやれる。

やってみせるとグランは拳を握り、視線を敵陣中央から、正面に。

虎を象るアーグランドの紋章。

父の旗が、そこに見えた。


コルキスの戦術は、誰よりグランが知っている。

その強さも弱点も、何もかも。ずっと、その全てに憧れてきた。

だからこそ、父に刃を突き立てて――そうして全てが始まるのだ。

自分の中で止まっていた、全てが。


「動くのは敵が十分に踏み込んでから。合図を待てと皆に伝えろ」

「は」


――これは、遅くなってしまった最初の一歩だった。


「騎兵隊、私が先頭を行く。動き出せば私の後ろに続け。……勝利はその道の先にある」


自分に失われた栄誉を、再び掴むための。


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作者X(旧Twitter)

  2024年11月20日、第二巻発売決定! 
表紙絵
― 新着の感想 ―
[気になる点] 軍に忍者っぽい役の人材はいないのかな? 諜報員? [一言] まあ、裏切り者は上手くやったとしても要職は任せられないけどな。
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