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「美醜逆転世界でモテてます」

カナコ、いよいよ王城へ!

渡り人として王に謁見し、“聖女”の適性を調べられることに。

夢の中の女神様の言葉は本当だったのか……?

ちょっと強烈な王子様との出会いにも注目です(笑)


謁見の間では、王様をはじめ、宰相っぽい人や貴族らしい人たちが、驚きに満ちた表情で私を見つめていた。

……もしかして、私の美貌に見惚れてる?(笑)


ちょっとふざけた思考を巡らせながら、私は王様の第一声を待った。


しばらく呆けていた王様は、隣の王妃様に咳払いされてハッと我に返り、ようやく言葉を紡いだ。

威厳のある声が、謁見の間に響く。


「面をあげよ。そなたを保護したアースファルトより、渡り人であるとの報告を受けておる。

そこで、ここにいる魔法師により、“聖女”の適性を受けてもらう。よいか?」


たしか、夢の中で女神様が「あなたは聖女の器」って言ってたけど、

あれって本当だったのかな? まあここは黙って適性検査を受けてみよう。


「はい、承知しました」と私は答え、魔法師が差し出した水晶に、指示通りそっと手を当てる。


すると――

水晶が眩しいほどの光を放ち、謁見の間全体を明るく照らした。


「おおぉ……!」

どよめく声があちこちから上がる中、魔法師がやや興奮気味に口を開いた。


「これは……凄まじい! 歴代聖女様の中でも、最も強い適性をお持ちと見受けられます。

あなた様こそ、まさしく真の聖女様です!」


(……やっぱりか)

私はどこか冷静にそう思っていた。


するとそのとき――

今まで黙っていた王子様が、ずいっと前に出て、私の目の前で跪いた。


「なんと美しい聖女様でしょう……! 私は今まで、あなたのような方に出会ったことがありません」

「私はキルファン・フォードアリステリアと申します。どうか、“キル”とお呼びください」

「私にはすでに婚約者がおりますが――お望みとあらば、すぐに婚約を破棄いたします。どうかあなたを、私のそばに……!」


グイグイくるなぁ……。

婚約者いるのに他の女を口説くとか、ないわーーー。


その瞬間、王様がバシッと制止に入った。


「おい、キルファン、やめんか! 聖女様には、まずこの国の現状を伝え、

救っていただくという話をするのが先だろう。……婚約破棄など、何を言っとる!」


王子様――キルファンは、舌打ちをしてしぶしぶ私から離れた。


(うわ~……性格悪そう。ああいうの、一番ムリなタイプ)

そう思いながら、私は静かに、王様の続きを待った――。



---


聖女認定されてしまったカナコ。

予想外な王子様のグイグイアプローチにドン引きしつつ、王様から語られる「この国の危機」と「聖女の使命」とは――?

次回もお楽しみに!

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