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番外編②『天使様、帰省します。〜異世界男子を引き連れて〜』

【番外編・現代編スタート!】

完結した本編のその後。

女神ルミエールの「帰れますわよ」の一言で、カナコがまさかの“日本一時帰国”!?

騎士団長、魔王、胃痛書記官も一緒に現代へ――!?


異世界男子×現代女子の逆輸入日常を、どうぞお楽しみください♪


「え? 帰れるって……どこに?」


「ご実家、ですわよ?」

あまりに軽やかに、女神ルミエールが言った。


「そ、それって……日本、ですよね?」


「ええ。あなたが元いた世界。ちゃんと記録しておきましたから、数日なら行ってもいいですわ。ついでに冷蔵庫の中、確認しておきます?」


「……何そのサービス精神」

私は思わず、両手で顔を覆った。



---


そんなこんなで、“一時帰国”が決定した。

が、なぜか――いや、当然のように、彼らもついてきた。


「彼女が行くのなら、僕が同行するのは当然だよ」

さらりと、魔王・ヴィルゼルが言う。

漆黒のマントを翻しながら、いつの間にか現代用の黒ジャケットを着ている。


「主。人間界には、Wi-Fiという魔力干渉物があります。ご注意を」

冷静に補足するセレヴィスの手には、常備用胃薬と手帳。


「いや、騎士団としては護衛任務ですから!」

と真面目に言うアースファルトだが、なぜかネクタイが逆さだ。


「……お願い、誰か止めて」

私はすでに頭痛を感じていた。



---


数時間後。自宅、玄関前。


「お、お母さん……ただいま……」


「カナコォォ!!よかった、生きてたのね!」

母が涙目で抱きついてくる。その背後では父が固まっていた。


「で、誰!?このモデルみたいな人たちは!?」


「あー……その……異世界から来た、騎士団長と魔王と書記官です」


「……そういうの、昔読んだ少女漫画で見たことあるけど……え、本気?」


ヴィルゼルが一歩前に出て、深々と頭を下げた。


「僕はヴィルゼル。魔王だよ。彼女の安全が最優先でね」


「セレヴィスと申します。非常識な世界に、非常識な存在がお邪魔いたします」


「アースファルトです。お義父さん、お義母さん、大切な方をお借りしています!」


「まだ誰も貸してない!!」

私は勢いよくツッコんだ。



---


次の日、高校時代の友達と駅前で待ち合わせた私は、すぐに後悔することになる。


「ちょっ……カナコ、後ろのイケメン軍団何!?」「王子か!?」「マネキンか!?」「ちょっと握手させて!!」


「……お願い、誰か正気に戻って……」


ヴィルゼルが私に近づいて、ふと囁いた。


「カナコ。君の世界の“制服”って、なかなか面白いね。……この格好、似合ってるかい?」


「……お願いだから、黙っててヴィルゼル」


「ん。じゃあ、もう少し近づいてもいいかい?」


「絶対ダメ!!!」


背後でセレヴィスがため息をついて、アースファルトが何かを警戒するようにカナコの肩に手を伸ばし――

「いったい、私の平穏はいつ戻るの……!?」



ご覧いただきありがとうございます!

「完結後も続きを読みたい」と思ってくださった方へ、ささやかなお返しのつもりで書きました。

本編とは違うゆるっとした日常ギャグを楽しんでもらえたら嬉しいです✨

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