『命を懸けて守るって、もうそれ…愛の告白じゃん!?』
今回はアースファルトさんがついに……!命がけの守り、そしてまさかの愛の告白!?
さらにヴィルゼルのライバル宣言もあり、三角関係が加速してきました!
私が自分の攻撃にあたふたしていると、気を失っていたアースファルトさんが目を覚ました。
「聖女様……っ、ご無事ですか?」
自分の方がボロボロなのに、なおも私の心配をしてくれるアースファルトさん。その姿に、思わず涙があふれた。
「私は大丈夫です! それよりアースファルトさんの方が――」
するとアースファルトさんは、真っすぐに私を見つめながら言った。
「あなたがご無事なら、それでいいのです。私は、あなたのためなら死ねます」
青い瞳で、はっきりと伝えられたその言葉。
こんな状況なのに、顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。
……え、えええ!? これ、もう告白じゃん!?
アースファルトさん、もしかして私のこと……。
するとその時、後ろから割って入るように声がした。
「そこまでにしてもらおうか? ……妬けるなぁ。カナコにそんなふうに想ってもらえるなんてさ」
ヴィルゼルだ。
「一応、名前を聞いとこうか。お前の名は?」
アースファルトさんはきっぱりと言い切る。
「私はアースファルト。聖女様の護衛騎士だ。この命を懸けてでも、彼女を守る」
はぁ〜〜カッコいいっっ!
顔がどうとかじゃなくて、こういう性格、ほんと惚れる!!
なんて考えていたら、ヴィルゼルが私を見てニヤリと笑った。
「覚えておこう。今日は一度引くとしよう。傷の手当てもしたいしね。でも、勘違いしないでくれよ? 諦めたわけじゃない。カナコ、また会おう。……あのときの続きを、しよう」
……あのときって……キ、キスのことぉ!?
そう思った瞬間、ヴィルゼルは黒い羽を広げ、空へと舞い上がっていった。
「おおっ、なんという醜い魔族だ……」
「まさかあれほどの力とは。城壁なんて意味がないではないか!」
「とにかく、聖女様を守らねば!」
周囲からそんな声が聞こえてくるけど――え?
アースファルトさん、こんなにボロボロなのに称賛も心配もないの!? それどころか誰も手を貸そうとしないなんて……許せない!
「みなさん、落ち着いてください! まずは怪我人の手当てを! 特にアースファルトさんが大怪我をしています、至急お願いします!」
私はそう言って、兵たちに呼びかけた。
……ちなみに王子様はというと、城の片隅でブルブル震えてた。
……頼りねーーー!!!
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読んでくださってありがとうございます!
アースファルトさん派とヴィルゼル派、分かれそうですが……どっちも魅力的に書いていけたらと思っています。
次回もぜひ楽しみにしててください!




