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日刊ランキング7位ありがとうございました。

「「ぺろ、ぺろ」」

 ん、なんだ? 舐められている? ん、誰に⁉︎

 微妙に意識が覚醒し、ガバッと起き上がる。

 見るとリンカとライカだった。よかった、誰かに頬を舐められているのかとびっくりしたわ。

 起こしてくれたリンカとライカを抱きしめ、頬をすりすり。朝から幸せを感じながら準備をしていく。


 朝練のダンジョンで大部屋に着くまでに出る鴉は翼だけを狙い、落ちたところをリンカとライカに戦わせた。

 リンカは火をライカは雷を身体に纏わせ、引っ掻いたり、噛み付いたり、体当たりして倒していく。現実だと鴉に子猫は食べられてしまうこともあるけどこの調子なら大丈夫そうかな? そう思ったときに気を抜いて鴉に連れ去られるリンカの映像が頭に浮かんだ。うん、クオンに護衛役を頼んでおくか。


 昨日受けた激痛の甲斐があったようだ。白刃の言ったことは本当だった。武器顕現で現れた刀には本物らしい引き込むような妖しい魅力があった。刀匠と呼ばれる方たちの作った刀ではない、そういう美しさ、力強さ、魅力ではない。ただ、刀という形、機能を最低限果たしているという程度の物だ。だが、俺の刀であり文字通り分身。これからの戦闘でお互いに成長の余地を多く残す、そういったところに感じる魅力、心惹かれない訳がない。

 いつまでも見ていたいという気持ちになり、しばらく見ていた。魔力を流すと火の力を感じる。

 頼んだぞ相棒! そう心で念じると火の勢いが強くなった気がした。


 クオンに見守られながら鴉と戦っていたリンカとライカが息を荒くしながらこちらにもどってきたのを抱きとめて宿に帰る。

 その道中でクオンの話を聞くとやはり連れ去られそうになったリンカを救出したらしい。相当慌てたようで興奮しながら教えてくれた。


 宿で朝ご飯を食べようとしてリンカとライカの分をどうしようか、アイテムボックスの物でもあげようかと考えていたらミカちゃんが輝くような笑顔で頼んでいなかった物も運んできた。

「はーい、猫ちゃんたちご飯ですよ!」

 とリンカとライカの前に置いていく。なるほど餌付けか。この娘もなかなか策士だな、リンカとライカには愛想よくしてあげてと頼んでおこう。


 食事も終わり、いつもならダンジョンに行くのだが鍛冶屋に頼んだミオの聖銀のクナイができている頃だから取りに行こう。ミスリルのバスタードソードについても話したいこともあるし。

 鍛冶屋に着くまでに何度か挨拶をされた。微妙に有名になりつつあるのかもしれないな、クオンたちが。


 店に入ると店員さんが懐刀の追加ですか? なんて聞いてくる。やはりコイツは殴ってもいいと思う。

 そんな一幕もありながら引換券を渡し、聖銀のクナイを受け取る。

「ミオ使いやすさとか文句があったら今のうちだぞ」

 と言って渡すも、数度振って確かめ腰に差した。特に問題なしか。


「すまないがバスタードソードのことで聞きたいことがあるから親方を呼んでくれないか?」

 頼むと凄く嫌そうな顔をされた、いやなんで?

 それでも頼むと嫌々ながら呼びに行ってくれた。

「オメェがアタイの作った剣に文句があるってぇ若造かい?」

 しばらく待つとそんな言葉とともにロリっ子が現れた。

「お兄さん、なんで幼女連れて来てんの?」

 と言うとハンマーが飛んできた。ミオが楽々キャッチ、ありがとう!

「オメェぶっ殺すぞ!」

「あぁだから嫌だったんだよぉ〜」

 なるほどよくわからん。



『鑑定』


 名前 ドロテア

 種族 ドワーフ♀ Lv39


 なるほどクオンと同じく合法ロリか。

「非礼を申し訳ない。ドワーフの方でしたか、私はユー。実はここで買ったミスリルのバスタードソードに最近違和感のようなものを感じるのです」

 こちらが悪いし、ロリには強気に出られない。

「あん? 違和感? テメェちょっとそこで振ってみろ」

 よかった、話は聞いてもらえるようだ。

 いつものように心眼を使いながらできるところを微調整しつつ素振りを繰り返していく。

 ある程度振り、ドロテアの方を見るとなんだか面白そうな表情をしていた。

「テメェ、いやユーだったか。オメェさん素振りの度に少しずつ動きが良くなっていくのはどういうカラクリなんだ?」

 話していいのかわからなかったので具体的なスキルを言わずに答えた。

「なるほど動きを確認しつつか、じゃあ次だ、剣術スキルのレベルは?」

 さっきから個人情報ばっかりじゃね?

「アタイがここで聞いたことを外で話すと思ってんのかぃ? こちとら剣を打って25年、誇りを持ってんだ! んなこたぁしねぇよ!」

 ここも俺が悪い、反省。正直にレベルを伝えた。

「なるほど、てぇこたぁ違和感を感じるのは普通だ、普通」

 どういうことなの?

 詳しく聞くとスキルの段階は大体こうなっているのだとか。


 Ⅰ〜Ⅲ ひよっこ

 Ⅳ 一人前

 Ⅴ 熟練者

 Ⅵ  一流

 Ⅶ 超一流

 Ⅷ ◯聖や◯王 剣聖とか魔術王とか槍聖

 Ⅸ 属神

 X 神


 となっているようだ。ちなみに8が人類の最高到達点。そして大体5レベルからは自分用に剣を打ってもらうことが必要になってくるらしい。俺はその殻を破りそうになっていたから違和感を感じ、そのまま成長し違和感が高まっていたらしい。

 なるほどではせっかく買ったのにこのミスリルのバスタードソードとはお別れ?

「いや、いいものを見せてもらったからな、調整してやんぜ。どこにどう違和感を感じんのか細かに教えな」

 ということで細かく伝えた。

「少し待ってな」

 しばらく待つ。その間店員さんに愚痴を聞かされた。親方を呼べという人は結構いるらしく、その都度ケンカになっているらしい。しかもドワーフだとわかっても容姿で舐めた態度の者もいてさらに親方の怒りに火をつけるのだとか。うーん、俺が言えることは店員さん頑張れの一言だけだな。

 話を打ち切るともの悲しげな視線に晒されたが無視した。


「これでどうだい?」

 渡された剣を振る。うん、全く違う。俺の目ではどこがどうとはわからないのだが全く違う。

「ありがとうございます。全くの別物のような扱いやすさです」

 そう言うと笑って

「次からはオーダーメイドだ、金たんまり貯めてきな〜」

 と奥に戻っていった。


 そういえばと銃なんかは扱ってないのかと聞いてみる。

「どうせ私なんて……。え、銃ですか? 置いてませんよ、そんなの」

 銃はそんなの扱いなのか。

 詳しく聞いてみるとどうやら銃には攻撃の値が関係しないらしく、誰が使っても防御が50もある相手には弾かれてしまうようだ。

 だが弓は使っているパーティーをチラッとだが見たことあるぞ。

「遠距離武器に力の値が関係しない訳ではないんです。間違っているかもしれませんが、私たちは見えない力が関係していると考え、これに闘気と名付けました」

 これまた詳しく聞くと実験で、オリハルコンの鎧を着た低レベル者に木刀を持った攻撃300以上の者が斬りかかるということをしたそうだ。その結果、木刀には傷一つなくオリハルコンの鎧が凹むという実験結果を得たらしい。これにより握っている物は闘気によって包まれ、それが攻撃の値を引き出す。また身体全体を闘気は包んでおり、それが攻撃を阻む防御の値だと言うのだ。

 逆の実験をしようとしたが、いくら防御が高くてもオリハルコンの剣に斬られたくないということでそちらはできていないのだという。

 そして銃なのだが、闘気が銃弾に届かないもしくは包むことができないのでは、ということだった。弓や飛び道具などは攻撃の値が反映されるために使われ、銃は反映しないので廃れたようだ。


 魔法にもこの考え方があり、そちらは魔気と呼ぶらしいのだが、こちらは魔力の質によるものではないのかと議論が飛び交い、どちらとも言えないのが現状らしい。まあ知識が魔法攻撃力、精神が魔法防御力に関係しているのは両方で同じみたいだ。

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