82話 成長
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連合軍のトップの人達と楽しい会食をした俺達は、リューガの背に乗せてもらい、ルーデウスの南東に位置しトランスヴァールからは東側にある竜王国へと空を飛んで移動していた。
「リューちゃんは速いの~♪ 鳥さんより速いの~♪ いけいけビュンビュン~♪」
ナエはハイテンションで、リューちゃんは凄いぞソング(作詞、作曲ナエ)を大音量で歌いながら空の旅を楽しんでいる。
「ふふ。ナエちゃんはリューガさんが大好きですわね」
「歌うナエちゃんも可愛いらしいです」
お姉ちゃんズが言うとおり、天真爛漫な笑顔で、ツインテールを揺らしながら歌う、ナエは可愛い。特殊な性癖を持つ人は、KOだな。
ただ、魔法の練習と一緒に歌のレッスンも追加かな。
空の旅はこのように楽しく、微笑ましい雰囲気で進んでいく。
こうしてリューガに乗せてもらうのは初めてだけど、いいもんだな風をきってぐんぐんと飛んでいくのは。
気に入るのも分かる気がする。
自分で空を飛ぶのとは目線や、感覚も違うから乗っているだけでも楽しい。
竜王国へと向かう道中、リューガに色々と情報を聞いていた。
「竜王国は、どんな所なんですか?」
「ユグドラシル程ではないが、巨大な樹木が広がる樹海に街を作り、そこに暮らしている。人間族よりも人数は少ないが、それでも賑やかなものだ」
「ユグドラシルの警護もしていましたよね。前に聖樹教会のリアンヌさんに会いに行った時、見掛けました」
「そうだ。我等竜王族は、遥か昔からユグドラシルを護ってきた。あの聖樹は、このマギア・フロンティアにとっても、他の世界にとっても、大切な存在だからな」
ユグドラシル。
いつからあるのか分からない不思議な聖樹。
他の世界にも干渉しうる力を秘めていて、ハーディーンが狙っている対象。
「リアンヌさんも、いつ頃からユグドラシルが存在するのか、分からないと言っていました。ハーディーンが現れる前からあったみたいですが」
「竜王ならば、何か知っているかもしれないな。どのみちあれを破壊されぬように、守り抜かなくては」
ルーデウスを出てしばらく飛んでいると、中央大陸とトランスヴァールがある南大陸との間にある小さな島に、魔物が群れをなして一直線に進んでいるのが見えた。
「何でこんな所に魔物が大量にいるんだ?」
「四、五千程はいそうです。こんな所にどうしてこれだけの数が」
「この先には確か……ハーブ村があったはずですわ。もし村を襲うのが目的でしたら大変です」
眼に魔力を集めて遠くを見る。
「本当だ遠くに村が見える。魔物はそこへ真っ直ぐ向かっているみたいだ」
「お兄ちゃん、助けにいこう」
「ああ、リューガ。村の前に降ろしてください」
「分かった。村の前まで移動する」
リューガに村の前に降ろしてもらった。
ハーブ村からは、村人が何十人と出ていて魔物が来たことで、パニックになっている人、もう無理だと諦める人、迎え撃とうとする人で、慌てふためいていた。
俺達が空から降りてきた事で、戦士の様な武装した人が声をかけてきた。
「あんた達……空から降りてきたけど、何者だ?」
「事情は後で話します。今はあの魔物の大群を何とかしましょう。ここは俺達に任せてください」
「……あの魔物の数を見ただろう? この村は、もう無理だ。せめて少しでも被害を抑えられるならと、隊を構えたが……」
「大丈夫です俺達は強いですから。怪我しない様に下がっていてください。早く!」
真意を探ろうと暫く俺の眼を真っ直ぐに見てきた。
「……信じてもいいんだな?」
「はい。任せてください」
「分かった! 頼む! 皆、ここは俺を信じて後ろに下がれ!」
男の人は、後ろに下がり他の人も下げさせた。
「よーし。皆聞いていたと思うけど、やるぞ」
早速魔法を撃とうとすると、シズクが俺の前に出て手で制してきた。
「いいえ。ここはタクトさんも下がっていてください。まだドレアムと戦って、魔力が回復していないと思いますので」
「そうなの。あたし達に任せて。強くなったとこお兄ちゃんに見ててもらうの」
「タクトさん。ここは任せてくださいな」
皆に気を付かわれてしまった。
「ありがとう皆。それじゃあ頼むよ」
俺も後ろに下がり、戦況を観ることにした。
頭を上に向けると、リューガは上空からブレスを放ち魔物を倒していた。
「それでは、いきましょう。はあぁぁ!! 聖破斬!!」
既に破魔を解放していたシズクは、極大な斬撃を放った。
銀色の斬撃は、地面に深い切れ込みを刻みながら、触れた魔物を光の粒子に変えていく。
魔物を食い散らかしても尚、勢いが落ちない剣の軌跡は、遥か彼方まで続いていた。
「あたしもいくの! えーい! 氷リューちゃん!!」
これが、ジャギに対抗した力。
氷で出来たリューガは、魔物にダイブして触れた物全てを凍らせて砕いていく。
キチンと自分でコントロールできる範囲で、魔力操作をしている。
収束の魔力変換のスピードも、作り出す魔力の量も、以前とは比べ物にならない。
専用装備で強化されている部分もあるけど、ナエの成長が大きい。
「わたくしも二人に負けていられませんね。精霊の断罪と、フレイムクラッシュ!」
アルフィンは同時魔法行使により、魔物の防御力と魔法耐性を下げ、火属性の魔法まで扱ってみせた。
時間差はあるけど、デバフ魔法を二つと攻撃魔法をほぼ同時に使用した。これはもう少しで三つの魔法を同時に行使できるようになるな。
こうして三人を見ると、それぞれが物凄く強くなっている。
最前線での経験は、皆を更に成長させていた。
「……何ということだ……。あれだけの魔物の大群を……」
あれだけ大量にいた魔物は、ものの数分で全て消え失せた。
「素晴らしかったよ。皆お疲れ様」
戦いを終えた三人の元へと向かい、労いの言葉をかける。
「お兄ちゃん見ててくれた? あたし強くなったかな?」
「ああ、凄い成長してたぞ。魔力操作も更に段階が上がっていたね」
「やったの。褒められたの」
「シズクも、破魔も剣術も、磨きがかかっていたね」
「ありがとうございます。クラウドさんと話して、アドバイスを頂けたので、生かしてみました」
「流石だ吸収して活用するとは。アルフィンもお疲れ様。あと少しで三つの魔法を同時に扱えるようになりそうだね」
「はい。まだ成長できると思いますので頑張りますわ」
皆の成長は、頼もしい。
俺も、負けてられない頑張ろう。
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