36話 フロンティア商会と東風の旅団
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北東大陸に到着した俺達は、バラガン公国に近い場所にある浅瀬で船を降りた。
正規では、直接バラガン公国の港に船を着けた方がいいんだろうけど、この大陸は初めて来るから色々と見ておきたかった。
自分の足じゃないと、見つけられない事もあると思うから。
収納魔法で船を閉まい、道の先を見る。
「ここからは、歩きかな。船から見た感じバラガン公国まで1時間ってとこか」
「この先から街道が続いておりました。それと途中に綺麗なお花畑もありましたわね」
「お花畑いいなぁ。行ってもいい?」
「風も爽やかですし、歩くのに最適ですね。少し寄るくらいは大丈夫だと思います。ただ、魔物の気配もするので、用心して行きましょう」
シズクの言うとおり、この先に魔物の気配もあった。
「この気配は……中級と、上級もいるな。ナエの経験値稼ぎにも丁度いい。船での特訓の成果も見られるし」
「一応危ないので、ナエちゃんの防御力と速度を上げておきましょう。精霊の行進」
「わぁ! 体が軽くなったよ! あと腕とかも、かたくなったの! アルフィンお姉ちゃんありがとう!」
「ふふ。いいえ」
相変わらず鮮やかだな同時魔法行使。これでナエも安全に戦えるようになった。
万が一があってはいけないから俺はナエの近くにいよう。
浅瀬を離れ、街道を歩いていた。
ここまで5回戦闘をしたが、この辺は最前線が近いのも影響しているのか、魔物のエンカウント率と、平均レベルが高かった。
「こいつは、カイザーブル。レベルは……37か。ナエさっきよりも少し強いから気を付けろ」
「はいなの! んー! 火熊!!」
ナエが火属性の上級魔法を放った。
オリジナル魔法の熊の姿をした魔法が、魔物に向かっていく。
カイザーブルは、ナエを吹き飛ばそうと真正面から突進し、魔法にぶつかり、その状態で暫く均衡するが。
「んー!! 負けないのーー!!」
熊と牛の戦いは、熊に軍配が上がる。
魔物は光の粒子になって消えていった後、お決まりのレベルアップ音が鳴った。
ステータスオープン
ナエ・オサナギ
ガルカリ村の村民、魔王軍魔術師
レベル35
スキル 魔力操作(中~上)、魔力耐性(特)、遠距離魔法(中~上)、潜在魔力(高)
元々のナエの才能もあるが船での鍛練と、ここまでの戦闘で成長著しい。
魔法はまだ安定感はないが、上級魔法を使える様になってきている。
頑張ってたもんなぁ。努力は嘘つかないってね。
「よし、ナエお疲れ様。今の魔法は良かったぞ。あと少しで上級までの魔力操作は完全に習得出来るな」
「うん! まだまだ頑張るの!」
「鍛練は順調そうですね」
「ナエちゃんとても頑張っておりますから。ね?」
「順調に来ているからこのまま続けていこうか。もう少し上達したら、ワンランク上のメニューにしよう」
「うん! あっ! ……お花畑なの! お兄ちゃん達行こう!」
花畑を見つけ俺達の手を引っ張るナエ。
彩り鮮やかな何種類もの花が咲いている。
赤、白、青、ピンクに、黄色の綺麗なカラーが辺り一面に咲き誇っていた。
「うわぁー! とってもキレイなの!」
きゃー! と言いながら、ナエが花畑を走っていく。
「ふふ。はしゃぐナエちゃんも、とても可愛らしいですわ」
「本当ですね。見ている私達を和ませてくれます」
「お姉ちゃん達! こっちに来て、綺麗だよ!」
「それでは少しナエちゃんと遊んで来ますね」
「私は、花のブーケを作ってナエちゃんに渡します」
女の子は花が好きなんだな。でも確かに綺麗だ。
これだけじっくりと観賞するのは、この世界に来てから初めてかもしれない。
たまにはこんな風にのんびりとしてもいいか。
花畑を思い切り満喫して、街道を歩き始めてから30分が過ぎた。
魔物の襲撃も何回かあったが、その都度返り討ちにしてナエの鍛練にあてた。
今さっき、上級魔物が現れた付近から、魔物の他に人間の気配を感じる。そして、この感じは戦闘中だな。
「この先に結構な数の魔物と、人間が戦ってる気配がする」
「……確かに、感じますね」
俺の次にシズクは気配探知に優れている。
このままだと、魔物にやられるかもしれない。
「助けに行こう」
気配の先まで急ぎで向かうと馬車3台に、商人風な格好をした集団と、その護衛らしき武装した集団が、20体程の魔物と戦っていた。
何人かやられたのだろう、地面に横たわっているのが見える。
残りで魔物と戦っているが、見たところ劣勢みたいだ。
このままだとヤバそうだ。
「あの商人達を助けよう」
「急ぎましょう。まだ助けられる命もあるかもしれません」
全員で助太刀に入る。
「後は俺達に任せてください」
「助かります! お願いします!」
「アルフィンは、倒れた人を診てくれ。シズクは右側を。ナエは後方から大きめな魔物を優先で攻撃してくれ。無理はするなよ」
「はい。負傷者は任せてください」
「了解です、右側の魔物を切り捨てます」
「うん。わかったの」
「よし、やるぞ」
俺達が入ったことで、魔物の集団を速攻で潰せた。
アルフィンの治癒魔法で負傷者を治す。結構ギリギリな人もいたけど間に合ったみたいだ。死人は出なかった。
「助けていただいて、ありがとうございます。危ない所でした」
「いえ、無事で良かったです。見た感じ商人の人達ですか?」
「そうです。フロンティア商会のワポルと言います。この先の洞窟にある『岩塩肉』を取りに行っていまして、それを運んでいた所でした」
「そうだったんですね。魔物が集まっていた様に見えましたが」
「これは魔物の好物でもありますので、狙われたのでしょう。ギルドから、こちら《東風の旅団》の、インさん達に護衛してもらっていたので安心していたのですが」
「すまない。俺達の力じゃ護りきれなかったかもしれない。助かったよ魔物を倒してくれて」
この人が、ギルドから依頼された人か。
「無事で良かったです。気にしないでください」
「ありがとう。良かったら名前を教えてもらっていいか?」
「俺はタクトです。こちらが、俺の仲間の――」
それぞれに挨拶をする。
「よろしく頼む。同業者だったんだな、しかしお前達かなりの強さだな。何で最前線にいないのかが不思議なくらいだ」
「ええ、ギルド名は……魔王と愉快な仲間達です。まだ作ったばかりで、クエストも二つしか受けていませんが。俺達はある目的の為に、旅をしています。先にやらなければいけない事があるので、まだ最前線にいけないんです」
「何か……事情がありそうだな。色々突っ込みたいが、ギルドではこちらが、先輩だ。分からない事があったら聞いてくれ。この礼はするから」
「ありがとうございますその時はお願いします。それで、この辺の魔物は、人が住む街が近いのに平均レベルが高く感じましたが」
「やっぱり、最近の最前線の状況が影響してるんでしょう。今まではこんなに手こずる事もなかったのですがね」
「最前線の状況で何か動きが?」
クリスタでは、そんな話し聞かなかったけど。
俺達が船に乗ってる間に、状況が動いたのか?
「何でも、最近魔物の数と平均レベルが上がった様なのです。その影響か最前線でも、被害者が増えているそうです」
「つい最近もバラガン公国の戦士隊が負傷して、最前線から戻ってきた所だ」
戦いは激しくなっているのか。
魔物の強化。
ゲラルドもドレアムが裏で動いていると言っていた。何か絡んでるんだろう。
どちらにせよ、悠長にしてられないかもしれない。
「邪神軍の動きが活発してるんですね。俺達はこのままバラガン公国まで行きますが、ワポルさん達も行くのであれば護衛します」
「それは助かります。是非お願いします」
ワポルさん達、フロンティア商会と、東風の旅団のインさん達と一緒に、移動を開始した。
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