33話 移住当日
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翌日の午前10時頃、ガルカリ村の石盤から南大陸の始まりの洞窟へとワープした。
ナエの両親を始め、村の皆も一緒に。
「すごーい! 知らない場所だよ! ピカーッて光ったら、違う場所に来たの!」
ナエが凄く興奮している。
村人達も声こそあげないが、周りを見回して驚いた表情をしている。
「タクトさん成功ですね」
「これは……凄いものですね。一瞬でこれだけの距離を」
「ああ、世界中の機能していない石盤を復活させて、最終的には増産して各国、街などに設置出来ればいいなと思ってる。
これは邪素を持つ四天王は使えないから、悪用される心配もないからね」
「それが可能になれば、世界中の貿易も強化されて、国々も、もっと発展する事でしょう」
「それは凄い時代になると思います」
「もっと色々と試したい事もあるんだ」
「試したい事ですか?」
「ああ、今はとりあえずクリスタに行くのが先だから追々だね」
前世の世界で当たり前にあった物も、全部とはいかないけど造れると思う。
そうすればもっとマギア・フロンティアは発展する。
「もう出発致しますか? ここからですと、徒歩で1日程でクリスタに到着致します」
「それではナエちゃん達を呼んで来ますね。そろそろ出発すると伝えて来ます」
「あ、ちょっと待って試したい事があるんだ。アルフィンとシズクもちょっとこっちに寄ってくれ」
「これで……よろしいですか?」
「ちょっと……恥ずかしいですね」
二人とも照れながらも肩が触れあう程の距離まで来てくれた。
「ああ、このままで。それじゃあ……フッ……」
俺達三人を薄い魔力の膜で包みこんだ。
「これは……結界ですか? タクトさん」
アルフィンが膜を見て聞いてくる。
「結界で包んだ。ちょっとこの状態で空に浮いてみるからビックリしないでね。怖かったら服とか掴んでいいから」
「はい。それでは失礼致します」
「わ、私も失礼します」
二人とも、右腕、左腕の袖を掴んでくる。
多分いけると思うけど、危なかったら二人を守らないと。
少しずつ、宙に浮かんでいく。二メートル、五メートル、十メートルまで浮き上がり、そのまま周辺をグルグルと飛んでみた。思ったより安定しているな。
「二人とも、怖くない?」
「タクトさんが側におりますので、わたくしは大丈夫です。それにしても凄いですねこんなことが」
「私も大丈夫です。凄い……空を飛んでる……」
これは飛翔魔法になる。これもいずれ試そうと思っていた事の一つ。
魔力で皆を包み、空を飛んでいければ移動も早くなるし、疲労も軽減できる。
もっとも魔力を大量に消費するので、多分一般の人には無理だと思うけど。
元々、俺は魔力が大量にあったが、中央大陸でレベリングしたお陰で、魔力は更に規格外になった。
どれだけ大量に消費しても、魔力切れはしない。
一度どれだけ魔力量があるのか、何時間も放出しながら特級魔法を撃ちまくったけど、結局魔力は尽きなかった。
「わぁー! すごーい! 見て、見てお父さん! お母さん! お兄ちゃん達が空を飛んでるの!」
ナエが下から見上げて、指をさしながら親父さん達を呼んでいた。目は非常にキラキラしている。
やっぱり子供の時はこういうのに憧れがあるんだよな。
俺も漫画やアニメ等の真似事をして、よく危険な遊びとかしていたっけ。
「よし、成功だ。二人とも一旦地面に降りるね」
徐々に高度を下げ、地面に降りたところでナエがこちらに駆けてきた。もはやお決まりなのか、勢いのまま突撃タックルを俺の胸に仕掛けてくる。
うんやっぱり少し痛い。けど、可愛いから許す。
「お兄ちゃん! お兄ちゃん! 今のなに? どうやってやったの? あたしにも出来るかな?」
「今のは魔力で空に浮いたんだ。
ナエもしっかり鍛えたら出来るようになるから、鍛練頑張ろうな?」
「うん! がんばるの!」
よしよしと、ナエの頭を撫でておく。
「さて、それではクリスタに移動しますので、皆さんこちらに集まって下さい」
俺の言葉で、少し緊張しながら村人全員が集まってくれた。
「皆さん、少し怖いかもしれませんが絶対に落ちたりしないので安心してください。このままクリスタまで飛んでいきます」
先程同様に、魔力で皆を包み空に浮いた。
さっき試した時よりも、人数が多いので魔力の量を多めにしておく。
浮いた状態で少し安全性を確認して、村に向けて動き出した。
「人数が多くても、問題ないな」
「お兄ちゃん! 凄いねー! 速くて高くて遠くまで見えるよ!」
「ナエったら。はしゃぎすぎたら危ないわよ?」
「そ、そうだぞ。タクトさんの邪魔をしちゃいけないっ。タクトさんの集中が途切れたら……」
親父さんがナエを叱るが、少し声が震えている。
多分空を飛んでいるのが怖いんだろう。
「怖いかもしれませんが、我慢してください。2時間程で着きますので」
安全性を確認した後は、飛ぶ速度を段々と速めていった。
最初は歩く速度から始まり、走る速度となって、今は新幹線ぐらいの速度で移動中だ。
速度を上げていくと悲鳴があがったので、足元を見えないようにすると、多少安心感が出たのか落ち着いてくれた。
それでもまだ、怖いみたいだけど。
俺が先頭で、そのすぐ横にアルフィンと、シズク、ナエ、両親、その他村人が座りながら進んでいる。
「こんな方法で移動出来るとは、思いもしませんでした。
発想もそうですが、これだけの大量の魔力消費をして、疲れを感じさせないとは。流石タクトさんです」
「戦いの他に、このような事まで。本当に頼りになりますね」
「タクトお兄ちゃん凄いの! こんなことも出来るなんて! だからいい子、いい子してあげるの!」
二人からは称賛の声を貰い、ナエからは頭を撫でられた。
素直に嬉しいけど、誉めすぎだ。恥ずかしい。
その後も順調に移動して、クリスタに到着した。
街の少し前で降りて入り口まで歩く。
「これは……アルフィン王女!陛下からは連絡を受けております。このままお通りください」
「いつも、ご苦労様です。ありがとうございます」
前の時は通行証を提示したが、今日はそのまま入れたシーゲル陛下が言っておいてくれたようだ。
街に入った俺達は、まっすぐに城まで向かう。
前回と同様に陛下は貴賓室で待っていてくれた。
「シーゲル陛下、今回は突然のお願いを聞いていただき、ありがとうございます」
「昨日も言ったが、たいした手間にもならんから気にするな。それで、ガルカリ村の村民はこの者達か?」
「はい、わたしが村長代行を勤めております。ローマン・オサナギと申します。今回はわたしどもを受け入れていただき、ありがとうございます陛下」
そういえば、ナエの親父さんの名前聞いてなかったな。ローマンさんと言うのか。
顔通しが終わり、ローマンさん達が住む事になる居住区に移動する。
城の人に案内してもらい、それぞれの家へと向かった。
前の家で使用していた家具と使えそうな物は、収納魔法で持ってきた。それを取り出して、軽くセットする。
これで直ぐにでも生活出来るだろう。後はクリスタに早く馴染んでもらえればいいな。
「これから、城に行かれるのですよね?」
「陛下から、一緒に食事をしながら酒を飲もうと誘われて、城で一泊させてもらうことになったよ」
「そうですか……ちょうど良いですね。陛下に言い返さないとわたくしは納得致しません」
「アルフィン様……怖いです」
「アルフィンお姉ちゃんこわいの……」
昨日の念話の件を根に持っているのか、アルフィンからは黒いオーラを感じる……余程からかわれた件を言い返せなかった事が悔しかったのだろうか……。
城では豪勢な会食を開いてもらった。
今日は公式に、クリスタの重鎮達も出席しており、その場で挨拶を済ませ、たくさんの人達と話させてもらった。
ある一角が、なにやら騒がしい。
何だと思って見ると、シーゲル陛下が、アルフィンをからかい(ついでにシズクと、ナエを)、それにアルフィンが怒って、言い合っていた。何だかんだで、二人とも仲いいな。
明日はバラガン公国がある、北東大陸へと出発だ。
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