28話 四天王ゲラルド②
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「ガぅアァァ……ア……ア……アァァウァーー!! ……な、何だ……体が! ……俺様の体がー!!!」
ゲラルドは地面に膝をたて、痛みもがいている。
この崩拳は相手の内部に俺の魔力を叩き込み、爆発させることで体のあらゆる箇所にダメージを及ばせる。
ゲラルドは今頃、体のあちこちで俺の魔力が爆発して激痛を味わっているだろう。
あらかじめ、ユーリからゲラルドは近接戦闘に特化していると聞いていた。
だからこの機会にこの先の戦いに向け、四天王の力を測ろうと魔法を使用しないで、近接戦闘のみでゲラルドと戦った。
俺の近接戦闘を鍛える目的もあったけど、お陰でかなり強化出来た。
クリスタでもらった俺の専用装備も多いに役立っている。近接戦闘が極まってきている現状では十二分に効力を引き出せていた。
当初コイツに村をめちゃくちゃに蹂躙された怒りを、自分がやった責任を取らせるために、ボコボコにした。
だが同時に四天王の脅威を測ることも目的だった。この戦いでそれを測ることが出来たのは大きい。
コイツらの力を知っておくのはこれから先のアドバンテージになる。
四天王の先には……ハーディーンがいる。ユーリをもってして倒しきれなかった相手が。
ここでコイツに負ける様なら、とてもこの先のステージにはいけない。
まぁ。ここで倒せばコイツの情報は要らなくなるんだが。
ゲラルドのHPは一割まで減っている。あと一撃ぶちこめば終わりだろう。
「もうこれが限界か? もう力は残してないのか?」
「グゥアァァゥァァウッ!! アガァッーー!!」
まだ内部で爆発しているのか、もがき苦しんでいる。
もう少し情報を引き出したかったが、これ以上コイツからは何も得られそうにない。
「もう無いようだな。最期に何か言うことはあるか?」
「グゥアァァ! ……アグゥア……! …… こ、殺してやる!!」
こんな状態になっても、最後まで……。
もういい……止めを刺すか。
「じゃあな」
近づき、拳を振り下ろそうとすると。
ゲラルドを黒色の渦が囲んだ。
「これは……結界か。それもアルフィンの使うのより、高次元の。それに、ゲラルドのHPが緩やかに回復していく。回復効果もあるのかよ」
「グゥアッ……ハア……これは……ドレアムか…………あぁ……聞こえてる……」
この黒い渦は遠隔から使っているようだ。ゲラルドが使っている感じではないし、近くには強大な魔力も感じない。
「あぁ? ……戻れだと!? ……クソッ!! ……やられっぱなしで引くのは納得いかねぇ! …………分かったよ! ……送ってくれ……分かった」
ゲラルドは誰かと話していたかと思うと、俺に向けて話し出す。
「…………今日はここまでだ。ドレアムの野郎から撤退命令が出たからな。次あった時は…………お前をぶっ殺す!!」
今の会話は、ドレアムとか。
黒色の渦は、どんどんと大きくなっていく。そしてこの渦を形成する魔力濃度は特級魔法クラスだ。
これを操ってるのがドレアム……。これだけでも分かる。ドレアムが四天王最強だとユーリが言っていた意味が。
「デインオーバー!!」
このまま逃げられるのは、癪だから魔法を放ったが。
この渦に魔法を弾かれた。
「……駄目か……。帰ったらドレアムに言っておけ。お前にも責任を取らせるとな」
「伝えといてやるよ。だから俺様以外の奴等に殺されるなよ」
「バカだなお前は。お前ら全員の命運は俺が握ってるんだよ。ハーディーンもろとも、俺がお前らに引導を渡してやる」
「ケッ……精々足掻きな……俺様達の勝ちはもう決まって――」
ゲラルドは完全に黒い渦に飲み込まれ消えた。魔力反応も感じないから中央大陸にはいない。
そういえば……ゲラルドがガルカリ村に現れる前に魔力を感知できなかった。
ドレアムがこの魔法を使って送ったのか。トランスヴァールに上級魔物を送ったのも、この魔法なんだろう。
送還魔法……厄介だ。
出来ればここでゲラルドを始末したかったな……。
とりあえず、当面の危機は遠ざけられたから、後はこれからどうするか村の皆と話す必要がある。
そして、ここでお決まりのレベルアップ音が鳴った。
「お、この効果音はいつもお決まりのだ。どれどれ」
ステータスをみると、ゲラルド戦での経験値は多かったみたいで大分加算されていた。
やっぱり四天王だからかな。
タクト
もうちょっとで大魔王
レベル80
スキル 魔力操作(特)、近接戦闘(特)、ステータス表示、経験値ブースト、縮地、限界突破、クリエイト魔法、気配察知、結界、鑑定、???(現在使用不可)
「レベルは大分上がった。称号も……変わったけどダサいな」
細かいことを気にしてもしょうがない。強化できたからいいか。
「よし、まずはガルカリ村に戻りますかね」
ゲラルドがドレアムに強制送還されてから、村の方へ歩いていた。戦っているうちに村から離れてしまった。
「あ~あ……」
綺麗な草原だった場所が穴だらけになってしまっている。
「……アイツが力任せに攻撃しまくるから、この辺の地形ボコボコになってるよ」
やっぱり外で戦って良かったあのまま村でやってたら完全に更地になってた。
もっと被害が出ていたかもしれない。
村の少し前にはナエが両親と待っていた。
親の傷も治っているから、アルフィンが治してくれたんだろう。
「タクトお兄ちゃんーー!!」
ナエが俺の姿を確認すると、こちらに全力で駆けてくる。
そのままの勢いでナエから突撃タックルをくらった。
小柄だが、勢いがあると痛い。
「タクトお兄ちゃん。ありがとう護ってくれて」
「礼なんていらない。当たり前の事をしただけだ」
「お兄ちゃんがいなかったら、あたしも、お父さん達も殺されていたと思うの。だから、ありがとうございました!」
ナエが精一杯のお辞儀をする。
「無事で良かったよ。村長様や殺された皆は残念だったけど」
「うん……村長様とおばさん、おじさん達に、戦士隊の皆。あたしのせいで……グスッ……」
「さっきも言ったけど。今回の件はナエは悪くない。悪いのはアイツらだ。だから、もう泣くな。な?」
ナエの頭を撫でて目元の涙もすくう。
「……グスッ……うん……わかったの。……それでね……お兄ちゃん。後でお話があるの」
「話し?」
「うん……」
何だろう?ナエから話しか。
「分かった。後で時間作るからその時に聞かせてくれ」
「うん。わかったの」
「タクトさん。ナエを、村の皆を助けていただきありがとうございます」
「何度もナエを助けてもらい、本当にありがとうございます。タクトさんのお陰でこの子が殺されずにすみました」
続いてナエの両親からお礼を言われた。
「いえ、お礼は言わないでください。村長さんを助けられなかったですし……。もっと早くに駆けつけられればと思います」
「それこそどうしようもなかった事です。タクトさん達がいてくださったから村は全滅せずに、すんだのです」
助けられた命と、助けられなかった命がある。世界中でこういった事が起きていると思うと、いたたまれないな。
早く平和にしないといけない。
最前線も、いつまで持つか分からない以上、いつ戦況が変わってもおかしくない。そうなったら被害がどれだけでるのか想像できない。
「タクトさん、お疲れ様でした。怪我は大丈夫ですか?」
アルフィンがシズクとこちらに来ていた。
「村の魔物は全て討伐しました。もう魔物の気配も感じないので大丈夫だと思います」
「ありがとう。怪我はほとんどしていないから大丈夫だ」
「良かったです。タクトさん……どうなりましたか?」
「ああ、ゲラルドは、とどめはさせなかった。最後に逃げられたよ」
「やっぱり村の外からも感じていましたが、あの強大な魔力圧力は四天王だったんですね」
「四天王ゲラルドだ。情報通り近接戦闘は恐ろしく強かった」
さっきの戦いを二人に話した。
ゲラルドの容姿にステータスや、戦い方等も。
「四天王というだけあって、強いですね。私ではまだ、勝てないと思います」
シズクが少し自信無さげに言った。
「シズクなら大丈夫だ。ゲラルドの強さを基準にして、これから模擬戦闘もしながら鍛えていこう。多分この先、シズクにゲラルドを頼むかもしれない」
「はい! もっと精進します。タクトさん、よろしくお願いします!」
「ああ。頑張ろう」
「しかし、最前線が崩れるかもしれないというのは、気になりますね。ドレアムが何か裏で動いているというのもです。
被害は少しずつ増えてはいますが、直ぐにどうこうできる物ではないはずです」
アルフィンの言うとおり、最前線には、世界中から精鋭部隊が集められている。それに、ユーリが用意した万が一に用意した物も多数あるはずだ。
四天王がいかに強力でも、どうにかできるんだろうか。
「そうだな、ドレアムが何かしようとしているのは気になる。一度シーゲル陛下に繋がる必要もあるから、そこで伝えておこう」
「はい。その方が良いかと思います」
「とりあえず村に行こうか。
今後の事も話さないといけないし、それにナエ達もこんな大変な目に遭ったんだ。心身ともに大分やられただろう。少し休んだ方がいい」
俺達はガルカリ村に向かうことにした。
お読みいただき、ありがとうございます!
何とか四天王との戦闘を終えられました。戦闘描写苦手なので、読みづらい所もあったかと思います。精進して参りますので、これからもお付き合いして頂ければと思います。




