143話 世界の危機を乗り越えろ
いつもありがとうございます
(*- -)(*_ _)ペコリ
この話しを入れてあと4話で終了です。
アルフィンside
タクトさんから王女としてしっかりするようにと叱咤して頂いて、一生懸命避難活動を行っていました。
それもたくさんの方達のお力で、順調に進んでいる。
「アルフィン様。連合軍の戦士達もあと少しでルーデウス帝国へ避難が完了しますね」
逃げ遅れた人達を護衛していたシズクが戻ってきた。
「ええ。順調にいきそうで良かったです。地震の揺れの方も魔力漏れも落ち着いてきました。タクトさんが抑えてくださっている内に、わたくし達はこのまま避難を進めて参りましょう」
「うん。あたしもお兄ちゃんの分まで頑張るの!」
ナエちゃんもタクトさんに鍛えられた魔力操作で、大勢の人達を浮遊魔法で運んでいた。
本当にこんな小さな体でよくここまで鍛練を頑張ったと思います。
今ではタクトさんに次いで、マギア・フロンティアで二番目の魔法使いと成長したナエちゃんを誇らしく思います。
避難は順調。
後はこのまま何事もなく全員が避難出来ればよいのですが。
そう思った矢先に。
グラッ
一瞬の浮遊感の後。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
先程よりも激しい揺れが暗黒大陸へと拡がった。
地割れも発生し、そこに落ちていく戦士達。
「ああっ! 戦士隊の方が! 近くにいる人は救助を!」
立つのも困難な程の揺れの中、連合軍の戦士達に指示を出していると。
《アルフィンよ。聞こえるか? ユルゲンだ》
御父様から念話が届きました。
地割れを警戒しながら念話カードを起動した。
《はいアルフィンです。御父様》
《大変だ。バラガンにもいよいよ影響が出始めたぞ。街も倒壊し地割れも発生した。これ以上街に留まるのは危険だから、安全な場所へとレスターと共に民を避難させる》
《被害が拡大しているのですね……。御父様もお気をつけください。わたくし達もまだ残っている方達もいらっしゃるのでそちらが落ち着けば避難しますので》
《分かった。くれぐれも気をつけてくれ》
《はい》
いよいよ影響は世界中にまで……。
周囲を見渡しこちらの被害の程度を確認する。
さっきの地割れで、被害も増えてしまった。
急がないと全滅しかねません。
傷ついた人達に治癒魔法をかけながら、指示を出す。
ドッガアァァァァァッ!!
突然の爆発音と共に、ハーディーンの根城が崩壊していくのが見えた。
その次の瞬間。
そこから膨大な魔力が溢れだし地震の揺れが増して、地割れが大陸を真っ二つにした。
雷鳴が轟き周囲を吹き飛ばす程の竜巻までも発生する。
それが一気にこちらに襲い掛かってくる。
「っ! 結界は間に合わな――――」
咄嗟の事で結界も間に合わず、その竜巻にわたくし達が巻き込まれそうになると。
周囲一帯を囲む様に黄金色の魔力が間一髪でその竜巻も消し去ってしまった。
「あの魔力色はタクトさんの……わたくし達を守ってくださった。ですが……ここまでの魔力を放出しなければならない程にまた何か起きたのですね。タクトさん……」
タクトさんに頂いた腕輪を触る。
こんなことで弱気になってはいけない。
わたくしにこの場を任せてくださったのです!
「さぁ! 皆さん今のうちですわ! 早く避難を!」
逃げ遅れている人達をサポート魔法で助けながら、避難指示を出す。
タクトさんが心配でたまりませんが、言われた通りわたくしは今やるべき事を全う致します。
一緒に居られる未来を掴み取る為に。
アルフィンside
out
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タクトside
せっかく抑え込んだのに。
更に膨大な魔力が溢れだしてしまった。
その魔力の勢いに、俺の直感が告げている。
このままだと外の世界に甚大な被害が出ると。
これ以上被害が出ないように俺の魔力で無理やり抑えているが……。
「ぐううああっ。やっぱりきついっ!」
「はあっ!! 私も抑えこむ。二人ならば幾分か楽になるだろう!」
ハーディーン……もう違うか。アレースローンも魔力を放出し一緒に抑え込みを手伝ってくれる。
協力してくれるのは助かる。
「すいませんお二人にお任せしてしまって。わたしにも手伝えればいいのですが」
女神は戦闘タイプじゃないから。
しょうがない。
「でもこれからどうすればいいんだ? 核も壊れちゃったし、オリジナルのユグドラシルに影響が出るって言ってたけど」
「アフロイーリス。何か手は無いのか? 私はユグドラシルを離れて久しい。色々と機能が加わっていたりはしないのか?」
「こうなってしまったのは初めてですので……明確には分かりませんが。壊れてしまった核の再構成と他世界との接続を一旦切らなければいけません。このままだとタクトさんの地球も滅んでしまいます」
これだけのエネルギーが解き放たれれば、地球も他の世界もひとたまりもないだろう。
「そうならない様にするにはどうすればいい?」
「……危険ですが。もしかしたら何とかなる方法が一つだけあります」
「どうすればいい? 危険な事でも何とかなるんならやる」
「ユグドラシルの核の修復と再接続はわたしがやりますので、お二人にはその間。この魔力のど真ん中で、この力を抑えて頂きたいのです」
この魔力の真ん中か……。一番勢いが激しい所。
かなり困難ではあるが、負けてられない。
「やろう。俺は大丈夫だ」
「私もだ。今までの贖罪には足りぬが、力の限りやらせてもらおう」
自分の行いを反省し、それを正そうとする姿勢。
お前はもう邪神ではないよ。
「分かりました。今からオリジナルのユグドラシルの核へと転移します。到着した瞬間、魔力に晒されますので気をつけてください」
「よし! いこう!」
女神が転移を開始し、一気にユグドラシルの核まで移動した。
女神が言っていた通り転移した瞬間。
とんでもない勢いの魔力にのまれそうになる。
分かっていても、キツいものはキツい。
「うおおああ。これはヤバい……。先ずはこの周辺に安全な空間を作らないと。はあっ!」
「ぐおおおっ! そうだな……はあっ!」
二人で周辺に魔力で構成された強力な空間を造り出した。
ずっとは無理だが、とりあえず暫くの間は耐え凌げるだろう。
「とにかくこれで、作業に取りかかれる。女神頼む」
「はい。暫くの間よろしくお願いします」
女神が核の再構成と、他世界との接続を切る作業に取りかかった。
後は終わるまでこの空間を死守すれば。
だけど。
こういう時にはお決まりなのか、すんなりとはいかない様だ。
「……アレースローン。何か……嫌な気配が近づいてくるんだが。気のせいか?」
「……いや。そなたの気配察知は私よりも優れている。それに……私にも感知出来た。間違いない」
気配だけでは分からないけど、厄介そうな……つまり強い力を持った何かがこっちに向かって来ていた。
それはやがて姿を現した。
「何だ……この化物は」
「姿形は特に思う所はないが……この魔力の質。そして……存在感。そうか……こやつがいたから核が壊れたのか」
「何か知ってるのか?」
「この者は、おそらく全平行世界の人間の闇と負の集合体……。言うなれば、悪意が合わさった姿。私は自暴自棄になり確かに縮小版ユグドラシルを破壊したが、ここまで被害を出す気はなかった。だからここまで被害が出ることに可笑しいと思っていたが……」
こいつが悪さをしていたと。
でもマギア・フロンティアの分が集まったなら、まだ分かるけど。
何で。
「……何で急にそんなものが。それに他の世界のも」
「……私のせいだろうな。マギア・フロンティアで邪神としての力を解放し、邪気をばら蒔いた。そして核を傷付け呼び寄せてしまったと考えるのが妥当だろうな。…………すまない私の責任だ。だからこれの相手は私がする。これは私がけりをつけなくてはいけない。すまないがそなたはこの場を守ってほしい。頼む」
俺に頭を下げてお願いしてきた。
ある意味では今までやってきた事の精算か。
だけど。
「確かに原因ときっかけはお前かもしれないけどさ。元々は俺達人間の問題でもある。だから、一緒に戦う。早く落ち着けないといけないし、アルフィン達の所に帰りたいしな」
「……タクト。ほんにそなたは……。では頼む。共に戦おうぞ!」
「よし! やるぞ化物退治だ!」




