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135話 譲れないもの

ポイント入れて頂いた方ありがとうございますm(__)m

 



 アルフィンside




「タクトさん……」



 ハーディーンとの戦いの最中に転移した、タクトさんが心配になり思わず声が漏れる。


 ここまでの道中を思い浮かべた。

 ハーディーンの魔力反応がするこの不思議な空間に突入したわたくし達を待っていたのは、倒した筈の四天王達でした。

 シズクとナエちゃんが相手を引き受けてくれて、タクトさんと二人で先に進ませてもらった先には、ユーリ陛下につけられた大怪我を回復しながらこの場所に留まる邪神がいた。

 その力は、トランスヴァールで戦った時よりも更に強大になっていました。


 それでもタクトさんも死の淵で強化されたお力で、ハーディーンと対等以上に戦いを進めていく。

 そして、両者の神級魔法がぶつかり合ったかと思うと二人揃って他の空間に転移してしまった。

 わたくしがいるこの場所からでは、タクトさんの魔力も感じられない。

 現在どの様な状況かも分からない。


 わたくしには、タクトさんとシズクとナエちゃんの勝利を信じ待つことしか出来ない。

 その事がとても歯痒く感じます。



「どうか……皆が無事にこの戦いを生き残れる様に……。そして、タクトさんが生きてわたくしの前に帰って来てくれますように。女神様どうか御加護を」



 両手を組み合わせ、祈りを捧げる。



 タクトさんがこの空間から消えて少し経つ頃、シズクとナエちゃん、アリサ女王とリューガさん、バハムートさん、アーロン皇帝達が来られました。



「シズク、ナエちゃんも。御無事で良かったです」



 お二人のお顔を見て、少し心配の度合いが軽くなった様な気がする。



「アルフィン様、ご心配かけてしまいましたね。アリサ女王のご助力で何とか勝てました」



「アルフィンお姉ちゃんただいまなの。リューちゃんとバーちゃんが助けてくれたの」



「そうでしたか。皆様、本当にありがとうございます。傷はわたくしが治させて頂きますね」



 アリサ女王とリューガさん、バハムートさんに頭を下げ、皆に治癒魔法をかけた。



「アルフィン王女。タクトの姿が見えないけれど、どこにいるのかしら? 魔力も感じないわね」



「はい。タクトさんはハーディーンと共に、この場所から別の空間へと転移した様です。激しい戦いの為に、この空間にも影響を及ぼすとハーディーンも言っていました」



「確かにな。この場所もボロボロになっているし魔素も乱れている。あの規格外の二人が戦えば空間自体がもたないのだろう」



 わたくしも結界を張って戦いの行く末を見守っておりましたが、その上でも力のぶつかり合いは伝わってきました。

 アーロン皇帝の言われる通りかもしれません。



「……タクトさんの気配を感じない。特殊な空間に行かれたのであれば、私達には待つしか出来ないのでしょうか?」



「お兄ちゃんを助けに行けないの?」



「おそらくタクトさんがいる空間は特殊な場所ですので、こちらから行くのは不可能でしょう。どのみちわたくし達が居ては足手まといです。タクトさんの邪魔になってしまいます。

 それよりも今は、わたくし達に出来ることをいたしましょう。

 タクトさんも、状況を判断して皆で協力して行動して欲しいと言われておりました」



「そうだな。我々にはタクトの無事を祈って、この場の安定を守らねばならない」



「アーロン皇帝。外側の状況はどうなのでしょうか?」



「魔物は竜王の力もあり大方片付けた。まだ全体の2割程はいるが、それはクラウド隊に任せている。拠点もジェクト始め守護隊が守っているから無事だ。後やらねばならないのは、魔物の掃討と、タクトが帰ってきた時の為に宴会の準備かな?」



 アーロン皇帝がジョークを交えながら説明してくれました。

 わたくし達の心労を軽くするためなのかもしれません。



「ふふ。そうですわね。今日ばかりはタクトさんが思う存分飲まれるのは許しましょう」



「はは。もうすっかり尻に敷かれているな。では、我等は戦場に戻る。アルフィン王女達はこの場でタクトの帰りを待っていてあげるといい」



「ありがとうございます。よろしくお願いします」



 アーロン皇帝がリューガさんと、バハムートさんと共に引き返していく。



「さぁ。わたし達は、タクトの帰りを待つわよ」



 てっきりアーロン皇帝達と戻られると思ったのですが、アリサ女王がこの場に残っていた。



「アリサ女王は戻られないのですか?」



「そんなのは他の隊で十分でしょう。いいじゃないタクトを愛する女同士()()仲良くしましょう」



「はぁ……。分かりました。()()そうしましょう」



「あはは……本当に相変わらずですね。アリサ女王は」



「アリサお姉ちゃんらしいの」



 少々賑やかになってしまいましたが。



「皆さん一緒にタクトさんの無事と勝利を祈りましょう。わたくし達にはもう祈る事しか出来ませんが、必ず届く筈です」



「そうですね。タクトさんの勝利とご帰還を祈ります」



「お兄ちゃんが勝って帰ってきてまた遊んでくれるように祈るの」



「タクト。負けんじゃないわよ! ちゃんとわたしの元に帰ってくるのよ」



 四人で祈りを捧げる。

 タクトさん。

 皆でお帰りをお待ちしています。

 どうか、無事に帰ってきてください。



 女神様。

 どうかわたくし達の祈りをタクトさんに、届けてください。




 アルフィンside

 out



 ―――――――――――――――――――――――



 タクトside



 ハーディーンがアレースローンだった時の力を取り戻した。

 この戦いを始めてから、追いつめて追いつめられてを何度か繰り返してきたが。



「……今回ばかりは、厳しいな。ここまで力の差があったのか」



 ここまでの戦いでは、限界突破も神に対抗する力を使い何とかなってきたけど。

 今回ばかりは、ピンチだ。



「死ねぃ! 目障りな人間よ!」



 容赦ない魔力を纏った拳が飛んで来る。

 何とか腕を交差して防御をするが、たった一発受けるだけで、俺が纏う魔力を削られた。

 その上、拳の衝撃が腕に伝わる。

 このままじゃもたないかもしれない。

 空中に浮かび、体勢を整える。



「ぐううっ……一撃が重たい」



 速度、スピード共に半端ない。

 まともにくらえば、致命傷になりかねない。



「甘い!」



 ハーディーンも物凄いスピードで、空中に浮かび上がりながら、脚蹴りで防御を無理やり解かれる。



「しまっ……」



「遅い!」



 防御体勢を崩されたその胴に、もう片方の足が飛んでくる。

 それを何とか最善でかわせるイメージをして、避けるが。



「ぐうあああっ!



 避けたと思ったが、俺のイメージの更に上の起動でくる一撃に、ローブごと腹の表面を削られた。

 まるで鋭い太刀に切られたように、そこから血が吹き出す。


 痛いなクソッ。

 血は吹き出したけど、まだ戦える。



「はあぁぁぁー!!」



 俺の最速で最善の動きで接近し、右足を振るう。

 それを片腕で受け止められ。



「温い! この程度か!」



 左拳を鳩尾に叩き込まれた。



「ゲホッゴホッ……ぐっ」



 あまりの苦しさで背中を丸め咳き込み足を止めてしまった。



「沈め!」



 背中に両手を組み叩きつけられると、凄まじい衝撃を受け地面に激突する。



「があああっー!!」



 頭から爪先まで、衝撃が駆け抜けた。

 あまりの痛みに意識が飛びそうになる。


 意識が朦朧とする中で真上から迫る嫌な気配を感じた。



「ぐおお……っうあっ!」



 痛む体で踏ん張り何とかその場から離れた。


 直後。

 元居た場所にドガァァァンッと何かが激突する音が聞こえる。


 首を動かし確認すると右膝を地面に埋めるハーディーンがいた。

 あと少し遅かったら、危なかった。



「今のを回避したか。頑丈さは大したものだな」



「はぁ……はぁ……。それはどうも……」



 参った。

 魔力も神に対抗する力も、もう最大になっている。

 俺の全力を出しているのに、通用しない。



「もう。終わりか? それならば楽にしてやろう」



「いや……まだやれるさ。どれだけ劣勢になろうとも……俺は諦めない!」

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