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116話 試練の遺跡での修行

 



 中央大陸の西部にある試練の遺跡に再び訪れていた。

 この遺跡の最奥の魔物は、もの凄く強いからレベリングの為に。

 前の時では、とても敵う相手ではないのが分かっていたから引き返したけど、今回は皆を鍛える相手になってもらおう。



 その強敵と戦い始め、三時間が経過していた。



「ナエちゃん! シズク! また、あの攻撃が来ます! ここまで下がって!」



 アルフィンが魔物の攻撃を察知して、攻撃中だった二人に指示を出した。



「はい! 一旦離れます」



「うん! 分かったの」



 二人が後ろへと一気に駆け出しアルフィンの所まで下がる。



精霊の大守護(せいれいのだいしゅご)!!」



 フロアの後方範囲をアルフィンの張った結界が覆う。

 その直ぐ後に魔物の()()()()特級魔法が放たれ、結界にぶつかった。



 ガキィィィィンン!!



 轟音を響かせた魔法と結界の衝突は、両者引き分けに終わる。結界は破壊され、魔法も消失した。


 この魔物は、蛇の様な頭を五本持ち、胴体部分は猛獣を何体分も混ぜ合わせたキマイラの様な姿をしている。

 今やって見せた五本ある首から放たれる遠距離魔法、そして。



「クゥッ! ハァッ!」



 ガキンッ! とシズクの聖剣が、高速で接近し振り下ろされた鋭い鉤爪を受け止めた。


 今のように近接戦闘も、ハイレベルでやってのける。

 遠距離魔法を防げば次の瞬間には、近接戦闘でしかけられる。

 流石ユーリが用意した魔物だけあって、人数がいくら居ようがそれが有利にならない。



 最初は、この魔物の変則的な動きと、純粋な強さに押され危うく殺されそうな三人を俺が庇い、ぶっ飛ばし、また三人が仕掛けてやられるそうになる、との流れだった。

 やっぱり俺の考えていた通り、この魔物はドレアムに匹敵する力を持っていた。


 その状況から、三人はどうすれば優勢に戦えるかを学び、試し、やられそうになれば俺が助け、また学び、試しを繰り返していった。


 その工程を繰り返す事で、最初は押されていたこの魔物に対抗出来るようになってきたのが、ついさっき。


 このままいくと、あと何回かの工程で()()は倒せるかな。


 でも、この魔物のお陰で皆は経験値を順調に積んでいっている。一つ一つの動きも洗練されて、無駄がなくなってきた。




「シズク。ナエちゃん。次はさっきの動きに更に一つ加えていきましょう。わたくしもバフ魔法を強化しますので」



「分かりました。私ももう一段階破魔を高めます」



「あたしも、次はもっと溜めてみるの」



 三人で、敵の動きを見極めながら次の作戦を立てている。

 動きながら、思考出来るのは戦いにおいて鍛えれば有利になる。

 それが出来るようになってきているから、この魔物にもう負ける事はないかな。




 それからまた時間が進み、遂に三人はこの魔物を倒した。



「やったの! 倒したの!」



「シズク、ナエちゃん。やりましたね!」



「アルフィン様こそ、サポートありがとうございます!」



 三人で集まって、互いの健闘を讃え合う。

 長時間戦闘していた影響で、皆の姿は傷だらけでボロボロだが、ちゃんと途中からは自分達だけの力で勝った。




「皆、お疲れ様。よく倒したね」



「タクトさんも、危ない場面で助けて下さりありがとうございました」



「俺はほとんど見ていただけだよ。……おっと、やっぱりコイツも復活するのか」



「そうみたいですね。まだギリギリで勝てたぐらいですから、完全に圧倒するまで相手してもらいましょう」



「ちょっと疲れてきたけど、頑張るの」



「次倒したら、飯にしよう」



「はい。わたくしもお腹が減ってきましたので、今度はさっきよりも早く倒します」




 復活した魔物にまた力を合わせ、挑む。

 今度は、一匹目よりも短時間で倒して見せた。

 凄いな成長著しい。


 一旦このフロアを出て、食事休憩をすることにした。

 遺跡前のスペースを使って、食事の用意をし皆で食べる。



「皆、まだ半日程だが、かなり成長しているぞ。見違えた」



 外で待っていたリューガが三人の姿を見て、レベルが上がっていることに気づいた。



「まだあまり実感がありませんが、魔力操作が自分でも上手になったのが分かりますわ。サポート魔法をかけていると、効率良く出来るようになったと思います」



「あたしも、一気にたくさんの魔法を造って操れるようになったの」



「私もです。体の動かしかた、剣の振りもですが全体的に実力が上がったのが実感出来ます」



 今まさに皆が言ったことは、正しい。

 それだけのレベルアップを皆がしていた。

 後は、この魔物ではあまり効率良くないかな。



「羨ましい限りだ。ワレも鍛えたいところだが。まだ遺跡に籠るのか?」



「いや。もうあの魔物では経験値も美味しくないし、あまり効率良くないから、休憩したら俺と模擬戦闘をやろう。俺もこの色々強化された自分の力を把握しておきたいんだ」



「タクトさんとですか?」



「お兄ちゃんと模擬戦闘するの、久しぶりなの」



「これは、あの魔物よりも厳しくなりそうですね」



「誰から、やるのだ?」



「全員でかかってきてくれ。今の俺の力ならそれも十分出来るはずだから」



「凄い自信なの」



「それだけタクトさんは強くなられましたから。ここは胸を借りましょう」



 後は半日をひたすら模擬戦闘をして、修行の仕上げをしたいと思っていた。

 だけど、皆優しいから俺相手だと手加減しそうだな。

 それじゃ意味がないから、ちょっと発破をかけてみるか。



「あ、ちなみに。不甲斐ない動きをした人は、この間の俺が言うことを聞く権利は、剥奪で」



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