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112話 新しい専用装備

よろしくお願いいたします!

 



 エリス城を出た後、クララさんの所へと来ていた。

 雪が降りしきる道なりを歩き、オーキンス邸のノックをして待っていると。


 ガチャっと、扉が開く音と共に一人の女性が姿を現す。



「あ! 皆さん。来てくれたのですね」



「お久しぶりです。クララさん。アリサ女王から、伝言を聞いて伺いました」



「ありがとうございます。お忙しい時に、お時間頂いて」



 ペコッと頭を下げられた。

 クララさんの表情は、前の時に見えた陰りはなく、ちゃんと前を向いて生きている人間の表情だった。



「あ! どうぞ! どうぞ! 寒いので、中に入ってください」



 前に会ったときとは比べようもないほどに、明るい声で中に入れてくれた。

 暖かい室内の中央にあるテーブル席に座らせてもらう。

 エリス王国の特産の紅茶モドキも煎れてくれた。

 美味い。



「乗り越えたんですね。お爺さんの死の哀しみから」



「はは……。その節は、大変なご無礼を……」



 恥ずかしそうな表情で、頭をポリポリと掻いている。



「いえ。気にしないでください。クララさんが元気になってくれて良かった」



「そうなの。もう泣き虫なクララお姉ちゃんじゃないの。強くなったの」



「ナエちゃん。ありがとう」



 クララさんはナエの頭を撫でながらニコニコとしている。



「それで。今日なんですが、実はお願いもあって来ました」



「あ、はい。わたしに、ということは専用装備の事ですよね?」



「そうです。これなんですけど」



 俺達四人の専用装備をテーブルに置かせてもらい、見てもらった。



「……これは、酷い状態ですね。ここまでの状態になると……修理をするというよりも、新たに造った方がいいかもしれません」



 新たにか……。

 思ったよりも、酷い状態だったのか。



「ただ。その為には、素材が必要です。それも、結構な量が」



 素材か。

 そういえば、今まで貯めるだけ貯めて使われる事がなかった物がある。



「これで、足りますかね?」



 今まで出番がなかった、魔物の素材(大量)を収納魔法で次々と出していった。テーブルに置ききれない程の、下手したらこの部屋に収まらない量だから、何割かを出して宙に浮かべた。



「わわわ! こんなに……大量の。しかも、これ……上級魔物と、それにこれは……特級魔物の物ではないですか!?」



 鍛冶屋だから、素材を見ただけでどれくらいのレベルの魔物の物か分かるんだろうか。



「そうです。上級と特級魔物の物です。今まで集めるだけ集めて、使う機会がなかったので、貯まってしまいました。まだこの他に半分以上ありますが」



「ええ!? まだこの他に、半分以上も、あるんですかぁ!?」



 正に目玉が飛び出す程にという言葉の意味を、初めて見た。



「はい」



「…………流石は、魔王様達ですね。これだけの物を……。これだけの素晴らしい素材があれば、どんな物も造れるんじゃ……。

 これだけあれば申し分ありません。わたしに出来る最高の仕事をしてみせます」



 クララさんが両手を握りしめ、気合いのポーズを取って言う。



「お願いします。それで、どれぐらいで仕上がりそうですか?」



「一日……いえ。半日でやってみせます。皆さんにはご迷惑かけたのと、お爺ちゃんの弟子としてわたしの最高傑作を造ってみせます。なので、明日の朝にまた来てもらってもいいでしょうか?」



 決意に満ちた眼差しで、約束してくれた。



「分かりました。お願いします」



 クララさんに後はお願いしてオーキンス邸を後にする。

 外に出るとさっきまで吹き荒れていた雪はやみ、眩しいほどの太陽が顔を覗かせていた。

 エリス王国へと戻る道すがら、クララさんの様子について話しながら歩く。



「クララさんが御元気になられて、良かったですね」



「クララお姉ちゃんは、元気な方がいいの」



「私達の専用装備も造っていただけることになって、ホッとしました」



 皆もクララさんの事を心配していたから、元気な姿を見れて嬉しかったんだろう。一様に安心したとの表情をしている。



「ああ、これで。決戦に全力で挑むことができる」




 エリス王国に戻ると、色とりどりのご馳走とこれまた上質なお酒に、そして。相変わらずに美しいドレスを着飾ったアリサ女王がお出迎えしてくれた。



「さあ。飲みましょう。もちろんタクトは、()()



 ポンポンと、前と同じように自分の隣の席に誘導した。

 その言葉に従い、座ると。



「今日は、わたしがタクトを占領させてもらうわ。あなた達は、いつも一緒にいるんだし良いわよね?」



「前にも言わせて頂きましたが、タクトさんのお世話はわたくし達が致しますので。ですからアリサ女王がして頂く必要はありませんわ」



「あ~ら。ハーディーンはもう少ししたらタクトが倒すんだから。そうなれば、あなた達がタクトと一緒にいる必要も、お世話をする必要もないわよ?」



「わたくし達は、確かにハーディーンを倒すことを目的に旅を続けては、いますが。タクトさんのお側にいたいからこそ、こうして一緒にいるのですわ」



「前回は引いてあげたけど、今回は譲らないわよ」



「今回も引いてもらっていいんですよ? 私達も決して譲ったりはしませんので」



「ふ~ん。このままじゃ平行線ね。ここは、お互いにとって妥協案を出しましょう? 三人ともタクトを愛する女なわけだし、これからの未来に向けて建設的な話をしましょう?」



「分かりましたわ。それで手を打つとしましょう」



 またここでもバチバチと火花を飛ばしながら、真剣な話しに移行していく。

 俺の意見が聞かれずに、話が進んでいる気がするんだけど。



「あの。話はまだ続くのかな?」



「「「まだかかるわ。かかります。わ」」」



 クワッと一斉に声が返ってきた。

 うわ! 怖い。



「大体。タクトが、いつまでもハッキリしないからこうなるんだからね? ほんとにもう」



「すいません」



 お邪魔みたいだし、側にいたら巻き込まれそうだから離れていよう。

 ナエに相手してもらうかな。



「ナエは……いた」



 前回同様に、お行儀よく食事をしていた。



「お兄ちゃん女の戦いは激しいの。お母さんも、お父さんと仲良しだった女の人と、戦っていたの。その後何でか分からないけど、お父さんがお母さんに叩かれていたの」



 ナエの親父さん……大丈夫だったのだろうか……。

 ナエに相手をしてもらいながら、二人でご馳走を堪能させてもらった。


 結局、その後も女三人の話し合いは続き、俺は先に用意してもらった部屋で休ませてもらった。




 翌朝。




「それじゃあ。四日後にルーデウスで会いましょう」



 若干眠たそうな顔のアリサ女王と、次に会う日付の確認をする。

 話し合いは、何時までやってたの? と、起床してからアルフィンに確認すると、日付は優に越えていたそうだ。

 女性陣はタフなんだな。

 俺は夜更かしとか得意ではない。



「はい。隊の編制のほどよろしくお願いします」



「任せときなさい。ハーディーンに一泡吹かせてやるわよ。それと、あなた達。昨日の取り決め通りにね」



「ええ。分かっていますわ。それでは」



「ん? 何の話し?」



「タクトはまだ知らなくても良いことよ」



 一つの疑問を残し、エリス城を出てオーキンス邸へ向かった。



「これが。新しい皆さんの専用装備です。今までの素材と、新たな素材をたっぷりに使用させてもらいました。わたしが造れる最高の物が出来たと、思います」



「うわぁ! 凄いの! 新しくて、可愛くて、収束もパワーアップしてるの」



「本当ですね。破魔も、これ程に強化されているとは。お見逸れしました」



 皆がいうように、今までの専用装備よりも、かなりの強化がされている。

 これは、凄い物を造ってくれた。



「ありがとうございます。この新しい専用装備で、決戦に勝ってきます」



「クララさん。ありがとうございます。この様な素晴らしい物を。お顔を見ると、目元に隈が出来ておられます。もしかして、寝ておられないのでは?」



「あはは……。造るのが、楽しくて……つい。それを言うと、アルフィン王女様達も、隈が……」



「わたくし達の事はよいのです。この御礼は、大戦が終わってから改めてさせて頂きますわ」



「そ、そんな! 御礼なんて。この大変なご時世で出来ることをやるのは、当たり前です」



「いいえ。それだけの働きをクララさんは、していただいたのです。アリサ女王からも、何かあるとは思いますが。次にお伺いするときには必ず」



「はい。またお会い出来るのを楽しみにしていますね。皆さんの無事を祈っています」



「では。これで」



 新たな専用装備を造ってくれて、俺達の戦力は上昇した。

 後は、各国を回りながら、()()()()()全体のレベリングをしながら、やれることをやっていこう。


お読み頂きありがとうございました

(*- -)(*_ _)ペコリ

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