109話 前進そして成長
よろしくお願いします!
俺がいかにたくさんの人達に、支えられ、守られていたのかを再認識した。
すると。自分でもよく分からない程に、涙が出て止まらなくなり、泣いて、泣いて、ここ数年分の涙を流したような気がする。
そんな俺が落ち着けたのは、優しく側に寄り添い、温もりをくれた三人の存在だった。
「突然泣き出してごめん。でも、もう大丈夫だから。慰めてくれて、ありがとう」
「いいえ。タクトさんだって泣きたい時だってあると思います。
ですので。いつでも泣きたい時は、わたくしの胸をお使いくださいな。いつでも、ええ。いつでもどうぞ」
「そうですね。殿方だから、泣いてはいけないということはないです。私達にとっては、役得ですから。気にしないでください」
「あたしも、だっこ好きなの。だからいつでもどうぞなの」
ありがたい提案を受けて、もう一度甘えたくなったけど我慢する。
「その時は、またお願いするよ。ありがとう」
それから少しの間、明るい話題を選択して会話を楽しんだ後。
情報共有とこれからの事を打ち合わせすることにした。
「それで。今後の事を話す前に、皆も気になっていると思うから俺が女神から聞いた事を話しておく」
倒れた後の事、女神とハーディーンの存在、このマギア・フロンティアの事、そして俺の転生の真実を皆に話した。
「……ハーディーンも、女神様と同様の存在だったのですね。長い時間ずっと人類を見守り、そして……おかしくなった。ハーディーンは確かに悪ですが、一概に責められるものではないですわね。同情すらも感じてしまいそうです」
「人間には、善人もいれば、残念ながら悪人もいるのは事実です。
そうした人間の醜い部分を見てきた本人にしか分からない事もあるのでしょう。しかし、ユグドラシルにはそんな機能があったのですか。現代には、文献に少し残されている情報量しかないので、おそらくシャトヤーン様も知らないと思います」
「よく分からないけど、ユグドラシルは壊させちゃ駄目な事はわかったの」
「俺も女神から聞いて色々と思うところはあったよ。だからこそ、ハーディーンをただ倒すだけじゃなく、自分がやった責任もきちんと果たしてもらいたいと思っている」
これは、俺が話しを聞いて思った事。
女神も望んでいた事だと、思うから。
でも、その為には今やらないといけないこともある。
「それじゃあ。次にこれからの事だけど、俺が倒れてからどれだけ経っているのかな。その後の動きとかも教えて欲しい」
「タクトさんが倒れられてから、一日ちょっと経過しています。
ユーリ陛下からは、ハーディーンが復活するまで、一週間程の猶予はあると聞いております」
「うん。俺もユーリから直接聞いたよ」
「タクトさんが倒れていた間に、アーロン皇帝に連絡をして、タクトさんが倒れたこと、ハーディーンが復活するまでの期間等、一連の流れを伝え、各国にも連絡をお願いしております。それと、決戦に向けて隊の編成も進めて頂いています。準備を進めていき、五日後にルーデウス帝国に集まる事になっています」
「大体分かったよ。ありがとう俺が居ない間に動いてくれていて、助かった。そういえば、ユルゲン陛下や、レスターさんも大丈夫?」
ドレアム達四天王の襲撃で、トランスヴァールはめちゃくちゃにされていた。
民の人達を避難させている事は聞いていたけど、その後の事は知らない。
「はい。トランスヴァールは、ほぼ崩壊しましたので国を出て、シーゲル陛下が先導の元、クリスタにて二国合同の隊の編成をして頂いています。民達も、一旦クリスタに移っております」
「それだったら、ひとまずは安心かな。よし、大体どうするかは、固まってきたから、竜王に挨拶してから動こう。時間が勿体ない」
医療用のベッドから起き上がり、竜王の魔力がある見透しの塔へ向かうことにした。
そういえば、話しに集中していたり、ドタドタしていたから気づかなかったけど。
ユーリが力を与えてくれた事で、体に力が満ちているのを感じる。
体の内外が、強化されたような。すこぶる体が軽い。
これが、女神が言ってた実感ってやつか?
女神から力の強化もしてもらったし、教えてもらったスキルの確認もしたいから、暫くぶりにステータスを見てみるか。
「……え?」
タクト
究極の魔王
レベル 計測不能
スキル 魔力操作(EX)、遠距離魔法(EX)、
近接戦闘(EX)、ステータス表示(完全)、
経験値ブースト(EX)、縮地、限界突破(EX)、
ほぼ全ての魔力行使、気配察知、魔力空間、
全平行世界最高の身体能力、神に対抗する力
……暫くステータスを見てなかったし、ユーリから授かった力もあるし、女神から力の強化をしてもらったからある程度は凄い事になっているとは思っていたけど。
これは、予想以上というか……やり過ぎなのではと思う。
でも、ハーディーンは力のほとんどをユグドラシルに置いてきたけど、元々戦の神だから強いと女神も言っていた。
実際に戦った感じとしても、あれ以上の強さも持っていそうだったし、それに。
ユグドラシルに攻め込んできたのだって完全に力を取り戻していない状態だった筈だ。
あの強かったユーリだって、苦戦したんだからこれでも楽観出来ない。
だから、傲らず鍛練しないと。
この力で、今度こそ。
勝つんだ。
お読み頂きありがとうございました
(*- -)(*_ _)ペコリ




