表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】異世界でお兄様に殺されないよう、精一杯がんばった結果【コミカライズ】  作者: 倉本縞


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/100

77.婚約者か犯罪者か

「もう一度言ってくれ……」

「んっ」


いや、言ってくれって、口ふさがれてたら何も言えないんですけど!


「マリア……」

酸欠寸前まで唇を貪られ、へなへなになった私に、お兄様が顔をすり寄せて言った。


「おまえも、わたしに会いたかったと?」

「……はい……」

「本当に?」


お兄様が顔中にキスしながら、焦れたように言う。

「言ってくれ、マリア」

だからキスされてたら言えないんですってば!


「わ、私もお会いしたかったです」

キスの合間になんとかそう口にすると、お兄様の表情が嬉しそうにほころんだ。


「……ずっと、おまえのことばかり考えていた」

「お兄様」

「約束を果たしてもらうぞ」

ん?


お兄様は私と額を合わせると、切れ長の瞳で射抜くように私を見た。


「今週中に挙式する」


有無を言わせぬその迫力に、私は息を飲んだ。

「い、いや、あの、今週中ってお兄様」

「否も応もない。約束したはずだ」

お兄様の目つきが鋭くなる。

ちょ、ちょっと怖いんですけど。


「いえあの、ドレスがまだ」

「……まだ仕上がっていないのか? 注文してもう二ヵ月は経っているはずだが」

ウェディングドレスは、注文から出来上がりまで、半年以上かかることもある。

実際、王族のウェディングドレスなんかは、一年以上かかるのが常識だ。


……というようなことを説明すると、お兄様の表情が険しくなった。

「わかった。それはわたしが何とかする」

いや、何とかって。まさかお兄様がちくちく縫い上げるという意味ではないですよね?

「いざとなれば、剣で脅してでも仕上げさせる」

ああー、そっちですか……。


「マリア、愛している」

お兄様はささやき、私の首筋に顔を埋めた。


「……もう、おまえを他の誰かに奪われるのではと、怯えて日々を過ごしたくないのだ」

「いやあの、お兄様以外に私を欲しがる人なんて」

言いかけて私は、はたと王子様の件を思い出し、口をつぐんだ。


うーん。

でもあれ、本気だったのかな。

半分くらいは、面白がって言ってただけって気もするけど。


「……何か思い当たる節があるようだな?」

お兄様の手が私の顎をつかみ、強引に目を合わせられた。


「正直に言え。……王太子殿下と、何があった?」

ひー!

このカンの良さ、お兄様って超能力者か何かじゃないかと、たまに疑うわ!


「ロッテンマイヤーが脱獄した際、おまえが王宮にいたことはわかっている」

「えーとえーと、リリアに……」

「おまえの学友は、王妃殿下の命でロッテンマイヤーの様子を見に行ったとか。……その際、何らかの術をかけられ、ロッテンマイヤーを脱獄させてしまったと聞いた」

お兄様がうっすらと酷薄な笑みを浮かべた。

そういう表情をしていると、いかにもな闇の伯爵感が出て、ちょっと……いや、かなりコワい。


「だが、おかしいではないか? 塔から脱出したのはいい、だが、どうやって誰にも見つからず、あの厳重な警備のしかれた王宮から抜け出せたのだ? 誰かの手引きがあったとしか、考えられぬ」

「あのあの、正直に言います、ぜんぶ言います! ただあの、ここでは……」


ここは王宮、しかも王妃殿下の私室の隣だ。

扉の外では侍女達が聞き耳をたてているだろうし、他に誰に聞かれているかわかったものではない。


「わかった。一度、屋敷に戻ろう。……そこで全部、吐いてもらうぞ」

なんか婚約者というより、犯罪者として扱われてる気がするんですけど!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ