戦局は一方通行ではない
「やるじゃねぇか姉ちゃん。 ますます欲しくなったぜ! 俺のオープニング、そしてドロー、 プラポレーションタイム。 俺はコストを8支払い、「デスブーメラン」を召喚!」
『モンスター:デスブーメラン レアリティ 紫 コスト8
種族 付喪神
このカードが捨て場に存在する時、自分フィールドのモンスターの装備カードとなり、このモンスターのステータス分、上乗せする。
手札の装備カードを1枚捨て場に送ることで、自分フィールド上に、モンスターとして召喚する。
ATK 10 HP 8』
浮いているブーメランに不気味の顔のついたモンスターが現れる。 色もかなり悪趣味な色だ。 アリフレアが怖がって俺の袖を掴んでいる。
「セイジ、私はあのようなモンスターを初めてみる。 なによりもその効果が、知らないはずの私でも危険な匂いがする。」
「気が付いたようで何よりだよ。 それとも直感か?」
「セイジはあのモンスターの脅威が分かるのか?」
やつの効果の強さは、捨て場にいれば必ず装備カードとして戻ってきて、更にフィールドに出せるので、盤面を作りやすいところだ。 捨て場からの復活はやはり強力だな。
「更に俺はコストを8支払い、「リサイクルサムライ」を召喚!」
『モンスター:リサイクルサムライ レアリティ 桃 コスト8
「召喚時」捨て場にある装備カードを1枚、このカードに装備する。
ATK 12 HP 9』
「俺は捨て場にある「鋭き刀」このモンスターに装備する。 まだまだ行くぞ! コストを5支払い、魔法カード「砥石」を発動!」
『魔法カード:砥石 レアリティ 紫 コスト5
このターン、装備カードのステータスを倍にする。』
「セイジ、これは流石にまずいのではないか? このままでは先程与えたダメージ量を軽く越えるぞ。」
それはゼルダも分かっているはず。 ならばゼルダはこの戦局をどう動くのか。
「コンバットタイム! リサイクルサムライ! その子猪を斬ってしまえ!」
リサイクルサムライはウリオークに突進している。 これを食らえば、大ダメージは避けられないが、ゼルダはなにもしない。 手札にインタラプトカードが存在しないのか。 そしてウリオークは鋭き刀の錆びとなった。
フィールドには風が吹き荒れる。 しかしゼルダは微動だにしていなかった。
「ボクはコストを4つ支払って、インタラプトカード「狩られることの理解」を発動する。」
『魔法カード(インタラプト):狩られることの理解 レアリティ 水色 コスト4
「獣族」が戦闘で破壊された時、そのダメージを半分にする。』
その風の荒々しさが少し穏やかになったが、ゼルダ自身は少し寂しげにしていた。
「更に! デスブーメランで、ホッパー・ザ・ヘッジホッグを攻撃!」
デスブーメランはその体を回転させ、ホッパー・ザ・ヘッジホッグを凪払っていった。 ダメージは抑えれたかと言えば抑えられたが、大ダメージなのには変わりはない。 ゼルダのライフコアは「74」。 まだまだ大丈夫だとは思うが、敵のモンスター効果なんかを考えると、攻撃させるためのモンスターも限られてくるぞ。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」
「ボクのオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」
状況は大幅に変更された。 盤面を無理に取り行く必要はないが、そこら辺りの判断が、果たして出来るだろうか?
「ボクはコストを4つ支払って、魔法カード「野生の勘」を発動するよ。」
『魔法カード:野生の勘 レアリティ 水色 コスト4
自分の手札の「獣族」モンスターを捨て場に送ることで、カードを2枚ドローする。』
「ボクが捨てるのは「エレファントガイア」。 これでカードを2枚ドローするよ。」
「余程手の内が悪かったようだな。」
「あの象さん、強そうに、感じました、が。」
「いや、あそこで捨てたのはコストと場面の割に合わなかったんだろう。 だけどその判断は間違ってないぞ。」
「ボクはコストを9つ支払って、「森の守人 トルネルド」を召喚。」
『モンスター:森の守人 トルネルド レアリティ 桃 コスト9
種族 獣人族
自分フィールドに「獣族」が召喚されるとき、このカードはコンバットタイム時にもう一度攻撃が出来る。
ただし、2回目の攻撃時は攻撃力が半分となる。
ATK 16 HP 10』
「更にコストを4つ支払って、「グリーンシープ」を召喚。」
『モンスター:グリーンシープ レアリティ 水色 コスト4
種族 獣族
フィールドに存在するこのカードを捨て場に送ることで、自分フィールドのモンスター1体に対する戦闘、及び効果による破壊を無効にする。 このカード効果は相手のターンでも使用可能。
ATK 4 HP 3』
グリーンシープの効果を使って、トルネルドを守る算段だな。 しかもサンライトジャングルの効果が発揮しているので、攻撃も期待が出来る。
「コンバットタイム。 ボクはトルネルドでリサイクルサムライを攻撃するよ。」
トルネルドは自分の体をぐるぐると回して、リサイクルサムライに当たりに行く。 リサイクルサムライもそれに対応するが、攻撃を止めることができず、そのまま体をガリガリと削られていった。
「トルネルドの効果で、ボクは「獣族」を召喚したことで、もう一度攻撃が出来る! さあ、残りのもう一体にも攻撃だ!」
もう一度トルネルドの攻撃が始まり、デスブーメランを粉々にしていった。 そしてサンライトジャングルの効果は別枠になっているので、ライフコアに入るダメージは「5」となる。
「そしてグリーンシープも攻撃。 ライフコアに直接攻撃だ!」
そしてグリーンシープも突進していく。 他のモンスターと違い、グリーンシープは複数回攻撃は出来ないものの、サンライトジャングルの効果で十分の戦力にはなっていた。
これで相手のライフコアは「35」。 かなり凌ぎは削っている。
「クールタイムに入り、ボクはエンディングを迎えるよ。」
「セイジ。 これでもまだ、彼女が負けると思っているのか?」
ベルジアが再度俺に疑問を投げ掛ける。 確かに2ターンとは言え、ここまでライフコアを削り合っているのは、簡単な話ではない。 むしろこのまま早期決着何て言うのもあり得なくはない。 だが
「さっきも言っただろ? 隙をいかに出すかって。 勝ちそうになっているやつ程、そこに油断が生まれ、勝ちを逃す。 上手いヤツはそこに漬け込むのも上手いんだよ。 俺は勝てないと思ってるから言ってるんじゃない。 むしろ勝ちは確信を持たない方が身のためだと言うことを言いたいんだよ。 あれを見て分かるだろ? 盤面なんか瞬間で返される。 有利不利はこの場合では意味がないんだよ。」
それに大体こういった片方有利って場合は相手が予想だにしないものを出してきたりするんだよね。
「俺のオープニング、そしてドロー! くくくっ! わりぃな姉ちゃん! この勝負、俺の勝ちみたいだぜ? プラポレーションタイム! 俺はコストを24支払い! 「最強の武器の使い手」を召喚!」
『モンスター:最強の武器の使い手 レアリティ 金 コスト22
種族 傭兵
自分ターンに1度、自分の捨て場にある装備カードを装備する。
このカードに装備されている装備カードを外すことで、このカードの破壊を無効にする。
ATK 25 HP 8』
現れた最強の武器の使い手は剣やら槍やら棍棒やら、とにかくありとあらゆる武器を背中に背負い、自分は槍を手に持っていた。 頭巾のような物も被っているのと、達磨のような顔をしているのを見て、俺はこんな武将がいたなと思っていた。 誰だっけ? 宮本○蔵? いや○蔵は○でも○蔵坊弁○の方か。
まあ、そんなことはどうでも良くて。
「セイジ。 貴殿の言っていたことを、ようやく理解できたような気がする。」
「・・・俺はこんな事だろうと思っていたぜ? 引き運は平等にあるんだよ。 普通はな。」
「ゼルダさん・・・」
三者三様の反応があり、そしてゼルダ自身も、あまりいい表情とは言えなかった。
「捨て場の「デスブーメラン」の効果! 最強の武器の使い手に装備させて、デスブーメランの効果により、俺は手札の「過ちの盾」を捨て、「デスブーメラン」をフィールド上に呼び寄せる! 更に最強の武器の使い手の効果により!捨て場の「鋭き刀」を装備させるぜ! はっはっはっはっ! どうだ! これこそが俺の最強の布陣だ!」
「ぐっ! なんて布陣を作ってくるんだ! ・・・しかし待て。 捨て場から装備カードを装備する効果は1ターンに1度だろう? なぜ「最強の武器の使い手」に装備カードを2回装備させることが出来たのだ?」
お前・・・
「最強の武器の使い手に武器を2回装備したんじゃなくて、デスブーメランの効果でデスブーメランが装備カード扱いで最強の武器の使い手に装備したんだよ。 で、自身の効果で、手札を捨てさせて自分はフィールドに現れる。 これをすることで、最強の武器の使い手の効果を発揮させること無く、デスブーメランは召喚出来たんだ。 デスブーメランは最強の武器の使い手を媒体にして、自身を復活させたんだよ。」
というか相手が丁寧に説明していただろう。 なんで理解できないんだよベルジア。 賢いんだかバカなんだか。
「さっきの分はお返しするぜ! デスブーメランよ! グリーンシープを攻撃しろ!」
流石に向こうも分かっているか。 だが
「グリーンシープの効果。 グリーンシープを捨て場に送ることで、ボクの場のトルネルドは破壊されない効果を持つ。」
グリーンシープの毛皮が剥がれ、それをトルネルドに包んでいく。 そして毛刈りされたグリーンシープはそのまま消滅していった。
「ちっ。 対象がいないことでデスブーメランは攻撃が出来ない。 だが最強の武器の使い手はまだ残ってる。 破壊は出来なくてもダメージは通るんでなぁ!」
最強の武器の使い手の剣がトルネルドを叩ききろうとする。 それを剣で受け止めるが、耐えるのがやっとのようで、ライフコアにビシビシと石の破片がとんでいった。
「くっ。」
ゼルダのライフコアも大分削られて残りは「48」。 しかしここからが本当に厳しくなる時間だ。
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。 くくくっ。 このまま貰っていってやるぜ。」
スキンヘッドはやけに勝ち誇ったように笑っていた。 この場面をどうする? ゼルダ。
現状
スキンヘッド ライフコア31
最強の武器の使い手 装備 鋭き刀
デスブーメラン
ゼルダ ライフコア48
風の狩人 トルネルド




