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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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崇める存在か

「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 大ダメージは与えられなかったものの、何とか相手を削ることが出来た。 そして俺のフィールドに厄介なモンスターもいない。 それは向こうだって同じこと。 いや、むしろ見た目だけなら状況は向こうの方が不利に近い。 だがそれだけで済むとは思ってなどいない。


「僕は「改変領域」の効果を発動する。」


 毎ターン行っているが、そんなに手札が悪いのか、それともそもそも手札で動かすようなデッキじゃない?


 ダイスが振られて出目は「4」。 つまり4枚のカードをデッキに戻してドローする。 そしてそのカードはこのターンは使えない。 インタラプトカードならばそれでも構わないが、モンスターがいないのに手札ばかり交換するのは、悪手では無いか?


「僕はコストを9支払って、君のモンスターを捨て場に送り、「乾燥生災蟻 ガッサー」をそちらの場に召喚する。」


『モンスター:乾燥生災蟻 ガッサー レアリティ 銅 コスト 9

 種族 昆虫族

「生災」と名の付いたモンスターは自分フィールドに1体しか存在できない。

 このカードは相手フィールドのモンスターを1体捨て場に送ることで、相手フィールドに召喚する。

 このカードがフィールドに存在する時、自分フィールドの他のモンスターの攻撃力は5下がる。

 エンディング時このカードに「生成」カウンターを1つ置く。 自分で「生成カウンター」を2つ取り除く事で、相手フィールドのモンスターの攻撃力を5下げる。

 ATK 21 HP 10』


 新たな生災モンスター。 今度は蟻か。 しかし今度のは攻撃は可能なようなので、大量展開よりは攻撃力の高いモンスターを出すのが今は妥当なようだ。


「・・・君のその表情。 こんな状況になったところで全く関係無いって感じだ。 実際に災害が起きた時は、どんな世界でも人は右往左往し、混乱し、挙句の果てに未来を考える。 君にはそう言った感情が見られない。」

「別に災害は実際に自分に振りかかってる訳じゃない。 それにこれはカードゲームだ。 実際に世界に影響する訳じゃない。 というか俺がこの程度で慌てふためくと思っていたのか?」

「そういう、自分の運命に抗おうとする姿勢があるから、人は正しい道を外れて、道無き道をどんどん進む。 クールタイムに入って、僕はエンディングを迎える。」


 今回もなにも無しか。 奴の手札もそろそろ改変領域を使うには渋る頃合いだろう。 だが効果は強いので破壊はしないと言った具合か。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。」


 こっちもそれなりに手札は揃ってる。 改変領域の効果は使用しなくても問題ないくらいにな。


「俺はコストを15支払い、「トワイライトナージャ」を召喚する。」


『モンスター:トワイライトナージャ レアリティ 銀 コスト 15

 種族 爬虫類族

 手札を1枚捨て場に送ることにより、自分の捨て場のモンスターの効果をこのターンのみ使用可能になる。 この効果を使用する場合、戦闘ダメージは半分になる。

 このカードが戦闘及び効果で破壊された時、このカードのコスト以下の自分の捨て場のモンスターを自分フィールドに召喚する。

 ATK 20 HP 20』


「トワイライトナージャの効果発動! 手札を1枚捨て場に送ることで、俺は自分の捨て場の「フレアマグネッター」の効果をトワイライトナージャに付ける。」

「ふぅん。 フレアマグネッターの効果をもう一度使用って事。 本当に抜け目がないね。」

「これもお前との戦いを教えてくれた奴のおかげだよ。 完全に対策は出来なかったが、十分に力は発揮できる。 コンバットタイム! 俺はガッサーでお前のライフコアに直接攻撃!」


 ガッサーの口から放つ光線によって、ライフコアが削られる。 こちらはまだダメージらしいものを受けていない。 このままでは一方的な試合展開になっていく。 俺にとっては嬉しいことのはずなのだが、釈然とはしていない。


「いや、どんな理由があるかはいずれ分かること! クールタイムに・・・」

「おっと、そうはいかない。 コストを5つ支払い、インタラプトカード「抗えぬ闘争心」を発動。 これにより相手の場のモンスターは全員攻撃を行わなければならない。」


 ちっ。 相手が攻撃をしてこない時の対策はしてあったか。 恐らくこの「生災」モンスターの中には、攻撃を行うことで所持しているプレイヤーにデメリットが発生する奴もいるんだろう。 考えられてやがるぜ。


「ならば仕方がない。 トワイライトナージャ、ライフコアを攻撃しろ!」


 ダメージ自体は半分になるがライフコアは削れることになる。 だがあれだけ交換した手札の中に対抗策が無いとは限らない。 さて、どう出るか。


「僕はコストを4つ支払い、インタラプトカード「鉄の盾」を発動。 これによって攻撃は無効だ。」


 ライフコアを支払った割にはタイミングを間違えているようなカードだ。


「なら俺は改めてクールタイムに入って、エンディングを迎えるぞ。」

「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 僕はコストを10支払って、魔法カード「ロンリードロー」を発動。」


『魔法カード:ロンリードロー レアリティ 銅 コスト 10

 自分フィールドにモンスターがいない時、カードを2枚ドローする。 その中にモンスターが存在しない時、更にカードを1枚ドローする。』


 本来ならば起死回生のカードとも言える魔法カードを惜し気もなく使ってきた。 敵はカードを2枚ドローした。 そして確認して、更に1枚ドローする。


「改変領域が使えないけど、これならいいかな。 僕はコストを16支払って、君の場のモンスター2体を捨て場に送り、「竜巻生災鷹 トルホーク」を召喚する。」


『モンスター:竜巻生災鷹 トルホーク レアリティ 銀 コスト 16

 種族 鳥獣族

「生災」と名の付いたモンスターは自分フィールドに1体しか存在できない。

 このカードは相手フィールドのモンスター2体を捨て場に送ることで、相手フィールドに召喚する。

 このカードがフィールドに存在する時、所持プレイヤーは魔法カードを使う時、使用コストが2倍になる。

 エンディング時にこのカードに「生成」カウンターを1つ置く。 自分で「生成」カウンターを3つ取り除く事で、取り除いたターンのみ、魔法カードの使用コストを0にする。

 ATK 25 HP 20』


 ガッサーもろとも捨て場に送り召喚されたのは、空高く舞う緑色の鷹だった。 魔法カードの使用コストが倍か。 使い所は考えないとな。 そしてこうやって戦って思うことも出来てきた。


 多分あいつは自分に不利益な事が起きてから行動を起こすタイプだ。 と。

 自分から動かないのは神として一線を越えないようにするためだろう。 だがこちらが困っていたとしても手助けや手出しをしない。 良く言えば放任主義、悪く言えば人任せだ。 そんな奴を崇めたいなんて奴は余程じゃない限りはいないだろう。


「クールタイムに入って、僕はエンディングを迎える。」


 そしてこれ以上の事をしてこない。 攻撃されるのを見越した上で無防備状態を晒しているのだろうが、今のこいつらではこちらの圧倒的有利しか浮かんでこない。 「改変領域」の効果を常に使っていたが、一体何を待っている? そのカードが来る前に決着まで持っていかなくては。


「俺のオープニング、そしてドロー。プラポレーションタイム。 俺は「改変領域」の効果を発動する。」


 ダイスロールが行われる。 出目は「3」。 今は使いどころの無いカード達を戻し、カードを引き直す。 手元のカードは次のターンは使えないが、この場合は逆にいいだろう。 残しておいたモンスターも魔法と組み合わせて使うので、トルホークをどうにかしない限りはまだ出す必要は無いだろう。 問題なのは奴がまだ守備的措置を取っていることだ。 あれだけ手札を入れ換えておきながらこちらに送るだけ送っておいて、自分はモンスターを出さない。


「コンバットタイム! トルホークでライフコアに直接攻撃!」


 ダメージレースはこちらが圧倒的だ。 畳み掛けれる所は畳み掛けなければ、巻き返しの一手が相手に必ずやってくる。 その状況で逆転されるのは避けておきたい。


 ライフコアへの攻撃をまた止めずに受け入れる。 本当にこいつは神になりたいのか?


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」


 ライフ差が明白になってきた今。 奴はどう動き直す?


「僕のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 ・・・くくくく。」


 お。 珍しく笑いを出した。


「くくくく。 この時を待っていたよ。 君が他のカードを使わないこの時をね。」


 そっちの笑いかよ。 いや、別にモンスターを出さなかったのも、魔法を使わなかったのも、今の時にやるほどでもないなって思っただけの事だ。 強いて言えばお前のためじゃない。


「僕のモンスターはこう言う時に役立てるのさ! 僕はコストを12支払い、魔法カード「未曾有の狂気」を発動する!」

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