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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
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様変わりしたデッキ構築

最初は第三者視点でお送りして、その後にまたセイジの視点に戻ります。

「な、なんだ!? あのモンスターは!? セイジのモンスターを糧として、それでなおかつ相手の場に召喚させただと? そんなことになんの意味がある!?」


 驚きの声をあげたのはメンバーの中でもカードゲームの戦いに精通しているベルジア。 彼もセイジ達と同じ様に、色んな人物のカードバトルを見てきた。 だがそんな彼でも衝撃的な敵のカード。 動揺が伝わってくるようだ。


「あいつは俺っちを苦しめたあの警官とやっていることが同じ・・・いや、それ以上かも知れないッス。 でも特性が全く見えてこないッス。」


 こちらもベルジアと同じ様にカードゲームの戦いを見てきたファルケン。 彼は過去、亜人だからと街で一部の人間に虐げられてきた。 そしてその虐げていた警官の戦い方と似ていた。 セイジはそんな相手でも勝利をもぎ取り、その他人を省みず真っ向から立ち向かっていったセイジに感銘と尊敬を受け、セイジに着いてきた。 故にトラウマ程ではないが、嫌な思い出が彼の中に甦ってくるようだった。


「相手にわざわざあんな強力なモンスターを渡すなんて・・・それどけあのモンスターにはなにか隠されているの? 自分の手には負えない程のなにかが?」


 現時点において焦点を敵のカードにしているのは魔法使いのサヴィ。 彼女はこの場にいる誰よりも長命で、外の世界を見てこなかったとは言え、戦術に関して言えばセイジに引けを取らない。 だがそんな彼女ですら今の状況は理解し得ていない。 いや、理解をしようと必死なのだ。


「・・・勝てるの? セージは? あんなモンスターを操る相手を?」


 セイジの前に現れたモンスターを見て恐怖を覚えているのはゼルダ。 彼女の中の動物的本能が、敵との対峙を拒んでいるかのように、全身の毛が逆立ち、身体が震えている。 逃げ出したい気持ちでいっぱいいっぱいになっている。


「ご主人様・・・」

「セイジ様・・・」


 嫌な予感が当たったとばかりに不安になる2人の少女。 アリフレアはセイジに助けられてから彼の役に立ちたいと必死になっていたり、タッグバトルでは自分の命を捧げてまでセイジに勝利を与えた。 セイジにとっては彼女は保護対象なのだろうが、アリフレアにとっては掛け替えの無い存在になっている。


 またミルレも未来視でみた上でセイジを未来の伴侶にしたが、王族だからだとかそんなのは関係無しに、ただただ目の前の背中を見ていたい。 願うならば同じ高さの目線で色んなものを見てみたいと言う願いがある。


 だからこそ意趣は違えど、2人にとってセイジが遠くに行ってしまうことを誰よりも恐れた。 負けてしまえばこの世界があの神に取られてしまう事よりも一大事な事だと。


 そんな2人の頭に手が添えられる。 セイジのものではない。 ならば誰のものかと見上げると、そこにはレイトの姿があった。


「心配するな女子達よ。 セイジ殿は必ず勝利をもたらしてくれようぞ。」


 その瞳に嘘偽りが無いことは彼女達にも十分に伝わっていた。


「レイト。 根拠の無いことを言わない貴殿だから敢えて聞こう。 本当に勝てるのか? セイジは。」

「敵の全貌が見えぬ内はセイジ殿が圧倒的に不利で御座ろう。」


 レイトも包み隠さず当たり前の事を言ってくる。 敵がどんなものか分からなければ対処の仕方などあるわけがない。 不安は募るばかりだ。


「しかし」


 そんな仲間の不安を何て事の無いようにレイトは続ける。


「セイジ殿は既にこの状況は予期していたで御座ろう。 そして対抗手段も山札の中に入れているで御座ろうな。」

「・・・嘘でしょ?」


 レイトの答えにゼルダは驚愕する。 確かにあの新米兵の情報を聞いた後に、相手がどんな風に戦うのかは把握していたと言っていた。 しかしたったそれだけの情報で、相手と渡り合える程のデッキが出来上がっていたと言うのか。


「最後のデッキ確認にそんな意味があったんスか・・・」

「セイジ殿にとって相手の情報不足など、枷にはならぬので御座るよ。」

「それならあたいたちも信じることにしましょうか。」


 サヴィは全てを理解したようで、セイジが負ける事など頭に残っていなかった。


「それがよいで御座る。 信じる力がセイジ殿にとっての、一番の源で御座る。」


 そうレイトに言われて、2人の少女もハッとして、セイジに向けてお祈りを掲げた。 必ず勝って帰ってくると信じて。


「セイジ殿。 この世界に神は要らぬとは思ってなどおらん。 しかし信じるべき神はそのような紛い物ではないで御座ろう。 汝に、勝利の微笑みを。」


 レイトもまた、彼の勝利を願うのだった。


 ――――――――――――――――――――


 俺のモンスター2体を犠牲にして召喚したこの土色の蛇。 一見相手に有利を与えたようにしか見えない場面ではあるが、こんなことで喜ぶ俺ではない。 このあと奴がどう動くか見るために、俺は構える。


「クールタイムに入って、僕はエンディングを迎える。」


 向こうは無防備のままこちらにターンを回してきた。 ・・・誘っているとみて間違いないな。 しかし怯んではいられないな。


「俺のオープニング、そしてドロー! プラポ・・・」


 次の場面に入ろうとした時、空が更に暗くなる。 何事かと上を見上げれば、そこにはサンクラが俺を見ていた。 そして大きな口を開けて、俺に対して攻撃を仕掛けた。 当然守る術はない。 俺はただその攻撃を食らうだけだった。


「ぐあっ!」


 ライフコアが削られるのが確認できた。 敵は笑っている。 分かってはいたことだが、最初からこれが狙いだったな。


『モンスター:土砂生災蛇 サンクラ レアリティ 銀 コスト 16

 種族 爬虫類

「生災」と名の付いたモンスターは、自分フィールドに1体しか召喚できない。

 このカードは相手フィールドのモンスター2体を捨て場に送り、相手の場に召喚する。

 このカードがフィールドにいるプレイヤーはドローを行う度に、ライフコアを5つ失う。

 コンバットタイム時、このカード以外の自分フィールドのモンスターは攻撃できない。

 エンディング時、このカードに「生成」カウンターを1つ置く。 自分でフィールドの「生成」カウンターを2つ取り除く事で、自分フィールドのモンスターは攻撃が可能となる。

 ATK 30 HP 16』


 ドローの度にライフコアにダメージを与えるのに加えて、こっちの複数回攻撃も封じてくるか。 ある程度は予想していたとは言え、実際にやられると面倒極まりないな。 だがこっちだって対抗手段が無い訳じゃないし、なんだったらさっきのドローで来てくれた。


「俺はコストを10支払い、「フレアマグネッター」を召喚する!」

「おやおや。 改変領域は使用しないのかい? 折角未来を変えるチャンスなのに。」

「はん! 未来を変えるって言い方は便利だが、そんな簡単に未来が変わったら、人間誰も苦労してないっての。 無理して変える必要の無い未来だってあるんだ。 フレアマグネッターは召喚成功時、相手のライフコアに10のダメージを与える。」


 フレアマグネッターの手元に持っていた炎を纏った磁石が、敵のライフコアに張り付いて、そのまま炎が消えるまで、ライフコアに張り付いていた。


「コンバットタイム! 俺はサンクラでライフコアを直接攻撃!」


 他のモンスターは攻撃出来なくとも、その張本人は影響を受けていないので攻撃が出来る。


「さぁどうする!? 自分の送ったモンスターの攻撃だぜ?」

「僕はコストを5つ支払い、インタラプトカード「反射壁」を発動。 これによって君のモンスターの攻撃は君自身のライフコアに振りかかる。」


 敵の目の前でサンクラの土砂攻撃が止められた上でこちらに押し寄せてくる。


「僕が無防備でいるなんて考えは甘かったんじゃないの? 神に刃向かった罰は受け入れないとね。」

「そっちこそ、その程度の事が見抜けない位の間抜けだと思ったか? 俺はコストを8つ支払い、インタラプトカード「エクストラウォール」発動! これで丁度サンクラの攻撃力分のダメージを無効にする。 そう言ったのも対策済みなんだよ。」


 そして今のでハッキリと分かったのは、相手はこっちが勝手に自滅するような立ち回りをしてくると言うことだ。 そしてその墓穴に嵌まっていけば、もう抜け出すことなど不可能な位に取り返しのつかない事になる、という算段だったのだろう。


 だがそんな戦術は俺には通用しない。


「クールタイムに入り俺の場の「フレアマグネッター」の効果を発動。」


『モンスター:フレアマグネッター レアリティ 銅 コスト 10

 種族 炎族

 このカードの召喚成功時、相手のライフコアに10のダメージを与える。

 このカードがコンバットタイム時に戦闘を行わなかったクールタイム時、このカード以外の自分フィールドのモンスターを破壊する。

 ATK 18 HP 12』


「マグネッターが戦闘を行わなかった事により、このカード以外のモンスターを破壊する。」


 マグネッターは自分自身を燃やし、俺のフィールドを焼き付くす。 そしてその後はなにも残ってはいなかった。


「これでサンクラはいなくなった。 更にマジシャンドールが破壊された事により、捨て場にマジシャンドールが2体いるのでカードを1枚ドローする。 そして俺はエンディングを迎える。」


 とりあえずサンクラは破壊できたし、相手のモンスターの特徴も大体は理解できた。 問題なのはここからだ。

ラスボスのような存在のデッキ内容がこんなのでいいのかと自分でも思ってはいますが、最後の最後で互いに鬼畜なデッキのぶつかり合いというのも面白くないと(勝手に)感じたので、もしかしたら今まで以上に話を長くするかも知れません。

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