表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第3章 世界の異変と転生者
249/262

終わりからの復活

最初はこの状況を見たセイジからの視点になります

「・・・くっ・・・まさか零斗さんがやられるなんて・・・」


 最初だけは卑劣だと思った戦い。 それでも零斗さんは善戦していたし、一度は追い詰めるチャンスもあった。 だが敵はそれを的確にいなして、零斗さんにダメージのみを与えていた。 そして最後の零斗さんの手札のカードは起死回生のカードではなかったのかと、俺は悔しがった。


 相手がエンディングを宣言してしまえば、零斗さんの敗北が決まってしまう。 しかし俺達ではもう止めることは出来ないのだ。


「だけど相手の戦い方は分かった。 これなら次は・・・」

「セイジ。」


 次の戦闘の準備に入ろうとした時、ベルジアから声がかかる。 そのベルジアの冷静さをみて、自分が焦燥感に駆られているのを感じ、気持ちを落ち着かせる。


「どうした? ベルジア。」

「私が零斗と話をする機会があった時なのだが、まずこのゲームにおいての勝利条件は知っているな?」

「あ? ああ。 「相手のライフコアを0にしてエンディングを迎える」こと。 「山札からドロー出来るカードが無い時にドロー宣言する事」だろ?」


 本当はもう1つ条件があるのだろうが、この世界であるのか分からないので、言わないでおくことにした。


「そうだ。 そして最初の条件において、「エンディングを迎えた時」と言われているが、このゲームにはクールタイムが存在する。」

「そのクールタイムの時に、ライフコアが1でも回復できれば、最初の勝利条件にならないから、ゲームは続行されるってことだよな。」


 ミカラ様の時に自分自身で体験しているのでその辺りは間違いはない。


「それを踏まえた上で、レイトがある日、奇妙なことを言ってきたのだ。」

「奇妙なこと?」


「ああ。 この話の前に我々は練習試合をしていた。 そして試合が終わった後に、レイトはこう言ったんだ。


『この遊びにおいての勝利は、相手の心臓核を無くした後に休戦を迎えることになっている。 そして休息に入る時に、心臓核を復活させることが出来れば、戦闘は続けられる。 ではその休息時に心臓核が無い状態でも続けることの出来る兵、もしくは魔法の効果が発動した場合、それは戦闘が続行状態になるので御座ろうか?』


 零斗のしゃべり方は独特なので、完全に理解が出来なかった。 レイトは何かのヒントを得られたようだが・・・なにか思い当たる節はないか?」


 ベルジアから聞く言葉に思い当たる節はない。 だがその零斗さんの言葉には、なにか零斗さんにしか出来ない事がある気がする。 零斗さんの言葉を翻訳するならば「クールタイムの時にライフコアが0でも、モンスターや魔法の効果を使って敗北にならない場合、その状態で続けられるのか?」ということだ。


 もちろん実際にはやったことは無いし、そんなカードを引いた記憶もない。 ましてそもそもがそんな考えに至ることが無いからだ。 しかしそこで零斗さんの言葉を思い浮かべ、何故そこでベルジアが話したのかに疑問を感じていた。この場で話した理由・・・


「・・・まさか・・・」


 そう言うことなのか? 零斗さんは見つけていたのか!? 例えライフコアが完全に尽きたとしても、それでも戦いを続ける方法を。 そのカードを!


「それだけ盛大に倒れてしまえばもはやなにも出来まい。 クールタイムに入り私は・・・」


 そう敵がエンディングを宣言しようとした瞬間に、奇妙かつ不気味なことが起こった。 零斗さんのライフコアは確かに「0」を示している。 このゲームにおいては確かに物理的ダメージは少ないものの、ダメージ量によっては激痛が走ることもある。 そしてライフコアが「0」になった時、立っていられなくなる程だ。 それなのに、だ。 零斗さんは立ち上がり、ディスクを構えたのだ。


「な・・・ば、馬鹿な・・・ライフコアは既に「0」を示している・・・いや、仮になにかを使うとしてもコストがいるはず・・・」

「恐れているで御座るな。 拙者を。 神でも亡霊は恐怖するもので御座るか。」

「な、なにを・・・!?」


 そう話す零斗さんの背中から、黒いオーラが現れる。 そしてそれは形となって、ある武士へと変わっていった。


「拙者は命を刈り取られた者の無念を晴らすために生まれ変わった亡霊。 亡霊が死する時は、命を刈り取った者の全てを奪った時に、達成される。」


 ―――――――――――――――――――――――


『モンスター:生と死の狭間の猛者 レアリティ 金 コスト -

 種族 アンデット族

 手札がこのカードのみでライフコアが0になったクールタイム時、このカードを召喚する。

 このカードがフィールドに存在する限り、ライフコアが0になっても敗北にならない。

 このカードは戦闘及び効果の対象にならず、自身の効果以外での破壊及びフィールドから離れる事はない。

 このカードは自分のターンの3回目のエンディング時、または相手が1ターンで50以上のダメージを与えた時、このカードは消失する。

 このカードがフィールドから離れた時、このカードのプレイヤーは敗北する。

 ATK 0 HP 1』


 拙者が最後に手札に加えた兵の札。 この兵はあまりにも想定の範囲外でのみ召喚の許される兵。 条件が限定的ではあるが、相手の度肝を抜く点においてはとんでもない威力になる。 最もこちらにも聞こえていた話を察するに、セイジ殿も驚きはするとは思うたが、恐らくは戦っても「そういうもの」という認識で頭を切り替えることだろう。 セイジ殿はこの遊びにおいてはいつも拙者よりも二枚三枚上手で御座る。


「っ! 死に損ないの傭兵風情が!」


 なんとでも言うで御座る。 汝の為の秘策では無いとは言え、このような形を見せてくれたことに感謝はしているで御座るからな。


「さぁ、もう休息は終わったで御座ろう? こちらに手番を回すで御座る。」

「っ! 私はエンディングを迎える!」

「拙者の開戦、そして山札を引く。 戦闘準備。」

「くく、くくくくく。」


 拙者の番だというのに異様な笑い方をしたで御座る。 拙者のこの状況に気でも触れた・・・と言うわけでは無さそうで御座るな。


「くくく。 なに、確かに驚きはしたが、冷静に考えれば特段意味の無いことではありませんか。」

「意味がない、とは?」


「自分で出したカードなのにもうお忘れですか? そのモンスターは3ターンを過ぎれば消失する。 つまり貴方は、私がなにもしなくても3ターン後には敗北するということ。 ただの延命措置に過ぎなかった、と言うわけですよ。 まあ、今すぐに負けたいというのならば、次のターンで私のドクトルの弓に貫かれれば良いこと。 丁度装備カードの効果によって、そのモンスターのもう1つの効果の範囲内に入りますからねぇ。 自ら苦しみを味わいに戻ってきたと思えば、笑わずにはいられなかったわけです。」

「ほぅ、ではその余裕の笑みがいつまで続くか、拙者に見せてみるで御座る。 拙者は魔法札「死者の遺品」を発動。 この札は自分の捨て場にいる兵の効果を使用する事が出来る魔法。 本来ならば代償を支払うが、玉座の効果は続いている。 代償は支払わないで御座る。 拙者は捨て場にいる「暗躍兵 西方ノ影」の効果を使用するで御座る。」


『モンスター:暗躍兵 西方ノ影 レアリティ 紫 コスト 6

 種族 衛兵

 手札が0の時、相手の装備カードを1枚破壊する。

 ATK 8 HP 10』


「そんなモンスター一度も・・・捨てた山札の中に眠っていたのか!」

「そうで御座る。 汝に捨てさせられた山札に隠されていた伏兵で御座る! さあ、その装備札を捨てるで御座る。」


 相手はかなり苦い顔をしているで御座るが、それだけで済んだだけまだましだと思えよう。 まだ彼等の攻撃が残っているのだからな。


「戦闘開始! 異次元からの強者でドクトルを攻撃!」

「しつこい男は嫌われると相場が決まっているのですよ! 私はコストを5つ支払い、インタラプトカード「届かぬ領域」を発動。 さぁ、攻撃の手を止めなさい。」


 そちらもそういった意味合いでは中々だとは思うで御座るが。 攻撃できぬのならば時を進めるしかない。 相手に凌ぎきられる前に、決着をつけに参ろうぞ!


「休息に入り、拙者は休戦を迎えるで御座る。」

この状況自体はあるアニメのキャラクターが陥った状態からの復活するというものをリスペクトしています。


ここまで読んでくださっている読者なら、大体は察することが出来るのではないでしょうかw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ